インタビュー
[EVO2019]決勝戦は2人で夢中になって対戦を楽しんだ――「ドラゴンボール ファイターズ」部門優勝,GO1選手インタビュー
4Gamer:
優勝おめでとうございます。一夜明けてとなりますが,今の気持ちを聞かせてください。
GO1選手:
朝起きてから優勝の余韻に浸っていました。「そういえば,昨日優勝したんや……」って。決勝トーナメントの前日に緊張して一睡もできなくて,その反動で今日は10時間ほど寝ていたんですが……まだちょっと眠たいですね(笑)。
4Gamer:
優勝後に涙を流して喜ぶなど,大会にかける思いが強く感じられました。
GO1選手:
2015年――まだ自分がプロになる前にEVOに招待してもらったことがあるんですが,そのときにメイントーナメントでの戦いを見て以来,「いつかこのステージに立って優勝したい」と思い続けてきました。自分はそれがきっかけでプロを目指すようになったんですよ。
そしてEVO2018では,ドラゴンボール ファイターズ部門の優勝候補と言われ,実際にGrand Finalまで進出できたんですが,そこでSonicFoxに敗れてしまって……。あと一歩のところで負けるのって,何よりも悔しいんですよ。今年は,悔しい思いを絶対にしたくないという気持ちで挑みました。
4Gamer:
GO1選手はさまざまなタイトルで活躍を見せるマルチゲーマーで,EVO2015のサイドトーナメントでは,4タイトルで優勝をさらって話題となりました。
GO1選手:
今年はドラゴンボール ファイターズ1本に絞らないと優勝するのは難しいと思っていたので,ずっと一筋でがんばってきました。これまでの自分であれば,「SAMURAI SPIRITS」や「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」に手を出していたかもしれませんね。
4Gamer:
EVO2018のGrand Finalでは,SonicFox相手に3試合を連取してセットカウントをリセットしたものの,そこから0-3での負けを喫してしまいました。あのときの心境はどのようなものだったのでしょうか。
GO1選手:
あのときはリセットしたあと,先に1試合取られてしまったときのにメンタルが崩れてしまったんです。「このままだと負けてしまう」といった気持ちが先行してしまい,焦ったまま立て直せず負けてしまったんですよ。今年は同じことがないように,気を強く保とうと考えていました。
4Gamer:
今年は昨年とは逆で,GO1選手がWinner's側でSonicFox選手がLoser's側という立場でした。気持ち的にも余裕はありましたか。
GO1選手:
そうですね。「リセットされてもいいし,普段通りやったら勝てるだろう」という気持ちで挑んでいたので,去年ほどの緊張は感じませんでした。
4Gamer:
ところで,GO1選手は大会中,ラウンドの合間に本をパラパラとめくって読んでいましたが,あれは何かのルーティーンなのでしょうか。
GO1選手:
あれは速読ですね。TV番組で「小説を速読で読むと,集中力や反応速度が上がる」と紹介されていて,「これは格ゲーでも役立つんじゃないか」と思い,今年から取り入れました。その番組では速読したあと,バッティングセンターの150kmのボールを打てるようになっていました(笑)。ちなみに読んでいるのは,羽生善治さんの「迷いながら、強くなる」です。
4Gamer:
SonicFox選手との決勝戦,自信のほどはいかがでしたか。
GO1選手:
大会前日にSonicFoxと60試合くらい対戦したんですよ。最初はかなり勝てていたんですが,SonicFoxはやればやるほど強くなってきて……,最後に行った3試合先取の勝負では3-0で負けてしまい,ちょっとやばいんちゃうかって思っていました(笑)。
4Gamer:
Grand Finalの舞台では2人とも楽しそうに対戦しているのが印象的でした。
GO1選手:
めちゃめちゃ楽しかったんですよ(笑)。対戦していて,相手がうまいプレイを見せたときに自然と笑ってしまったり,自分がSonicFoxに対して,癖を読んでいるプレイをしたら「やるじゃないか」って顔でこっちを見られたり。EVOの決勝っていう大舞台なんですけど,2人で夢中になって対戦していましたね。
4Gamer:
SonicFox選手がもっとも優れている部分は何になるのでしょうか。
GO1選手:
一番すごいと感じるのは読み合いの強さですね。暴れどころが的確ですし,防御の癖を読んで攻め込んでくるセンスが飛び抜けています。これまでさまざまなタイトルで強豪と戦ってきましたが,彼ほど攻めがうまいプレイヤーは見たことがないですね。
それから,大会で気を付けなければいけないのは集中力の高さです。普段の試合で当たる技が大会中はまったく当たらなくなるので,同じ調子で戦っているとペースを崩されてしまうんです。
4Gamer:
それだけの強敵であるSonicFox選手ですが,勝利できた要因はなんでしょうか。
GO1選手:
1年間のやり込みですね。ドラゴンボール ファイターズ以外のタイトルに手を出していたら勝てなかった相手だと思います。
4Gamer:
普段はどのような練習をしているのでしょうか。
GO1選手:
対戦が中心ですね。CYCLOPSの地下にあるeスポーツ施設の「Osaka esports basement.」で定例の対戦会を行っているのと,あとは関西勢に集まってもらって週に3〜4日は対戦していました。
4Gamer:
オンラインではあまり対戦をしないのでしょうか。
GO1選手:
オフで対戦ができない日はオンラインでの対戦もしていました。オンライン対戦だと普段見切れる技がガードできないことも多いのですが,気にせずオフラインと同じ感覚で戦うように意識していました。
4Gamer:
CYCLOPS athlete gamingには,フェンりっち選手やどぐら選手といったドラゴンボール ファイターズの実力者が揃っています。彼らとは常に意見交換などをして,お互いに高め合っているのでしょうか。
GO1選手:
フェンりっちとは一緒に練習しているんですが,どぐらは「Capcom Cup 2018」に出れなかったのが悔しかったようで今年はストVに専念しているみたいですね。
4Gamer:
フェンりっち選手はドラゴンボール ファイターズを始めてからすごい勢いで上達していましたよね。
GO1選手:
彼は格闘ゲームの天才ですね。それまでは「BLAZBLUE」シリーズくらいしか格ゲーをやっていなかったんですが,1度触ったゲームはすぐに理解して,独自の強みを伸ばして,あっという間に強くなっていくんですよ。今年もそれほどプレイしていない「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」でトップ8に進出していますし,ものすごい才能を持っていると思います。
4Gamer:
GO1選手が感じるドラゴンボール ファイターズの魅力を聞かせてください。
GO1選手:
やればやるほど強くなれるゲームなんですよ。人間がギリギリ反応できる行動がたくさんあって,それを1つずつできるようにしていくことが面白いんです。自分が強くなっていく実感があると,モチベも上がりますよね。
あとは誰もが知っている「ドラゴンボール」のゲームなので,世界中の人と一緒に観戦で盛り上がれるのも魅力ですね。アニメーションやかけあいのシーン,ドラマティックフィニッシュなど,原作のシーンがいろいろと再現されているので,普段格闘ゲームをプレイしない方でも楽しめる作品になっているんじゃないでしょうか。
4Gamer:
最後にこれからのプロ選手としての目標とファンへのメッセージをお願いします。
GO1選手:
EVO優勝という大きな目標を達成できましたが,これに満足することなく,まだまだ勝ち続けるためにがんばっていきます。これからも応援してくれるファンにいい試合を見せていきますので,応援よろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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