［TGS 2015］「ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ」プロデューサーインタビュー。amiiboやすれちがい通信にも対応した長く遊べる作品に

ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ プロデューサーの早矢仕 洋介氏。氏が手にしているオカリナと，首から提げたコンパス型時計は，本作の限定版「TREASURE BOX」に同梱される特典の試作品である

　コーエーテクモゲームスのニンテンドー3DS用ソフト「ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ」が，東京ゲームショウ2015にプレイアブル出展されている。任天堂とコーエーテクモゲームスのコラボレーションによって実現した，Wii U版「ゼルダ無双」の内容をすべて収録しつつ，オリジナルストーリー「風のタクト編」の追加や，トゥーンリンクにテトラといった新キャラクターの参戦など，Wii U版を上回る盛りだくさんな内容が詰め込まれたゲームとなっている。
　ゼルダ無双 ハイラルオールスターズのプロデューサーを務める早矢仕 洋介氏にインタビューを行い，本作の開発経緯や，3DS版ならではの注目要素について聞いてみた。


4Gamer：
　本日はよろしくお願いします。まずは本作が企画された経緯からお聞かせいただけますか。

早矢仕 洋介氏（以下，早矢仕氏）：
　Wii U版のゼルダ無双を発売してから，国内外で非常にたくさんのお客様に遊んでいただいた一方で，ゼルダファンのみなさんから，「3DSでゼルダ無双を遊びたい」という声を，結構いただいていたんです。
　もともとニンテンドーDSや3DSでも，ゼルダシリーズは，数多くリリースされていますので，それならばと，Wii U版でご好評いただいた内容を3DSでも楽しんでいただけるものを作ろう，というのが開発のきっかけでした。

4Gamer：
　トゥーンリンクが登場しているのは，やはり携帯ゲーム機ということを意識されたからなんでしょうか。

早矢仕氏：

Wii U版ゼルダ無双を，ω-forceとTeam NINJAのスタッフが共同開発していたことから，鯉沼久史氏とともに同作のプロデューサーとして携わっていた早矢仕氏。それがきっかけとなり，本作のプロデューサーに起用されたとのこと

　それもあるんですが，Wii U版では，「時のオカリナ」「トワイライトプリンセス」「スカイウォードソード」という過去の3作品をフィーチャーしました。なので，それをプレイされたお客様にも楽しんでもらえる追加要素は何なのか，と考えたときに，最初に浮かんだのがやはり「風のタクト」だったんです。
　Wii U版エンディングの後日談として，本編と切り分けた追加ストーリーとして展開できれば，風のタクトの世界も上手くはまるのではないかと考えたんです。

4Gamer：
　なるほど，ということは必然的に本編をクリアしてからプレイするものになると考えてもよろしいでしょうか。

早矢仕氏：
　そうなります。ストーリーは完全につながっていて，Wii U版本編に登場したキャラクターの，その後が描かれた内容になっています。

4Gamer：
　この3DS版と連動して，Wii U版にもトゥーンリンクが登場するそうですね。

早矢仕氏：

トゥーンリンク

　Wii U版は発売以降，多くのDLCを配信し，大変長く遊んでいただいているタイトルです。そのお客様に向けて，現状発表させていただいている3DS版の新キャラクターであるトゥーンリンクと，テトラ，ハイラル王をWii U版に登場させるシリアルコードを，3DS版に同梱する予定です。

テトラ

ハイラル王

4Gamer：
　あくまでキャラクターの追加なんですね。

早矢仕氏：
　ええ，Wii U版に関しては，それらのキャラクターがゲーム中で使えるという特典になります。

4Gamer：
　追加キャラクターの3人は，一体どんなキャラクターなのでしょうか。

早矢仕氏：
　まずは，一騎当千の爽快感を第一に考えつつも，トゥーンリンクは劇中でちょっとお茶目なところがあるので，そこもしっかり実現しています。たとえば，攻防の中にデクの葉を使ったアクションが入っているとか。
　ハイラル王も，あの姿に変わるアクションなどが盛り込まれていたりして，風のタクトを遊んだことのある人にも，喜んでいただけるようなフィーチャーをたくさんご用意しています。

4Gamer：
　この3人以外にも，プレイアブルキャラクターはいたりしますか？

早矢仕氏：
　実はいるんです。誰なのかは今後の情報で出てくるかと思いますので，楽しみにしていてください。

4Gamer：
　TGS 2015にも試遊台が出展されていますが，ズバリ，見どころはどこにありますか？

コーエーテクモゲームスのブースには，ゼルダ無双 ハイラルオールスターズの試遊台が4台用意されている。剣や盾を持って記念撮影ができるコーナーもある

早矢仕氏：
　見どころは2つあると思っています。まずは，3DSで本当に一騎当千の爽快感が感じられるのか，というところです。我々としても，3DSでゼルダ無双を作るにあたり，かなり手間をかけてカスタマイズやチューニングをしましたので，ファンにも納得いただける量の敵を表示できていることを，実機で確認していただきたいです。
　それともう1つ，Wii U版をやり込んでいただいたお客様には，新キャラクターであるトゥーンリンクとテトラのアクションを，ぜひ見ていただきたいなと思っています。


　また，これはハードウェアによる仕様の違いとして，お伝えしておくべき点なのですが，New 3DSやNew 3DS LLは立体視に対応していますが，無印の3DSシリーズでは立体視非対応となっています。

4Gamer：
　見た目よりも，プレイフィールを重視したということですね。

早矢仕氏：
　はい，あくまで一騎当千の爽快感をどの3DSでも楽しんでいただけるよう，このような仕様とさせていただきました。

4Gamer：
　ゼルダ無双といえば，「amiibo」への対応なども面白かったんですが，この3DS版は対応しているのでしょうか。

早矢仕氏：

Wii U版ゼルダ無双では，リンクのamiiboをタッチすると，新しい武器を獲得できるという機能が用意されていた。3DS版ではどうなるのだろうか

　はい，対応する予定です。そこはきっと，お客様にも当然期待されているでしょうからね。基本的には，Wii U版と同じく，amiiboをタッチすることで何かしらの恩恵が受けられる，という方向になるかと思います。

4Gamer：
　すれちがい通信への対応はあるのでしょうか。

早矢仕氏：
　そちらも用意する方向で進めています。

4Gamer：
　3DS版でのDLCの予定はございますか。

早矢仕氏：
　Wii Uで配信したDLCはすべて入っていますが，3DSだけのDLCに関しては，今のところ，まだ考えていません。現状は製品を作ることに集中していますし，もし，そこから先でリクエストなどがあれば，考えさせていただくかもしれませんね。

4Gamer：
　現状で，開発はどの程度まで進んでいるんでしょうか。

早矢仕氏：
　現時点ですべての要素が入りましたので，発売日を発表させていただきました。ここからは，細かなバランス調整やチューニング作業に入っていきます。社内でも比較的いい評価を得られている状態まで来ていますが，お客様にお届けするまでは，さらに磨きをかけていきたいですね。

4Gamer：
　わかりました。それでは最後に，本作に期待しているファンに向けて，メッセージをお願いできますか。

早矢仕氏：
　今回，このTGSに出展したプレイアブルな要素だけでなく，システム的にも新しい要素をご用意させていただいてます。Wii U版以上に，長い時間プレイできるような仕様になっていますので，来年1月21日の発売を楽しみにお待ちください。

4Gamer：
　ありがとうございました。

「ゼルダ無双」公式Webサイト

4Gamer「東京ゲームショウ2015」特設サイト