Windows 10専用「Forza Motorsport 6: Apex」が今春リリース。シリーズ初のPC向けタイトルはFree-to-Play型に

　Microsoft StudiosとTurn 10 Studiosは，Windows 10専用のレースシミュレーター「Forza Motorsport 6: Apex」を今春リリースすると発表した。これは，北米時間の2016年2月25日に開催されたプライベートイベント「Xbox Spring Showcase 2016」にて明らかにされたものだ。


　Microsoft傘下のTurn 10 Studiosと言えば，2015年9月にリリースされたXbox One用ソフト「Forza Motorsport 6」が高く評価されており，同シリーズはXboxフランチャイズを代表するレースシミュレーターブランドとして知られている。
　2005年に産声をあげたForzaシリーズだが，PC向けに開発されるのは本作が初めてとなる。「Fable Legends」（PC/Xbox One）や「Gears of War: Ultimate Edition」（PC/Xbox One）と共に，Microsoftが推し進めるWindows 10上に構築されたアプリケーション実行環境「Universal Windows Platform（UWP）」戦略において，重要な役割を担うことになりそうだ。


　Turn 10 Studiosの設立当時から在籍しているというクリエイティブディレクターのダン・グリーナウォルト（Dan Greenawalt）氏によると，「Forza Motorsport 6: Apex」の開発が進められている理由は，これまでのシリーズ作品では想定されていなかったPCプラットフォームの潜在的なプレイヤー層を開拓するためだという。近年，多くのPC用レースゲームはコンシューマ機からの移植であるのに対し，「Forza Motorsport 6: Apex」はPC向けにカスタマイズしたデザインを採用し，強くアピールしているとのことだ。

クリエイティブディレクターのダン・グリーナウォルト（左）氏をはじめとするTurn 10 Studiosのコアメンバー

　また，Microsoftのファーストパーティタイトルとして，最新テクノロジーであるDirectX 12をサポートしており，4K出力が可能な点も大きな魅力となっている。DirectX 12のショウケースとなるべく，妥協のないグラフィックスを実現することも開発の大きな目標だという。


　そんな魅力的な作品が，Free-to-Play型ゲームとしてリリースされるというのだから驚きだ。グリーナウォルト氏によると，前述の「潜在的なプレイヤー層へのアピール」「DirectX 12のショウケースとしての役割」なども理由として挙げられるが，「結局はファーストパーティだから無料にできる」とのことである。
　ちなみに，ゲームエンジンはDirectX 12 APIの開発チームと情報交換をしながら，既存の「Forza Tech」をカスタマイズしたものが使われている。ここからも，Microsoftの「Forza Motorsport 6: Apex」に懸ける“本気度”がうかがえるようだ。


　グラフィックスに目を向けると，アスファルトからレンガの凸凹，さらにペイントのリアリズム，内装の革製ダッシュボードのステッチに至るまで，クオリティの高さには申し分ない。一方，ユーザーインタフェースにはシリーズらしさを残しながらも，マウスで操作しやすいように改良が施されている。


　ゲームモードは大きく分けて4つ。なかでも「Event」ではフェラーリとランボルギーニがライバルとして切磋琢磨してきた歴史を辿るようなイベントが楽しめる。もちろん，そのほかのイベントも用意されているが，レースで勝つことによって新しい車種がアンロックされていく仕組みだ。ローンチ時には63車種（デフォルトでアンロックされているのは約20車種），そして20種類のコースが用意されているとのこと。
　そのほかには，毎週異なるイベントが配信される「Spotlights」，プレイヤーが自由にレースを選べる「Free Play」，そしてプレイヤーの戦績などが蓄積される「Driver Record」の3つ。これらをプレイして目標を達成していくことで，ゲーム内キャッシュとなるレースポイントを獲得するというわけだ。


「Forza Motorsport 6: Apex」にはマイクロトランザクション（少額課金）の導入が予定されているそうだが，やはり「潜在的なプレイヤー層へのアピール」「DirectX 12のショウケースとしての役割」が主な目的であるため，無課金でも十分に楽しめるとのことである。グラフィックスカードなどに投資をしてきたPCゲーマーにも，いよいよ本格的なレースゲームを無料でプレイできる時代が来るかもしれない。続報を楽しみにしたいところだ。