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インタビュー
「Destiny 2」拡張コンテンツ“漆黒の女王”メールインタビュー。“光と暗黒の物語”最終三部作の第1弾は,いかにしてデザインされたのか
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2017年に正式サービスを開始した「Destiny2」は,2014年に発売された「Destiny」(PS4 / PS3)の続編にあたるタイトルだ。
最大6人対6人で展開されるPvPや,レイドバトルをはじめとするオンライン要素だけでなく,遠未来の太陽系を描いた重厚な世界と,それを丁寧に描き出す伝承(ストーリー)の数々も大きな魅力となっている。
オンライン専用のタイトルということもあり,「Destiny」から続くシリーズの世界は,拡張コンテンツがリリースされるたびに広がっている。今回の「漆黒の女王」は“光と暗黒の物語”をテーマとする最終三部作の第1弾であり,これまでに本作の世界を追いかけていた人にとっては,待ちに待った拡張コンテンツでもあるのだ。
「Destiny 2」,最新拡張コンテンツ“漆黒の女王”をリリース。新シーズンも同時にスタート
![「Destiny 2」,最新拡張コンテンツ“漆黒の女王”をリリース。新シーズンも同時にスタート](/games/376/G037604/20220224016/TN/002.jpg)
Bungieは2022年2月23日,「Destiny 2」の最新拡張コンテンツ「漆黒の女王」をリリースした。新展開「光と暗黒の物語」の最終三部作の第1弾となるもので,新しいスキルを手に入れたガーディアン達が,人類の敵から太陽系を守るため,さまざまな試練に挑むという。新シーズンも同時に始まっている。
物語が追加されるだけでなく,遠近両用の汎用性の高い新武器「グレイブ」や,武器を自在にカスタマイズできる新システム,そしてボイド系サブクラスの調整など,ゲーム性を高める新要素も多く登場。プレイの楽しみ方も増えている。
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今回,「漆黒の女王」を手掛けたナラティブディレクターのAdam Grantham氏や,プロジェクトリードのBlake Battle氏,ナラティブリードのGuillaume Colomb氏へのメールインタビューを実施。2014年から約7年半にわたって続いてきた本作の物語や新たな要素が,どんな思惑でデザインされたのかを聞いた。
「Destiny 2」公式サイト “漆黒の女王”特設ページ
遠近両用の新たな武器「グレイブ」は
“究極のDestinyらしさ”を体現した武器に
4Gamer:
「漆黒の女王」では,新武器の「グレイブ」が追加されたほか,ボイド系のサブクラスに新たな特性が用意されました。いままで以上に,多様なビルド(武器種やサブクラス,属性などの組み合わせ)を楽しめるようになりました。個人的に好みのビルドなどがあれば教えてください。
Blake Battle氏:
協力プレイのレイド用キャラクターでいろいろな組み合わせを試していますが,今のお気に入りは“抑制グレイブ”でしょうか。
ハンターのサブクラスであるナイトクローラーには,特性“粋な処刑人”を追加しましたが,これは自身を“不可視”状態にしたり,敵を弱体化させることができるのです。近接攻撃をうまく使うと,不可視状態を長い時間維持できるので,今回実装したグレイブとの相性がいいんですよ。
また,強力な「ボラタイル弾」が使えるのも特徴です。その威力はすさまじく,特定の条件では,部屋をまるごと破壊することもできます。この組み合わせは,ボイドが持つ“破壊的なテーマ”がうまく表現されているのではないでしょうか。
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Guillaume Colomb氏:
普段のクラスはウォーロックを使っているのですが,新武器のグレイブが気になって,ハンターとナイトクローラーの組み合わせで,いろいろと試しています。根っからのウォーロック使いなので,ハンターの戦い方はまだ勉強中ですね。ただ,近接攻撃や不可視はとても楽しいです。
Adam Grantham氏:
2020年に配信した拡張コンテンツ「光の超越」では,ステイシス属性のサブクラスを追加しました。今回,その仕様に準じた形でボイド系のサブクラスを調整したので,自分が使うキャラクターも,サブクラスをステイシスからボイドに変えようと思って,この時をワクワクしながら待っていました。
私は,どちらかと言えばカジュアル寄りなプレイヤーなので,こういったビルド構築に深くはまり込んだときには,BlakeやJoeといったプロたちに電話してアドバイスをもらうことが多いですね。
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4Gamer:
新武器「グレイブ」は,どういった発想の元に作られたのでしょうか。生まれるきっかけや,コンセプトなどを教えてください。
Blake Battle氏:
「漆黒の女王」では,クラスとサブクラスの組み合わせだけでなく,新しい武器タイプを追加してゲームプレイの多様性を高めたいと考えていました。それを普段とは一味違う斬新なものにしたかったのです。
新しいタイプの銃やライフル,バレルを追加するのではなく,これまでのものとはまったく異なる特徴を持つ武器を実装したい。
そんな気持ちから生まれたグレイブは,槍でありながらレーザー銃でもあり,さらにはエネルギーシールドでもある。そうしたファンタジックさは実に“Destiny的”であり,まさに今回のテーマ「究極のDestinyらしさ」を体現した武器になったのではないかと,我々は思っています。
Guillaume Colomb氏:
追加された物語の中でも,グレイブは重要な立ち位置にいます。皆さんもぜひレイドをプレイして,その伝承を通じてグレイブという武器のストーリーを体感してみてください。
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4Gamer:
グレイブは,今回追加された“武器作成システム”でのみ入手できます。今後も,このシステムだけで入手できる武器種を追加することはあるのでしょうか。
Blake Battle氏:
可能性はありますが,現段階で予定はありません。
三部作の第一部「漆黒の女王」
“光と暗黒のサーガ”は完結に向かう
4Gamer:
「漆黒の女王」を含む三部作では,今まで続いてきたストーリーが最終局面を迎えると予告されていました。今回の物語における見どころや,注力したポイントなどがあれば教えてください。
Adam Grantham氏:
アップデート「漆黒の女王」で描かれるストーリーは三部作の第一部であり,続く2つのアップデート(光の終焉,最終形態)をもって,今までに描かれてきた“光と暗黒のサーガ”は最終局面を迎えます。
トラベラーとピラミッドに関連するエキサイティングな展開を用意しており,その内容がいかに壮大なものであるかは,これまでにも紹介した通りです。
「Destiny 2」拡張コンテンツ“漆黒の女王”を紹介するメディアイベントをレポート。光の力を操るハイヴとの戦いが繰り広げられる
![「Destiny 2」拡張コンテンツ“漆黒の女王”を紹介するメディアイベントをレポート。光の力を操るハイヴとの戦いが繰り広げられる](/games/376/G037604/20220208079/TN/021.jpg)
2022年2月4日,Bungieによるオンラインアクションゲーム「Destiny 2」の次期拡張コンテンツ“漆黒の女王”の内容を紹介し,ゲームプレイを実演するメディア向けオンラインイベントが実施された。これまでに発表された拡張コンテンツの情報をまとめつつ,セッションで語られた内容を紹介していく。
プレイヤーから,大きな期待を向けられていることは承知しています。期待に報いるために,そして,その先にも「Destiny」の未来が続いていることを示すために,より良いシナリオを提供できるよう努力を重ねてきました。その集大成であり,始まりであるのが「漆黒の女王」で,これまで謎であった部分も,徐々に明らかになっていきます。
ネタバレを避けたいので,どこまで話すべきかは悩ましいところですが……。皆さんが知らない,ワクワクするような謎が,「Destiny」の世界にはたくさん詰まっていますので,ぜひ楽しみにしておいてください。
Blake Battle氏:
「Destiny」シリーズのプレイヤーの多くは,ストーリーや登場人物,背景設定を非常に重視しています。そうした皆さんに満足していただけるように,「漆黒の女王」は,これまでの拡張コンテンツ以上に,物語要素を大きな柱のひとつとしています。
今回の物語のルーツは,「降り立ちし邪神」にまで遡りますが,同時に多くの新キャラクターが登場し,馴染み深いキャラクターの情報を掘り下げる展開も多く用意しています。こうした施策は,未来に生まれる「Destiny」の物語を,より奥深いものにすることでしょう。
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4Gamer:
追加されたストーリーミッションですが,最高難度「伝説」はかなり難しいとの声を聞いています。プレイヤー全体での攻略状況はどの程度でしょうか。
Blake Battle氏:
具体的なパーセンテージはまだお伝えできません。ただ,“プレイヤーが物語を完了すること。それ自体が意味ある体験になること”を目指してレベルデザインをしているので,平均以上の腕前のプレイヤーなら,時間をかければ最後まで到達できるようになっています。
なお,「ソロで挑むよりも,より手強い敵に3人で挑むほうが簡単なのでは?」といった意見も耳にしています。
初心者には厳しいと思われる方もおられるでしょうが,限られたプレイヤーしか参入できないような難度にする意図はなく,やりがいを求めるプレイヤーに対しての挑戦的なコンテンツとして位置付けています。
前作から続く新たな物語へ
新規プレイヤーを迎えるための施策は
4Gamer:
シナリオも佳境に突入した感がありますが,物語を楽しむために必要な前提となる知識も増えたように思います。初心者に向けてのサポートなど,何かしら行う予定はありますか。
Guillaume Colomb氏:
私たちが,「Destiny」と「Destiny 2」を発売したのはもう何年も前で,初期から遊んでいるプレイヤーと,新規プレイヤーには,世界観や物語に対する知識に対して大きな差が生まれています。しかし,我々は誰もが楽しめて,次を知りたいと思うようなストーリーを作りたいと思っています。
そのためには,プレイ期間に関わらず,全プレイヤーが知るべき重要な情報が何なのかを見極め,フィルタリングする必要があります。これまでに積み重ねてきた物語の中から,「漆黒の女王」を進めるうえで語られるべき伝承なのか,それとも理解されなくても特に問題のない伝承なのかを分別し,必要なものをまとめました。
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Adam Grantham氏:
新規のプレイヤーが,これまでに配信してきたストーリーをクリアしなくても,新たな物語を楽しめるようにすることはできます。
大切なのは,「漆黒の女王」の物語では何が起こっていて,それがキャラクターの決断にどう影響しているのかということ。そして,そこに過去の物語が関係しているのであれば,そのストーリーをクリアせずとも理解できるように,しっかりとした説明を入れればいいのです。
Blake Battle氏:
単に説明をするのではなく,その出来事や伝承に興味を持ってもらえるような内容にもしています。たとえば,「ゴーストとは何か」という重要なエッセンスが存在します。トラベラーが生み出した人工知能のゴーストは,プレイヤーであるガーディアンに属し,人間以外が所有することのできない存在でした。
今回のシナリオは,そうした根本的な要素に働きかけるもので,すべてを理解している熟練プレイヤーにとってはもちろん,新規プレイヤーにとっても好奇心を掻き立てられる内容になっています。
過去のシナリオを掘り下げることで見えてくるものもあるので,興味を持っていただけたら,ぜひプレイしてほしいですね。
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Adam Grantham氏:
ゴーストの件ですが,長らく敵対しているサバスンの姿を目にしたときに,関連する多くの伝承を思い出す人もいるでしょう。これまでプレイしてきた人であれば,「最も邪悪で悪名高い敵が神聖な力を手に入れた。私たちだけの特別な力だったはずなのに……」と思うはずです。
ただ,サバスンや,古から息づく邪悪な存在“ハイヴ”の細かな伝承を知らない人であっても,ストーリーのコアになる部分は理解できるようにしてあります。プレイヤーは,自身の分身であるヒーローたちの苦悩を理解し,物語に共感できるようになるでしょう。
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すでにリリースから1か月が過ぎた「漆黒の女王」。3月6日には,6人のプレイヤーがチームを組んで挑戦するレイド「門弟の誓い」も実装されている。サバスンの玉座の世界にある,不気味な沼地に潜むピラミッド艦に足を踏み入れて,隠された秘密に迫る内容になっているそうなので,プレイしておけば,メインストーリーをより深く楽しむこともできるはず。
また,Destinyアートチームによる「漆黒の女王」の未公開アートも公開されているので,こちらもチェックしておくといいだろう。
「Destiny 2」公式サイト “漆黒の女王”特設ページ
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- ライター:蒼之スギウラ
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