インタビュー
“今年最大級”のアップデートを果たした「Dauntless」メールインタビュー。Phoenix Labsが考える“進化”とは
同作は2020年6月12日,開発を手がけるPhoenix Labsが「今年最大級の内容」と謳うアップデート「虚無の喚び声」(原題:Call of the Void)を実施した。新たなエスカレーションやベヒーモス,プレイヤーがゲーム内で試行錯誤を行うためのトレーニンググランド,「遺物と遺跡」ハントパスなど,さまざまなコンテンツが追加されている。
「Dauntless」最新アップデート「虚無の喚び声」が日本時間6月12日に実施。新エスカレーションや,“物語進化”の要素などを盛り込む
Phoenix Labsは,協力型アクションRPG「Dauntless」の最新アップデート「虚無の喚び声」を,日本時間の明日(2020年6月12日)実施する。新たなエスカレーションやベヒーモス,トレーニンググランド,「遺物と遺跡」ハントパス,さらに“ゲーム内の物語進化”という要素を盛り込んだアップデートだ。
今回,4Gamerではアップデートの実施に合わせて,Phoenix Labsのパブリッシング PRマネージャーを務めるAndy Burt(アンディ・バート)氏にメールインタビューを行った。正式ローンチから1周年を迎えた同作の“これまで”,最新アップデートの内容,そして今後の展望について回答が届いたので,ぜひ目を通してほしい。
「Dauntless」公式サイト
Phoenix Labsの初作品となるDauntlessは,正式ローンチから1周年を迎えました。これまでのスタジオの成果をどのように評価していますか。
アンディ・バート氏:
正式ローンチは2019年5月でしたが,PC版のベータテスト期間を含めると,Dauntlessはすでに数年稼働しています。初期の頃から数えると,2000万人のプレイヤーがプレイしてくれました。このマイルストーンに到達できたことを,とても誇りに思っています。
Dauntlessはライブサービスゲームなので,どんどん成長しているコミュニティーが楽しめるような,新しく魅力的なコンテンツを常に創り上げていく必要があります。そうしたコンテンツに対するプレイヤーの反応は,非常に刺激的なものでした。
4Gamer:
Monster Hunter(モンスターハンター)シリーズやDark Souls(ダークソウル)シリーズなどから影響を受けているそうですが,こうしたタイトルの存在を踏まえて,Dauntlessではどのような体験を実現しようとしましたか。
アンディ・バート氏:
私たちのスタジオでも,Monster HunterとDark Soulsは人気が高いです。CapcomとFromSoftwareはとてもすばらしいゲームをリリースしてきたと思いますし,非常にリスペクトしています。Dark Soulsの戦闘は緊迫するものでありながら,スムーズでレスポンスがよく,Capcomはハンティングアクションというジャンルを創り上げました。
そして私達のDauntlessは,そのジャンルをさらに広げていくと確信しています。
Dauntlessはオンラインプレイを主軸に置いています。スタジオのスローガンとして「ディープなマルチプレイヤーゲームを通して,プレイヤーを一つにする」というものを掲げ,私達はこのレンズを通して,すべての事柄を見ています。これにはクロスプレイやクロスセーブを可能にするシステム,「One Dauntless」も含まれています。
また,ライブサービスであることも非常に重要です。数週間ごとにクオリティの向上やバグ修正といったパッチを配信し,新しいベヒモスやゲームプレイ体験を含む大型コンテンツのアップデートを実施しています。ほぼ毎月,新しいハントパスを発売して,季節ごとに獲得できるさまざまな報酬も提供しています。私達は,常に新しいコンテンツを追加することで,プレイヤーが訪れるたびに新しい発見を得られることを期待しています。
4Gamer:
2016年の発表時には「2017年のローンチ予定」とアナウンスされていましたが,正式ローンチは2019年5月でした。当初の想定以上の困難があったのではありませんか。
アンディ・バート氏:
PC版は2017年にファウンダーアルファ版とベータ版をリリースしています。新しいスタジオの初タイトルだったので,プレイヤーからのフィードバックをなるべく多く得ることが必要だと理解していました。そのため,タイトルの発表後になるべく早くプレイヤーのもとに届けることにしたのです。
コミュニティがゲームについて,どう考えているのかを聞くことはとても重要です。遠距離戦闘が良い例ですね。開発当初は近距離戦闘を中心にしようと考えていました。ベヒモスの猛烈なスタイルに対して,遠距離戦闘が合わないと思ったからです。
しかし,コミュニティが強く遠距離武器を推したことによって,遠距離戦闘でも迫力のあるゲームプレイが可能であると気づきました。実際,遠距離武器であるリピーターは人気の高い武器の一つです。
4Gamer:
Free-to-Playのゲームでは,マネタイズの手法が重要な選択です。DauntlessではLoot Boxに頼らないビジネスモデルを採用していますが,その選択をどのように評価していますか。
アンディ・バート氏:
これもコミュニティのフィードバックのおかげで,ゲームを改善することができた良い例です。2017年,まだベータ版だった頃,短期間ですがガチャを実装していました。
しかし,プレイヤーから「ガチャのような運任せの課金システムより,ストアから選んで購入するほうがいい」というフィードバックがあったため,課金システムをガチャから現在のものに変更しました。
また,常にプレイヤーの課金に対する選択肢を広げています。ハントパスではプレイを通して,そのシーズンの報酬を獲得できますが,無料のものと,追加の外見変更用アイテムなど付与される有料の「エリート」があります。Dauntlessの課金要素はゲームプレイとは関係のない,外見のみ変更となるものであるように注意しています。この選択はプレイヤーからも良いフィードバックをいただいています。
4Gamer:
これまでのアップデートと「虚無の喚び声」には,どのような違いがありますか。
アンディ・バート氏:
「虚無の喚び声」では,闇属性をテーマとした最新のエスカレーションをプレイすることができます。闇属性を持った既存のベヒモスが新しい力と攻撃方法を得て,プレイヤーに襲いかかります。また,闇エスカレーションの最後には完全新規のベヒモス,トラクスと戦うことになります。トラクスは蛇のような生物で,闇のポータルを駆使してプレイヤーを混乱させ,予期しにくい角度から攻撃してきます。プレイヤーにとって良いチャレンジになるでしょう。
「虚無の喚び声」ではシーズンを通してシナリオが進行し,それに伴ってゲーム世界にさまざまな影響を及ぼします。これは,Dauntlessでは初の試みです。そしてプレイヤー自身の選択も,シナリオに直接影響を与えることになり,7月に予定されているアップデートではその結果を見ることができるでしょう。
4Gamer:
熱心なプレイヤーは新しいコンテンツを求めていると思いますが,どのような体験が提供されるのでしょうか。
アンディ・バート氏:
Dauntlessはライブサービスゲームであるため,常に新しい方法でコンテンツを提供できるように努力しており,例えば新しいハントパスは1か月に一度リリースを行っています。ハントパスでは,50レベル分の報酬コンテンツがあります。
さらに,試練やエスカレーションといった新要素も導入してきました。また,以前にリリースしたコンテンツも常に見直しをしております。現在は剣の改善を検討しているところです。剣は最初にデザインした武器ですが,いろいろなことを学んでいます。
4Gamer:
これまでゲーム内ではストーリーに関する説明が少ないという印象を受けました。最新アップデートにより,どのように変わりますか。
アンディ・バート氏:
プレイヤーが浮遊諸島とゲーム世界の歴史に興味を持ってくれたことは,とても嬉しいです。これまでシナリオや世界に関する情報は,主にゲーム外で提供していました。例えば公式ブログでは,浮遊諸島の物語を公開しています。
「虚無の喚び声」ではシナリオの進捗を記録するスレイヤー日誌が導入されるため,さらに没入感のある世界を創り上げる第一歩となります。また,プレイヤーは7月のアップデートに影響を及ぼす新たなシナリオ要素と関わることができます。
4Gamer:
チュートリアルの改善について,その意図を教えてください。
アンディ・バート氏:
私たちは新しいプレイヤーが気軽に,そして簡単に戦闘の手順やラムズゲートでの過ごし方を覚えて,ゲームを楽しんでほしいと思っています。「虚無の喚び声」アップデートでは訓練場が導入され,ここですべてのプレイヤーが好きな武器を試して,戦闘の練習を行えればと考えています。ダメージの詳細やタイプを分析することができ,いろいろな武器や装備,セルを試して,自分にとって最適なコンビネーションを見つけられるでしょう。
4Gamer:
モバイル版の進捗はいかがでしょうか。
アンディ・バート氏:
モバイル版は現在開発中ですが,今回公開できる新しい情報はありません。
4Gamer:
最後に日本のファンに対してメッセージをお願いします。
アンディ・バート氏:
Phoenix Labsメンバー全員より,プレイヤーの皆さんにお礼を申し上げます! 私たちは日本のゲームに大きな影響を受けました。皆さんと浮遊諸島でお会いできること,そして今後のアップデートも皆さんにプレイしていただけることを,とても楽しみにしています。いつか日本に行って,会いたいですね!
「Dauntless」公式サイト
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