「トロピコ 6」は交通インフラの整備が重要に。新要素を開発元のLimbic Entertainmentに聞いた

　スクウェア・エニックスが2019年9月27日に発売を予定している，独裁国家運営シミュレーション「トロピコ」シリーズの最新作「トロピコ 6」。E3 2019の会場にて，開発元であるLimbic Entertainmentのリードレベルデザイナー・Mark Mussler氏から，本作の魅力を紹介してもらったので，その模様をお伝えしよう。

デモプレイを見せてくれたリードレベルデザイナーのMark Mussler氏

　国の指導者「プレジテンテ」として，理想の国家を作っていく本シリーズ。本作で大きく変わったポイントが，舞台となる島だ。これまでは1つの島を舞台に国を作り上げていったが，本作では複数の島を開発していくことになる。そのため，島と島がどれだけ離れているか，どの島に何の建物を建てるかなどを考える必要があるという。


　離れた島々を管理するために重要なのが，交通インフラだ。橋を作って島をつなげば，国民達が島と島を行き来できるようになる。
　さらに本作では，150種類の建物が登場し，より交通の便を強化できるようになった。例えば，新しい建物のバスガレージを建てて，バス停を作れば，バスを使っての移動が可能になる。トンネルを作れば山を挟んだ島の反対側などにもすぐに行けるようになるし，ケーブルカーを建てれば高いところへの移動も楽になる。交通インフラの整備が進めば，国民が素早く職場にたどり着けるようになったり，あるいは娯楽施設に行きやすくなってニーズが満たされ，すぐ仕事に戻れるようになったりして収入も増え，国民も幸福になり，良いことづくめというわけだ。


　建物関連では，プレジテンテの宮殿がカスタマイズできるようにもなった。宮殿のレイアウトを変えたり，屋上に水槽やプレジテンテのホログラムといったオブジェクトを置いたりして，好みの見た目にできる。
　また，プレイヤーからの要望を受けて，宮殿を移動できるようにしたとのことで，「宮殿の場所を空けてほかのものを建てたいなあ」といったときも，困ることがなくなった。


　トロピコのプレジテンテと言えば独裁者であり，国民の幸福のためにインフラ整備に注力するだけでなく，国民を逮捕や暗殺してしまったり，島に犯罪者を集めて労働者としてコキ使ったりと，プレイヤーの方向性によっては自分の利益だけを考えたプレイもできる。
　そんな悪の指導者プレイで面白い新要素が，他国からのランドマークの強奪だ。島には，他者を攻撃して利益をもたらす襲撃ポイントのような建物を建てられる。これは時代によって種類が異なり，例えば海賊の活動拠点を建てられる時代であれば，船を襲撃して資源を略奪することができるのだ。
　時代が進むと，海賊ではなくスパイも登場する。彼らには他国で暗躍するよう指令を下せるのだが，中には自由の女神やスフィンクスといったランドマークを盗み出してきてしまうなんてものもある。ランドマークの強奪を成功させるには条件を達成する必要があり，そもそもどうやって持ってきてるんだよという気もするが，夢のある話である。ランドマークを強奪すると，トロピコ内では観光客から大きな支持を得られるので，選挙で支持率を上げたいときなどに有効そうだ。


　システム面以外にも，本作では「Unreal Engine 4」を採用し，より美しく島の様子が描かれるようになったのもポイントだ。とくに，時間の流れで変わっていく日差しや影の表現に注目してほしいとのこと。また，本作にもトロピコらしい独特のユーモアが随所に散りばめられており，そういった部分も日本のプレイヤーに楽しんでもらえれば嬉しいと，Mussler氏は話していた。