Creative Assemblyが開発している人気ストトラテジーシリーズの最新作「
Total War: WARHAMMER」。そのデモプレイが,E3 2015のSega of Americaブースで披露された。
ストラテジーファンから絶大な支持を得ている
「Total War」シリーズと,テーブルトークRPGの老舗としてこちらもコアなファンを持つ
「Warhammer」の華麗なる合体作となる「Total War: WARHAMMER」。Total Warは過去15年にわたって,ローマ帝国や日本の戦国時代,ナポレオン帝政期など,さまざまな時代や地域の史実に根ざした戦いを描いてきたが,本作はWarhammerの「オールドワールド」と呼ばれる世界における,
エンパイアと
グリーンスキンの2勢力による争いを中心としたファンタジー作品になっている。
Creative Assemblyで広報やマーケティングを担当するヘンリー・ハンキン氏
![画像集 No.009のサムネイル画像 / [E3 2015]歴史ものからファンタジーものへと変貌を遂げた「Total War: WARHAMMER」のデモプレイが披露](/games/299/G029926/20150618048/TN/009.jpg) |
デモを担当した
Creative AssemblyのHenry Hankin(ヘンリー・ハンキン)氏もこの特徴に触れ,「それだけに,これまで歴史と現実性に束縛されてきたアーティストやデザイナーのクリエイティビティが,一気に噴き出したような作品」と自信を見せていた。
今回のデモプレイで紹介されたのは,
「Quest Battle」と呼ばれるモードだ。これまでのTotal Warシリーズにおける「Historical Battle」に相当するものと思われる。
ここで描かれるのは,小説版のWarhammerなどから着想を得たという数々の戦闘で,今回の戦いは人類の住む土地から,オークやゴブリンといったグリーンスキンたちを排除するために起こる
「Battle of Blackfire Pass」である。
Blackfire Passは,溶岩が滝のように流れ落ちる黒い山々に囲まれた盆地状の地形になっていた。こうした背景のアニメーションも,これまでのシリーズと大きく異なる雰囲気を醸し出す要因の1つになっているのは間違いない。
さて,戦闘は両勢力のユニットがすでに配置された状態から始まった。
エンパイア側は,皇帝カール・フランツが,愛鳥とするグリフォン「デスクロウ」にまたがって空中から指揮する形。地上には小型グリフォンの重騎兵「デミグリフ・ナイト」に加え,蒸気式タンクなども陣取っていた。
対するグリーンスキン側のヒーローユニットが誰なのかは詳しく紹介されなかったものの,スパイダーに乗った軽騎兵「ゴブリン・スパイダーライダー」や,イノシシ重騎兵の「サーベッジオークス・ボアライダー」,歩兵では「ゴブリン」や「ブラックオーク」「ナイト・シャーマン」「トロール」,さらには巨大な「ジャイアント」や,背中にゴブリンの弓手を複数載せたクモ型の大型ユニット「アナクロック」など,サイズの異なるさまざまなタイプのユニットを散見できた。
その戦闘は
とにかく壮絶で,長槍を突き出すエンパイアの兵士に,棍棒を振りかざしながら飛びかかるオーク,周囲のエンパイア兵士を薙ぎ払い,そのうちの1人を捕まえて口に放り込むジャイアント,さらにエンパイア勢の側面に突っ込んでいくグリーンスキンの騎兵達と,どこか映画「ロード・オブ・ザ・リング」を思い起こさせる描写になっていた。また,シリーズでは初となる
空中戦も用意されており,デスクロウと「ワイバーン」が取っ組み合う姿や,ほかのワイバーンを射落とそうと構える弓兵達などが確認できた。
そして,本作のバトルにおける最大のトピックが,
「魔法」の存在である。デモプレイでは,グリーンスキン側のシャーマンが空中に巨大な緑色の球体を作り出し,エンパイアの騎兵達を吸い込むような形でほぼ壊滅に追い込むシーンを見ることができた。このように魔法の威力は非常に強大で,デモプレイも,エンパイアの魔術師が天から戦場に向かって光線を放出させ,不利な形勢を一気に逆転しようとするところで終わったほどだ。
ハンキン氏の話では,Total War: WARHAMMERにおける魔法は非常に効果的であるため,何度も利用できるものにはならないという。プレイヤーは魔法を使う絶好のタイミングを見計らう必要があり,シャーマンや魔術師といったユニットはほかのユニットの背後に待機させ,その時が来るまで,敵の攻撃を受けないように守ってやらなければならないわけだ。
15分ほどの短い時間ではあったが,これまでにないバトルが楽しめそうなことが分かった今回のデモプレイ。よりヒーローユニットの存在やストーリー性が重視された作品になるはずで,ストラテジーシリーズのファンにも,そしてテーブルトークRPGのファンにもアピールできるゲームになるだろう。