「RAGE Shadowverse 2023 Summer」予選大会の様子をレポート。GRAND FINALSに歩を進める8名が決定

　CyberZ，エイベックス・エンタテインメント，テレビ朝日が，3社合同で2023年4月22〜23日に開催した「RAGE Shadowverse 2023 Summer」のイベントレポートをお届けする。6月18日に実施されるGRAND FINALSに歩を進める8名の選手が決定したほか，さまざまなサイドイベントが実施された。
　なお，大会の模様はYouTubeとOPENRECで配信されていたので，試合の詳細を知りたい人はアーカイブをチェックしておこう。

「RAGE Shadowverse 2023 Summer」公式サイト

メインの大会だけでなく，さまざまなサイドイベントが実施

　今回のイベント会場は千葉県の幕張メッセ。広い会場では予選大会以外だけでなく，さまざまな「Shadowverse」に関する催しが実施された。

会場となった9ホール

上階からの一枚。左手前が観覧スペースになっている

解放されたシャッターを抜けた先には協賛のモスバーガーキッチンカーも

観覧スペースではフィーチャーマッチの実況，解説も行われた

　サイドイベントの2pick大会と3人チーム戦大会では，優勝者（チーム）に次回「RAGE Shadowverse」開催時の二次予選シード権が付与され，ベスト8までの入賞者には1次予選参加権と順位に応じた数の不戦勝権が付与された。入賞すれば次回「RAGE」における大きなアドバンテージを得られるため，競技志向のプレイヤーが多く参加していた。

最近では大会の開催が珍しくなった2pickだが，根強い人気を感じられた

サイドイベントも盛況だった本イベント。多くのプレイヤーが参加していた

　サイドイベントのなかで特に盛り上がっていたのは，制限時間内により多くの勝ち星を集める「星取りバトル」だ。このレギュレーションでは，すべての参加者が「星」を3つ所持した状態でスタート。制限時間内に参加者同士で自由に対戦し，勝てば星を1つ相手から奪い，より多くの星を入手したプレイヤーが勝者となる（手持ちの星が0になった時点で脱落）。

星取りバトルのイベントスペース。この中でより多くの星を稼いだプレイヤーが勝者になる

イベント終了後の抽選待機列。かなりの人数が参加していた

　そのほか，「Shadowverse」の総合バラエティ番組「しゃどばすチャンネル」の放送50回記念公開収録や，本作のオフィシャル大会で実況解説を勤める演者陣のサイン会など，さまざまなイベントが実施され，来場者を楽しませていた。

2日間の予選大会を勝ち抜き，GRAND FINALSに進出する8名が決定

　予選大会は，2023年6月18日に東京都・ベルサール秋葉原で開催されるGRAND FINALSに出場する8人が決定するところまで実施された。ルールはDay1，Day2ともにスイスドロー形式で，これを勝ち抜いた38名がプレーオフに進出。以降はシングルエリミネーション形式で進行された。

配信に映らない画面外で行われた対戦の様子。対面同士のどちらかがGRAND FINALSに進出できる

　そんな2日間にわたる長い予選大会のトリを務めたのは，小田選手とsola選手のフィーチャーマッチ。勝てばGRAND FINALSへ，敗退すればここで道が閉ざされるまさに分水嶺となる試合だ。
　小田選手は現シーズンのMPランキング1位に君臨するプレイヤーで，そのMPはなんと19万オーバー。2位に5万ポイント以上の大差をつけて独走する，まさに現環境を誰よりも熟知した男である。

　本作のランクマッチは，マスターランク以上で1万ポイント稼げば最高位のグランドマスターに到達するため，そこでランクマッチのモチベーションを失うプレイヤーが多い。その19倍もの数字を稼いでいるプレイヤーに，当然ながら注目が集まった。

実際にゲーム内で確認できるランキング。数字が大きすぎる

　1戦目，小田選手が選んだのは膨大なMPの稼ぎ頭“狂乱ヴァンパイア”だ。対するsola選手は“ディスカードドラゴン”を選択。先攻を引いた小田選手がドラゴンの序盤の脆さを突くように立ち上がりから攻め立て，そのまま何もさせずに7ターン目でフィニッシュ。

　2ターン目や4ターン目にはロングゲームを見据えた選択を採ったように見受けられるも，柔軟にプレイ方針を変えていく判断力とそれを可能にする手札管理はまさに練度の賜物と言える。小田選手の実力を遺憾なく見せつける一戦となった。

「デモンビーター」は進化すると場残りがよくなる。このシーンで生き残り，相手のライフを削り取ったのも勝因のひとつだろう

　続く2戦目，ロイヤルが確定している小田選手に対してsola選手が選んだのはドラゴンの続投。このマッチではアミュレットがもたらす恩恵を軸にした小田選手のロイヤルを，アミュレットごと盤面を破壊する「アルティメットバハムート」が粉砕する形に。これには小田選手も天を仰ぐことしかできず，立て直しを許さないsola選手がそのまま勝利した。

「アルティメットバハムート」にすべてを破壊された瞬間の小田選手。かなりドラマを感じられる表情だ

　お互いに後のない最終戦。小田選手はロイヤルとsola選手はヴァンパイアでのマッチアップとなった。sola選手のヴァンパイアは初戦で小田選手が使用したのと同じデッキタイプの“狂乱ヴァンパイア”で，序盤に自傷を重ねつつゲーム中に7回自傷する“狂乱”の条件達成を目指すのだが，初手から手札の巡りに嫌われ，身動きが取れなくなってしまう。

　対する小田選手はマリガンからほぼ完璧といっていい手札。序盤から攻めるアグレッシブなデッキ同士でこの差は大きく，sola選手はなんとか命をつなぎ勝機を見出そうとするも，7ターン目に限界を迎え，小田選手が勝利。GRAND FINALSへの切符を手にした。

序盤に動けず，除去もままならない。自傷カウントも稼げず，こうなってしまうと巻き返しは困難

GRAND FINALSの組み合わせも決まり，それぞれの準備期間へ

　プレーオフが終了し，GRAND FINALSに進出する8名が出揃うと，GRAND FINALSでの組み合わせを決める抽選会が行われた。GRAND FINALSまでは1か月以上の期間があり，その間には「Shadowverse」のゲーム内でアディショナルカードの追加が確定している。

　現在の環境，メタゲームは少なからず変動することが予想されるが，すでに決定した対戦相手は変わらない。それぞれの選手がGRAND FINALSに向けてどのように仕上げてくるかに注目しよう。

抽選を行うThx｜津島の塩選手。引いた番号によって各選手の反応もさまざまだ

GRAND FINALSに進出した8選手の写真と意気込み

SGA｜Q-Vism選手「一番最後の8番を引いたので眠くならないように頑張ります」

Thx｜津島の塩選手「夢だったファイナリストに残れたので，勢いのまま1000万も取りたいです」

iDeal｜TBT選手「チームに優勝を持ち帰りたいと思います」

デスティニー選手「無敗で勝ち上がりましたが，まだマスターランクなのでGRAND FINALSまでにグランドマスターまで上げておきます」

ティファ/Lien選手「まずはチームの皆と喜びをわかち合いたい。GRAND FINALSも頑張ります」

とり選手「友田さんに解説してもらうことが夢だったので，友田さんをうならせるようなプレイをしたいと思います」

ナギグミカンパニー選手「精一杯頑張りたいと思います。応援お願いします」

小田選手「このゲームは“努力”です。優勝目指して頑張ります」

「RAGE Shadowverse 2023 Summer」公式サイト