舞台を一新して，16人の超高校級の生徒達による“コロシアイ”が再び始まる。「ニューダンガンロンパＶ３ みんなのコロシアイ新学期」インプレッション

　スパイク・チュンソフトから本日（2017年1月12日）発売された「ニューダンガンロンパＶ３ みんなのコロシアイ新学期」（PS4 / PS Vita）。
　「ダンガンロンパ」シリーズといえば，“超高校級”の才能を持った「希望ヶ峰学園」の生徒達による，極限のコロシアイ学園生活がストーリーの中核となっていたが，シリーズ最新作となる本作では世界設定を一新。「才囚学園」に集められた16人の超高校級の生徒達による，新たなコロシアイが描かれる。


　そんな本作をさっそく遊んでみたので，そのプレイレポートをお届けしよう……と思ったのだが，何をどう書いてもネタバレにつながってしまいそうなので，それを避けるために今回は序盤のインプレッションをお伝えするだけに留めておきたい。うう，本当に編集者泣かせなゲームだよ……。

「ニューダンガンロンパＶ３ みんなのコロシアイ新学期」公式サイト

舞台も新たに，16人の超高校級の生徒達による“コロシアイ新学期”が開幕

　本作の主人公となるのは，超高校級のピアニストである赤松 楓。彼女を始めとする16人の生徒達はみな，自分の意思で才囚学園にやって来たのではなく，何者かに拉致されて学園に集められ，その際の記憶を消されている。

本作の主人公である赤松 楓。生徒達にコロシアイを強要する首謀者を突き止めるために奮闘する

　学園内は，3Dの背景に2Dのキャラクターやオブジェクトがポップアップする，おなじみの“2.5D”の雰囲気をそのままに表現力が大幅に向上。PlayStation 4版は60fpsでの描画に対応し，廊下や教室になぜか草が生い茂る，謎めいた光景が美しく表現されていることに，まず軽く感動してしまった。

才囚学園には，さまざまなスポットが点在し，生徒達はここで共同生活を送ることに

広い中庭もあり，未だに工事が行われている場所も。しかし，学園の敷地は高い檻に囲まれており，外に出ることはできない

　意識を取り戻して最初に出会った，超高校級の探偵・最原終一と共に学園内を探索することにした楓は，次々と同じ境遇の仲間達に出会うのだが，これがまた揃いも揃って強烈な個性の持ち主ばかり。頭に“超高校級”と付けておけば，あとは何でもアリなエキセントリックな登場人物の数々は，これぞまさしく「ダンガンロンパ」の面目躍如で，シリーズファンなら嬉しくなること間違いなしだ。

才囚学園に集められた超高校級の生徒達。ちょっとしたことで人格が豹変してしまう人物もいたりと，とにかく個性的

　もちろん，シリーズではおなじみの「モノクマ」も才囚学園の学園長として登場。戸惑う生徒達に，誰かを殺し，その後に開かれる「学級裁判」を，正体を隠して乗り切った者だけが“卒業”できるという，ワックワクでドッキドキな“コロシアイ新学期”の開始を宣言する。これまでのシリーズ作品と同様，ストーリーは章立てになっており，各章で起こる殺人事件の犯人（クロ）を学級裁判によって見つけ出すことで物語が展開していく。

おなじみのモノクマはもちろん，本作ではモノクマの子供である5匹の「モノクマーズ」も登場

　ゲームは大きく，日常パートにあたる「（非）日常編」，殺人事件発生後の捜査パートである「非日常編」，そして本作のキモである「学級裁判」という3つのパートに分かれており，日常パートではお気に入りの生徒と一緒に過ごして仲を深めたりできる。
　しかし，仲良くなった生徒があっさりと死んでしまったりなんてこともあり，序盤といえどまったく気を抜けない。最初の事件を解決したあとには，さっそく絶望に染まってしまう人もいるかもしれない。そういえば，「ダンガンロンパ」はそんなゲームだった……。

日常パートではお気に入りの生徒と一緒に過ごし，プレゼントを渡して仲を深めたりもできる。プレゼントは学園内で見つけられるモノクマメダルを使って，購買部にあるモノモノマシーンで購入する

3人以上の生徒に死体が発見されると捜査開始。集めた証拠は「コトダマ」として学級裁判で使用する

　そして，シリーズ最大の特徴である学級裁判も順当にパワーアップ。捜査パートで集めた証拠を「言弾（コトダマ）」としてぶつけ，相手の発言の間違いや矛盾を論破するというおなじみの「ノンストップ議論」では，コトダマを本来の意味とは異なる意味を持つ「ウソダマ」に変化させ，あえてウソをつくことで議論の流れを変化させることもできるように。正しいコトダマで相手を論破するのか，ウソダマで議論の流れを引き寄せるのか，プレイ中に考えなければならないことが2倍になり，これまで以上に頭を使わされる。

リアルタイムで進行する，おなじみのノンストップ議論。本作ではあえてウソをつくのも選択肢の一つに

　さらに新要素として，議論が紛糾した際に複数の生徒が一斉に発言してくる「パニック議論」や，意見が対立した際に2つの陣営に分かれてお互いの意見をぶつけ合う「議論スクラム」なども登場。学級裁判中に挑戦するミニゲームにも新作が追加され，序盤から出し惜しみなしで，これらを駆使した手に汗握る学級裁判を堪能できる。

パニック議論では複数の生徒が同時に発言してくるため，矛盾点を見つけるのがより難しくなる

　できれば，これらの新システムを詳しく紹介したいところだが，掲載したゲーム画面も殺される生徒や犯人への手がかりになってしまいそうなので，どんなものかを知りたい人は，現在配信中の体験版をプレイしてみてほしい。体験版では本作の新システムを試せるのはもちろん，本編と異なるオリジナルストーリーが展開され，製品版に引き継げるプレイ特典も用意されているので，ぜひどうぞ（関連記事）。

意見が真っ二つに分かれると議論スクラムに発展。相手の発言に正しい言葉をぶつけて論破しよう

　基本的なゲームの流れはそのままに，ゲームのあらゆる面をブラッシュアップし，さらに多数の新要素を盛り込んできた「ニューダンガンロンパＶ３ みんなのコロシアイ新学期」。主人公達はなぜ才囚学園に連れて来られたのか，外の世界はどうなっているのか，そして最後まで生き残るのはいったい誰なのか。

　謎が謎を呼ぶストーリーを，これでもかというほど濃いメンツが揃った超高校級の生徒達がぐいぐいと引っ張っていく展開は唯一無二で，シリーズファンの誰もが待ち望んだ文句なしの出来栄えだ。世界設定を新たにしたことで，本作から遊ぶ人でも入りやすいはず。「ダンガンロンパ」シリーズは初めてという人にも強くオススメしたい。

「ニューダンガンロンパＶ３ みんなのコロシアイ新学期」公式サイト