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[COMPUTEX]8086の40周年記念CPUだけじゃない? Intelのプライベートブースで同社の最新技術や搭載製品をチェック
元祖8086比で動作クロックは1000倍!
Core i7-8086Kに注目集まる
ブースでは,Core i7-8086KとIntel 8086の実物を並べて展示しており,近くにいた説明員が,「IntelのCPUは,40年で動作クロックが1000倍となった」「接続ピン数は約30倍に」といった8086トリビアを披露していた。
Core i7-8086Kは,Coffee Lake-S世代の既存CPUである「Core i7-8700K」の選別品で,シングルコア動作時のブースト最大クロックは5GHzとなっている。オリジナル8086が5MHzからだったので,動作クロックは確かに1000倍だ。同様に,オリジナル8086はピン総数が40本だったのに対して,Core i7-8086Kは1151本と,こちらは約29倍である。
実際のCore i7-8086Kは,クロックが向上しているだけでなく,内部構造はまるで別物になっているし,スーパースカラーの採用やマルチコア構造の導入,3階層のキャッシュメモリシステムなど,8086とは似ても似つかぬところだらけだ。性能差は1000倍どころではないだろう。
日本では見かけないKaby Lake-G搭載PCの展示もあり
Intelブースでは,第8世代Coreプロセッサとセミカスタム版GPU「Radeon
ただ,残念ながらゲームを動かすデモはいっさいなしで,ゲームにおける実力は判断できていない。
スティックPCサイズのAI用コンピュータは,既存システムにAI処理を加える用途を目指す
Intel傘下のMovidiusは,デバイス側で動作する「エッジコンピューティング」用のAI用途向けプロセッサを開発している企業だ(関連リンク)。
そのMovidiusが出展していたのは,いわゆるスティックPCサイズの深層学習用コンピュータ「Movidius Neural Compute Stick」(以下,NCS)という製品だ。ゲーマー向けどころか,PCユーザーが買うような製品ではないが,簡単に触れておこう。
Intelブースでは,平均的なスペックを有するというNUCにNCSを1本接続して,動画の映像を解析し,人間と認識できる領域を矩形で囲むというリアルタイムのデモを披露していた。
デモで使用していたNCSは,まだプロトタイプであるそうだが,業務用途向けでの販売を狙っているという。たとえば,既存のPCをベースとしたセキュリティシステムを大きく変えることなく,コンピュータビジョンを利用したセキュリティソリューションにアップデートするといったサポートビジネスが視野にあるようだ。
Thunderbolt 3の利便性向上を目指すIntel
Intelが以前から力を入れている高速インタフェース規格「Thunderbolt 3」の展示コーナーでは,「ごく普通のスリムノートPCで,メディアコンテンツのクリエイターがワークステーション並みの作業環境で創作活動を行うには?」というテーマをもとにした展示が行われていた。「それを実現する鍵となるのが,Thunderbolt 3ですよ」というわけだ。
Thunderbolt 3は,複数のデバイスを数珠つなぎにして接続できるディジーチェーン接続に対応しており,種類の異なるデバイスを連結していくようにつないで使える分かりやすさがアピールポイントの1つである。
デモ展示では,1台の薄型ノートPCにアスペクト比21:9の液晶ディスプレイを2台と,複数の外付けSSDなどを多数つないだ状態で,きちんと使える様子を披露していた。
ちなみにIntelは,2018年に新世代のThunderbolt 3コントローラである開発コードネーム「Titan Ridge」をリリースしており,USB 3.1よりもさらに高速な帯域幅が必要な機器を簡単に接続できるインタフェースとして,普及に力を入れていく方針のようである。
とくにTitan Ridgeの特徴は,8K解像度で60Hz,4K解像度なら120Hzの映像伝送が可能なDisplayPort 1.4規格への対応であり,2018年後半から2019年にかけて,対応ディスプレイが市場に登場するそうだ。
M.2版Optane SSD 905PはCPUやGPUの本来の性能を引き出す
基調講演で披露された3D XPointメモリを採用するストレージ「Optane SSD 905P」の性能を実演で示すコーナーもあった。
1つはASRockの「Ultra Quad M.2 Card」で,もう1製品はMSI製「M.2
SSDコーナーの担当者によると,最近はCPUやGPUの性能が高くなったことで,ビデオエンコードのようなデータ処理では,ストレージデバイスが性能向上におけるボトルネックになっていると述べる。M.2版Optane SSD 905Pのように,システムのストレージ性能を劇的に向上させるデバイスは,コンピュータの活用法を再定義するほど重要な存在なのだと,この担当者は力説していた。4K解像度や8K解像度のビデオ編集を快適に行うには,Optane SSDのような高速ストレージが必須の存在となるのかもしれない。
IntelのCOMPUTEX TAIPEI 2018特設Webページ(英語)
COMPUTEX TAIPEI 2018取材記事一覧
- 関連タイトル:
第8世代Core(Coffee Lake,Kaby Lake)
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