ミュージック フロム ゲームワールド：Track 2

　新学期/新年度も始まり，いよいよ春到来！　そんな希望に満ちたこの時期だからこそ，ステキな音楽と共に送りたいと思うもの。そんな私が毎年この時期，思い出したように聴きたくなるのが1989年春にアーケードに登場した「ワルキューレの伝説」のBGM。
　当時，ゲームのラジオCMが「斉藤洋美ラジオはアメリカン！」で流れていて，パワフルかつ印象的な「メインテーマ」にすっかり魅了されてしまい，サントラの発売を心待ちにしたものです。

　ということで「ワルキューレの伝説」のBGMが堪能できる「ゲームサウンドエクスプレス Vol.1 ワルキューレの伝説」，iTunesで配信中の「ワルキューレの伝説 オリジナルサウンドトラック」，そしてPCエンジン版のBGMが聴ける「HuCARD Disc In BANDAI NAMCO Games Vol.2」などを聴いて，テンション上げてみてはいかがでしょうか？　それでは今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」へご招待！

レトロゲームミュージックファン必携の1枚！

「みんなでまもって騎士〜姫のトキメキらぷそでぃ〜

サウンドトラック VOL.1」

タイトル	みんなでまもって騎士〜姫のトキメキらぷそでぃ〜サウンドトラック VOL.1	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年3月27日
価格	2500円（税抜）
発売元	スィープレコード
コピーライト	（C）Ancient corp., 2014 （C）Yuzo Koshiro

　「みんなでまもって騎士 姫のトキメキらぷそでぃ」のようなファミコン風の新作ゲームにはトキメかずにいられないのがファミッ子魂！　ゲームで遊び始めた瞬間から「これはぜひサウンドトラックも聴きたい！」と思っていたところに，待望の一枚が登場した。

　メインコンポーザーは「イース」や「ソーサリアン」，近年では「世界樹の迷宮」シリーズで知られる古代祐三氏。「ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー」で氏が唯一手がけたファミコンサウンドは，まるでPC-8801が奏でているかのような音色を聴かせてくれたが，「みんなでまもって騎士」ではファミコン後期に見られた，各メーカーがファミコンの限界を目指していた頃のサウンドを彷彿とさせる音作りになっている。
　さらにゲストコンポーザーとして，Hiro師匠こと川口博史氏，OGRこと小倉久佳音画制作所を始め，古川元亮氏や細江慎治氏らが名を連ねているのもレトロゲームミュージックファンにはたまらない。

　セガサウンドを担ってきたHiro師匠の「みんな はしれ！」がどことなくコナミサウンドっぽかったり，細江氏の「ぼ〜ん！ ぼやーじゅ」のAメロバッキングのシーケンスの音に「ああ，これは細江さんのサウンドだなぁ」などと感慨にふけってみたりと，各コンポーザーのことを知っていればこそ楽しめるポイントも満載！
　本サウンドトラックはあえて制限を設けたサウンドを鳴らす職人芸を，今の時代に再び蘇らせてくれているのだ。ところで「VOL.1」とタイトル付けされているということは……？　「VOL.2」も期待しちゃいますよ！

「みんなでまもって騎士〜姫のトキメキらぷそでぃ〜サウンドトラック VOL.1」公式サイト

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スーファミ初期の記憶を引き出してくれるジャレコサウンド集

「SUPER Rom Cassette Disc In JALECO」

タイトル	SUPER Rom Cassette Disc In JALECO	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年3月28日
価格	3700円（税抜）
発売元	クラリスディスク
コピーライト	（C） CLARICE GAMES

　近年のレトロゲームのサントラ化においてアーケードやファミコンソフトからの復刻は活発だが，スーファミのタイトルはあまり見かけないような気がする。しかし，ファミコン世代がいるように，スーファミに多大な影響を受けたスーファミ世代も確実にいるはず。

　そんなところへ，ジャレコのスーファミタイトルを詰め込んだ大ボリュームのサントラが登場。渋くも熱い男の世界を音で感じさせてくれる「ラッシング・ビート」シリーズや，「怒りの要塞」「DEAD DANCE」「ファイアー・ファイティング」等のカッコ良さに痺れるが，突然ポップな楽曲で異彩を放ちまくる「美少女雀士スーチーパイ」の存在もズルイ！
　そして個人的に「BIG RUN」のサウンドについては，ぜひ語っておきたい。なぜなら「BIG RUN」はジャレコのスーファミ第一弾タイトルで，まだリリースソフトが少ない中で友人と集まってよく遊んだ一作だからだ。

　アーケード版は騒がしいゲーセン店内でやたらデカいドラムのビートだけが印象に残ったが，スーファミ版が発売された時には「こんなBGMが流れていたんだなぁ」と思いながらプレイしたもの。アーケード版よりもパワーをおさえたマイルドなサウンドが鳴らす「BIG RUN」のBGMを聴くと，スーファミ初期の頃の空気を思い出さずにはいられない。ちなみに，アーケード版「BIG RUN」は「Arcade Disc In JALECO -VARIETY-」に収録されているので，聴き比べてみるのも面白いぞ！

クラリスショップ「SUPER Rom Cassette Disc In JALECO」

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，モタビア星に単独移住して現在に至るゲーム＆ゲーム音楽好き。ほかの趣味は邦楽インディーロック追跡，突発自転車旅行，広島東洋カープの応援など。ゲーム音楽好きが高じて本連載のほかに「ゲームサイド」シリーズ誌でゲーム音楽コーナー「撃音！」「激音！」「劇音！」の連載，ニコニコ生放送公式CHのクラリスチャンネルでゲーム音楽番組「Fami on♪」のプロデュース＆パーソナリティを担当。さらにゲーム音楽レーベル・クラリスディスクではスーパーバイザーも担当。今年の目標はWii Uを購入すること（3年連続3回目）。