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[TGS 2019]「Ancestors: The Humankind Odyssey」のクリエイティブディレクターに話を聞く。1000万年前から人類へ続く道を歩むゲームは,なぜ生まれたのか
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印刷2019/09/13 18:09

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[TGS 2019]「Ancestors: The Humankind Odyssey」のクリエイティブディレクターに話を聞く。1000万年前から人類へ続く道を歩むゲームは,なぜ生まれたのか

 1000万年前から人類へと続く進化の歴史をたどるユニークなアクションゲーム,「Ancestors: The Humankind Odyssey」PC版2019年8月27日,ついに発売された(PS4版Xbox One版は12月中の発売を予定)。
 このたび,東京ゲームショウ2019の開催に合わせて,本作のデベロッパであるPanache Digital GamesのPatrice Désilets氏が来日した。同氏に話を聞く機会を得たので,本作の開発経緯や背景,リリースしてからの反響などについて聞いてみた。

Patrice Désilets氏
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「Ancestors: The Humankind Odyssey」公式サイト


 「Ancestors: The Humankind Odyssey」は,人類の祖先が誕生した1000万年前から,200万年前のアウストラロピテクスとよばれる猿人へ進化する過程を描いたゲームだ。ゲームの内容については,8月26日に掲載したプレイレポートがあるので,詳しくはそちらを参照してほしい。
 人類の過去を描いたゲームとしては,1万年前を舞台にした「ファークライ プライマル」があるが,それでも,「Ancestors: The Humankind Odyssey」のゴールより199万年も新しい。

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 Désilets氏は「プリンス オブ ペルシャ」「アサシン クリード」の開発に深く携わってきた人物だ。2013年にUbisoft Entertainmentを退社したのち,2014年にPanache Digital Gamesを立ち上げている。
 当初は,「Ancestors: The Humankind Odyssey」とは異なる3Dゲームを作る予定で,キャラクターなども決まっていたそうだが,それを投資家達に持ちかけたところ,「そんなゲームじゃつまらない。あなたの本領は,アサシンクリードのような歴史を題材にした作品を作ることだろう」と言われたという。

 それを聞いたDésilets氏は,「1万年ぐらいなら作品はほかにもあるし,いっそのこと,人類の起源から作ってみよう」と考えた。ゲーム作りが久々だったこともあって,そんな新作を機にゲームデザイナーとして新しいステップを踏み出したいという野心もあったという。
 最新の研究でも分からないことが多い時代を描くだけに,準備に際しては多数のドキュメンタリー映像を見たり,資料をともかく読みあさったという。開発の中盤以降は,専門家にプレイしてもらって,意見を聞いたとのことだ。

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 そんなDésilets氏が本作を開発するにあたって,一番意識したのは「意図的にプレイヤーに情報を与えない」ということだった。予備知識が何もなく,何をすればいいのかも分からない状態では,プレイヤーはとくに恐怖は感じないはずだ。しかし,一度脅威に遭遇すれば,それに似たさまざまなことに恐怖を覚えるだろう。そうした「未知」から「既知」への変化を体験できるゲームを狙ったのだという。

 また,現代人である我々は知っていて当然のことでも,ゲーム内のキャラクターは知識を得ない限り,それが何なのか分からない。例えば,何が食べられるのか,何が毒なのかは,言葉もない時代,自分で見つけ出すしかないわけだ。「そうしたさまざまな知識を,自分自身のやり方で見つけてほしい。それがゲームの面白さになる」とDésilets氏は言う。

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 このように,最近の至れり尽くせりのゲームとは正反対の方向を目指した本作だが,PC版が難しすぎたという自覚はあるという。そのため,コンシューマ機版のリリースにあたっては,もう少しプレイヤーに配慮した使用を導入する予定とのこと。
 例えば「ミッション」のような,プレイヤーに行動の指針与えるシステムを追加することになるようで,Désilets氏は「最初から,プレイヤーを投げ出しすぎた」と述べた。とはいえ,プレイヤーの行動を縛るような仕組みにするつもりはなく,あくまでも大まかな方向性を示唆する程度にとどめるつもりだという。「遊ぶときは,内からわき上がる本能のまま,自分のやりたいことをやってほしい」とDésilets氏は話してくれた。

 Désilets氏がゲームをプレイしながら話を聞くというスタイルだったのだが,話に夢中になったのか,操作していた2匹しかいない群れのうち,1匹が死んでしまうというアクシデントが発生した。
 「まずい,人類絶滅の危機だ!」と驚いたDésilets氏だが,「でも,こうした失敗もゲームの楽しさ」だと付け加える。そして,同じことを繰り返して飽きてしまうゲームが少なくないが,「Ancestors: The Humankind Odyessey」は,同じことを繰り返して楽しめるゲームなのだと強調して,話を終えた。

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「東京ゲームショウ2019」公式サイト

4Gamer「東京ゲームショウ2019」特設ページ

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