イベント
話題の女性限定カプセルホテルの居心地は? 「千銃士」×秋葉原BAY HOTELコラボお泊りレポート。コラボを仕掛けるキーマンにもインタビュー
カプセルホテルと聞いて,女性のみなさんはどんな印象を持たれるでしょうか。カプセルホテルを数多く展開するBAY HOTELグループは,2016年5月に女性専用カプセルホテル・秋葉原BAY HOTELをオープンして以来,さまざまな女性向けタイトルとのコラボを展開し,その名を広めてきました。好きなタイトルとコラボするから行ってみたい,けれどカプセルホテルとなるとその“過ごしやすさ”が気になる,という人も多いかもしれません。そこで「実際のところ居心地はどうなの?」という疑問にお答えするべく,スマートフォン向けアプリ「千銃士」(iOS / Android)とのコラボを開催中の同ホテルで,宿泊取材をすることになりました。今回はそのレポートとともに,コラボの仕掛け人にお話を聞いてきたので,その模様をお届けします。
ホテル内は土足厳禁なので,まずは入口横の鍵付きの靴箱に靴を預けます。続いてフロントで名前を告げ,予約を確認。ここでは宿泊に関する注意事項を聞けるとともに,スーツケースなど大きな手荷物はフロントに預けることもできるそうです。受付で渡されるリストバンドにはユニット(部屋)番号が書かれており,フロアに入るときやロッカーを開ける際に必要になります。
客室フロアは2階から5階までで,「千銃士」のコラボユニットは5階にあります。リストバンドに内蔵されている鍵を使ってロッカーを開けると,中には宿泊セット一式が入っています。用意されているのは館内着,バスタオル,ハンドタオル,ボディタオル,ヘアブラシと歯ブラシ。このほかのアメニティはフロントで貸し出し,または販売されているので気になる人は確認してみましょう。ちなみに,貴重品以外の荷物をロッカーに預けておくと,ユニット(客室)内を広々と使えますよ。
それではさっそくユニットへ潜入です。カプセルホテルというと非常に狭いイメージを持っている人もいるかもしれませんが,実際に入ってみると想像以上にゆとりがあります。広さとしてはシングルベッドぐらいですが,正座をしても天井に頭がつかないくらいの高さがあるため,圧迫感はほとんどありません。
ユニット内にはアラーム時計と照明の調節パネル,コンセントが一口とUSB充電口が一口あります |
壁面にある「千銃士」のコラボパネルは超美麗! アップにしてもこの美しさです |
横になってみると,背中や腰にくる感触は気持ち固め。しかし固すぎるということもなく,寝心地はとても良いです。テレビがついているユニットもありますが,音の出る機器はヘッドフォンやイヤフォンを使用する決まりなので,フロアは基本的にものすごく静かです。聞こえてくるのは空調の音くらいで,こじんまりとしたスペースというのも相まって,ユニットの中にいると実に落ち着きます。それにしても,本当に静かです……。
……はっ,このままでは寝てしまう! ということで,シャワールームへ行ってみました。シャワールームには個室が10以上あり,よほどの混雑時でなければ待つこともありません。この中の1つに「千銃士」コラボ仕様のある仕掛けが用意されていたので,今回はこのシャワールームを使ってみました。湯船はないもののシャワーの水圧が高いため,とても疲れが取れます!
シャワールームのアメニティも充実。シャンプーにコンディショナー,ボディソープ,さらにメイク落としと洗顔料もあります。洗面台には化粧水と乳液もあるので,万が一基礎化粧品を忘れてしまっても安心です。
ユニット内は基本的に飲食禁止のため,食事やおしゃべりなどは,地下のラウンジまたはコミュニティスペースのいずれかで行う形になっています。ラウンジにはテレビがあり,椅子とテーブルもほぼ一方向に向けて置かれているので,人の目を気にせずくつろげます。コミュニティスペースはこちらの記事でレポートしたとおり,「千銃士」の装飾があちこちに施され,プロモーション映像が流されています。おしゃべりをする場合は,ラウンジよりもこちらのスペースのほうが良いかもしれません。
同日に宿泊していた「千銃士」ファンの人にお話を聞いたところ「思った以上に装飾も凝っていて,とても過ごしやすいのでぜひまた来たい!」とのことでした。カプセルホテルと聞くとネガティブなイメージを浮かべがちですが,BAY HOTELはそんなイメージとは違った過ごしやすさを提供してくれるホテルのようですね。
コラボ仕掛け人に聞く!
最後に,コラボを実現してきたキーマンへのインタビューをお届けします。ホテル運営の傍らさまざまなコラボを企画しているCVSベイエリアの北向氏と小川氏にお話を聞きました。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。BAY HOTELといえば,女性向けタイトルとのコラボですっかりお馴染みになりましたね。そもそも,どういったきっかけでコラボを始めようと思われたのでしょうか?
小川氏:
カプセルホテルというと,女性が泊まりづらいイメージがありますよね。我々としてもこの秋葉原に初めて女性専用のカプセルホテルをオープンする際「女性が泊まりたくなるようなきっかけは何かないか」と模索していました。ちょうどその頃,北向から「女性向けゲームとコラボしては?」という提案があり,ゲームやアニメの好きな女性をターゲットにすることを考え始めたんです。
北向氏:
一般的な企業の場合,“ゲームとコラボ”というのはなかなか難しいところもあると思うんですが,うちの会社はコンビニ経営(※)である程度の経験がありましたので。
(※)CVSベイエリアは,東京・千葉の東京湾岸エリアに青色の看板でお馴染みの大手コンビニ店舗を展開・運営している。
4Gamer:
国際展示場駅前の,あのコンビニですよね。グッズもたくさん置いてありますし,ビッグサイトで大きなイベントがあるときなど,いろいろとやられていますね。
北向氏:
はい。メーカーさんともお話していて「実はあのコンビニは我が社が経営している」と言うと,「ああ,あの普通じゃない感じの!」と驚かれます(笑)。あそこで何年もそういったことをやっていた素地があったので,だったら「ホテルでもやってみてはどうか?」と提案してみたところ,すんなりと企画がとおったんです。
4Gamer:
メーカーと行うホテルのコラボは,どのような流れで進められるのでしょうか。BAY HOTELサイドから提案される形ですか?
小川氏:
秋葉原BAY HOTELのオープン(2016年5月)からしばらくは,こちらから企画を持ち込むことが多かったのですが,最近はありがたいことに権利元やメーカーさんからお問い合わせいただいて話が進むことが増えました。
北向氏:
AnimeJapan 2017で,コラボ10選に選ばれたのが大きかったのかもしれません(※)。ここからお問い合わせをいただくことが格段に増えました。
(※)アニメと異業種によるコラボの中で,とくに注目度の高いものが選出される「COLLAB 10 SELECTION」。BAY HOTELはアニメ「KING OF PRISM by PrettyRhythm」コラボで,その10選に選ばれた。
4Gamer:
では,企画が立ち上がってから,実際にコラボを実施されるまではどのくらいかかるのでしょうか。
小川氏:
ある程度の方向性が決まってしまえば,準備としては2〜3か月くらいですね。やはり,そこに至るまでの話し合いに時間がかかります。今回の「千銃士」の場合は,マーベラスさんとゲームのリリース前からお話をさせていただいていたので,実施までに半年以上はかかっています。
4Gamer:
毎回ユニークな仕掛けを用意されていますが,こういった案はどなたが考えられているんですか。
小川氏:
最近はほとんど私ですね。先方からイラストなどの資料をいただいて,ゲームがあれば実際に触ってみて,あとはインターネットでファンの動向や意見をチェックしています。それらを参考に,まずは簡単な企画書を作ってメーカーさんにご提案する流れです。
北向氏:
市場を見るために,さまざまなイベントや舞台,公演に足を運んで,どういったものが女性に喜ばれるか日々,リサーチと研究をしています。
4Gamer:
日々研究されているんですね。こう言うとなんですが,お2人とも普通の“ホテル経営のサラリーマン”という印象の男性ですよね(笑)。コラボで訪れる作品のファンの人が知ったらかなり驚かれるんじゃないかと思います。ちなみに今回の「千銃士」コラボを実現する際に,印象に残ったエピソードはありますか。
小川氏:
マーベラスさんからイベントで実際に使用された衣装をお借りするにあたり,最初はただ台の上に置いてディスプレイしようと考えていたのですが,せっかくならトルソーに着せたほうがいいんじゃないか? と思いまして,背景パネルと合わせてあのような形になりました。
4Gamer:
あれはすごく良かったです。平面でなく立体になることで,よりリアルに感じられると言いますか。
小川氏:
スマートフォン向けゲームですと,普段見ている画面が小さいじゃないですか。ですから,パネルもできるだけ大きなものを作って,ゲームの世界をホテルの中で体験できるようにしたいんですよね。このホテルに来れば,いつも小さな画面で見ている世界が現実に再現されている,そう思っていただけるようなものを目指しています。
4Gamer:
そういった想いで作られているからこそ,いいものができるんですね。余談なのですが,使われたパネルや館内の装飾はコラボ終了後どうされているんですか。
小川氏:
大切に保管しています。いつもそうなんですが,コラボは一回限りのものだとは考えていません。いつかまた実施していただける日のために取ってあるんですよ。
北向氏:
メーカーさんからは,イベントで使いたいと仰っていただくことも多いですしね。
4Gamer:
この2年でかなりの数のコラボを実施されましたが,どれもが好評でしたね。
小川氏:
1回でもご宿泊していただくと,カプセルホテルに多少ネガティブなイメージがあっても,ほとんどの方に気に入っていただいております。
北向氏:
気に入っていただいた方は,コラボ期間でなくても,例えばほかに好きなゲームのイベントや舞台があるときに,遠征時の宿泊先として使っていただけることが多いようです。当初の我々の目的であったPRが,コラボをとおしてしっかりと実現できているようで,大変ありがたいですね。コラボは向こう半年……来年くらいまでは,さまざまな権利元やメーカーさんとお話を進めているので,しばらくはほぼ休みなくなにか実施できるのではないかと思います。
4Gamer:
順風満帆ですね!
小川氏:
やはりホテル業界は競争が激しいので,こういった切り口,ブランディングによる差別化をはかることが,生き残るためのカギになるのかもしれません。
4Gamer:
BAY HOTELグループのセンスが光るコンセプトホテルも見てみたいです。
北向氏:
ゲームと絡めたら面白そうですよね。例えばですが,ホテルマンを全員イケメンで揃えたりして(笑)。そういう新しい展開も,アイデアとしては今いろいろと考えています。BAY HOTELグループで経営するカプセルタイプのホテルは都内に6箇所ございまして,市川塩浜にはビジネスホテルもあります。
また6月中には,新しく浦安駅前にアパートタイプのホテルもオープンします。こちらでのコラボはまだ検討中なのですが,舞浜はイベントや舞台の行われる会場へのアクセスが良いので,なにか仕掛けられないかと考えています。
4Gamer:
今後の展開も楽しみにしています! 本日はありがとうございました。
「BAY HOTELグループ」公式サイト
「千銃士」公式サイト
「千銃士」ダウンロードページ
「千銃士」ダウンロードページ
(C)LINE Corporation / Marvelous Inc.
(C)LINE Corporation / Marvelous Inc.