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プレイレポート
[TGS 2016]「人喰いの大鷲トリコ」は少年とトリコとの関係を強く意識させる仕上がりに。最新プレイ動画と共に体験会でのインプレッションをお届け
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筆者もまた今回の発売延期を残念に思う一人なわけだが,東京ゲームショウ2016ではメディア向けの体験会で“最新のトリコ”を体験できた。上田文人氏(ジェン・デザイン)手がける本作は現時点でどのような仕上がりとなっているのか,さっそくそのインプレッションをお伝えしよう。
なお体験会で遊べた部分については,SIEJAが公開した以下の英語版プレイムービー(ランスルー動画)ですべて確認できる。
ただし,プレイするうえでのネタバレを含む映像となっているので,くれぐれもその点には留意してほしい。
今回体験できたのは,ゲームの中盤以降の1シーン。主人公の少年と巨大な生き物「トリコ」の間に,ある程度の信頼関係が築かれている状態である。敵対する存在は出てこないため,プレイヤーは少年を操作して先へと進むことに専念できるというシチュエーションだ。
![]() なかなか思うように動いてくれないトリコをいかにして誘導するか。少年を操作し,トリコをうまく誘導することで新たな道が開かれる |
中盤以降ではあるが,この段階でもまだ少年とトリコの信頼関係は,「何となく意思の疎通が図れているのかな?」という程度のもの。
それでも,たとえば少年が背中によじ登ったり飛び乗ったりしてもトリコは嫌がらないし,少し離れたところから呼びかければこちらへ近づいてくる。また少年がトリコの頭や背中に登って指示を出せば,段差を越えたり,向こう岸にジャンプしたりといった反応を見せてくれる。
![]() 身体が小さく身軽な少年が,巨大なトリコが入れない場所を通って道を切り開くという局面もある |
その一方で,トリコが何かに気を取られてあらぬ方向を見ているため,関心をこちらへ向けるために少年が近づいて何度か呼びかけなければならない,といったこともしばしばあった。
このように従順さと気まぐれの入り交じった様子のトリコは,姿こそ巨大ではあるが,まるで猫──さらに言えば,結構人に慣れており,自宅でリラックスしている飼い猫――のようである。
![]() 少年がアクションを起こせる場面では,画面右上に操作方法が表示される。中にはゲームの進行とは関係ないアクションもある |
少年は,上記のようにトリコを誘導して道を切り開いていく。
トリコを狙いどおりに移動させるためには,マップ上に用意されたさまざまなギミックを駆使して“先回り”しなければならないこともある。ときにはトリコが強く関心を示すアイテムを探して使い,ときにはトリコが怖がるオブジェクトを破壊し……といった具合である。
それでもトリコが思うように動いてくれないとき,言葉が通じないことのもどかしさを感じるか,それとも「ああ,動物って確かにこんな感じだよね」と捉えるかは人それぞれだろう。後者の人達は,おそらく長く動物と一緒に暮らした経験のある人ではないだろうか。
![]() 明らかに怪しいレバーを発見 |
さて,本稿の冒頭にプレイ動画を掲載したが,動画には「極めてスムーズなプレイ」が収録されている。これだけで本作の持つ魅力がキチンと伝わるかどうかは微妙なところだ。
実際には,プレイヤーが,(少年が)アクションを起こせる部分を探して試行錯誤をしたり,正しいビジョンが頭に浮かんでいるのにうまく操作できずに何度も失敗したりといった過程を経て,この“正解”(動画にあるスムーズなプレイ)に至るはずである。このときの達成感と感動は,実際にプレイしてみなければ味わえないだろう。
ネタバレ回避のために詳しくは書かないが,試遊のクライマックスの演出では,少年とトリコの間にある信頼関係のレベルが何段か上がったかのように筆者には感じられた。
そうした感想を抱かせた要因の一つは,何気なく壁に手をつく少年の仕草,風に揺れるトリコの毛並み,土埃を上げて崩れる石柱など,どこを取っても自然なアニメーションで表現される本作の世界の中にあるのだろう。ここでは,少年とトリコが向き合っているとき,目と目を合わせてお互いの気持ちを伝えようとしているはずだと,直接描かれていなくても思わせられるのである。
今回の体験は決して長いものではなかったため,本作を心ゆくまでプレイできるようになる日が一層待ち遠しくなったというのが,今の筆者の正直な気持ちだ。
「人喰いの大鷲トリコ」公式サイト
4Gamerの東京ゲームショウ2016特設サイト
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人喰いの大鷲トリコ
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- ビデオゲーム
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