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「コズミックブレイク2」の発表会開催,Kickstarterでの出資も募集中。キャラクターの追加決定権やBGMの発注権なども用意
発表会では,サイバーステップ代表取締役社長佐藤 類氏がコズミックブレイク2について語っていた。本作は2年くらい前から開発していたものだそうだが,プロモーションビデオをはじめ,同社がかなり力を入れて作成したものだそうだ。
現行の「コズミックブレイク」(以下,コズミックブレイク1)もサービス中なので新タイトルの投入時期については悩んだというが,同社は「ゲットアンプド」で1と2両方の運営を行っており,コズミックブレイクでも新旧のタイトルが並行してサービスされることになるようだ。
2に対抗してということもないのだろうが,コズミックブレイク1チームのほうも頑張っているということで,会場の一角ではコズミックブレイク1の次期アップデートで追加されるレースゲーム風のゲームモードの「バイクミッション」実動デモ機が公開されていた。
グラフィックスに関しては,鬼斬で得た知見にアクション性を加えて完成度を上げているという。まあ,上がったとは言っても,正直,最近のオンラインゲームと比較して上だとは言い切れないレベルではあるが,それなりの水準にはなっている。
同社のゲームは世界中のいろんな地域でサービスされており,より多くの地域で長く遊んでもらえるようにというのが基本コンセプトのようで,極端なくらい低負荷なタイトルが多かった。多少リッチな見た目になったコズミックブレイク2についても同じようなことが言えるようだ。コズミックブレイク2のグラフィックスでのトピックの一つである「影」を残した状態でも,シェーダを最低限にすれば,オンボードビデオでも十分にプレイ可能なくらいには軽い仕上がりになっているとのこと。
また,声優や音楽面についても力を入れているという。
なんでも,以前社内でゲームをプレイしている人が,ゲーム以外の音楽を聞いているのを見た佐藤氏が,発奮してBGMに力を入れるようになったとのことで,コスミックブレイク2では,「ドラゴンスピリット」などの楽曲を手がけた細江慎治氏(めがてん,Sampling Masters MEGAなどの名でも知られる),「鉄拳」シリーズなどの楽曲を手がけた佐野電磁こと佐野信義氏,「聖剣伝説2」などの楽曲を手がけた菊田裕樹氏といったゲームミュージッククリエイターを起用している(大半の楽曲は細江氏の所属するサウンドスィープにて制作)。
コズミックブレイク2には,ゲームの局面によって曲が自動的に切り替わる機能が搭載されるという。デモバージョンには搭載されていなかったので詳細は不明だが「CDチェンジャーのように」ということなので,結構唐突に切り替えるもののようだ。曲の切り替えの際には,曲タイトルやクレジット情報が表示されるとのこと。
コズミックブレイク2はどんなゲームなのか?
続いて行われたQ&Aセッションでは,スキンシステムが導入されるのかどうかに関心が集中していた。結論から言うと,導入の方向で検討しているようではあるが,どのような形にするかは未定という感じだ。小川氏も,スキン変更は同社製ゲームの特色の一つと捉えているようで,なんらかの形で取り入れたいところではあるらしい。
しかし,今回はグラフィックス要素を高度にしているため,どう扱わせるかが課題になっているようだ。単純にテクスチャを用意してテクスチャマップという時代ではないのだ。
近年では基本的なマッピングでも,色情報を扱うディフューズマップ,光沢情報を扱うスペキュラーマップ,凹凸情報を扱うノーマルマップなど,たくさんのマッピング要素が使われるようになっており,それぞれにあまり一般的とはいえないファイル形式が使用されることが多い。簡易的なパーツの色替えなどは現段階でもサポートが決まっているとのことだが,それ以上の要素については検討中とのこと。会場の様子を見て,スキンの必要性を再確認していたようなので,はたしてどのような方針で導入されるのか,今後の動きに注目しよう。
同時に質問されていたコズミックブレイク1にあったチューン要素については,「そのままの形では入らない」(小川氏)とのことで,形を変えての実装になると思われる。
会場で試遊したプレイヤーからは,動きがもっさりしていることに対する質問も挙がっていた。それに対する小川氏の回答によると,ゲーム開始直後からフルスピードで飛び回るコズミックブレイク1とは異なり,コズミックブレイク2では,「じっくり狙って撃つ」「攻撃を見て避ける」といったことも可能な速度に調整し,動きの「緩急を意識している」とのこと。機体によって事情は違うが,局面によってはコズミックブレイク1以上のスピードも出るかもしれないそうだ。ゲームのプレイ感覚はかなり変わってくると思ったほうがいいだろう。
要求スペックが上がったのではないかという質問に対しては,「やや上がっている」とするものの,前述のように低スペックPCでも問題なくプレイはできるように配慮されていることにも言及されていた。
続いて,ロビーやユニオン,クランハウスは実装されるのかという質問に対しては,ロビーはそのまま引継ぎ,ユニオンは廃止されるという回答。コズミックブレイク1で実装予定とされていたものの,サーバー負荷などの問題で実装が見送られた経緯を持つクランハウスについては,「鋭意検討していく」とのこと。
カスタマイズ要素はあるのかという質問については,実装されると明言された。ちなみにヒューマノイドタイプでは,コズミックブレイク1のようなパーツの付け替え式ではなく,服を着替えるような感じで実装されるとのこと。
最後に,カートリッジシステムに関する質問があった。コズミックブレイク1ではカートリッジによって獲得していたスウェイやショートブーストのような要素は,コズミックブレイク2にも引き継がれるのかというのが質問内容だったが,スウェイやショートブーストといった要素はコズミックブレイク2でも引き継がれるが,扱いは少し変わってくるようだ。
コズミックブレイク2では,カートリッジシステムとして同名のシステムが搭載されるものの,内容は少し異なるという。新しいカートリッジシステムは「アクション性をカスタマイズするためのもの」で,速さだけを追求したり,回避性能特化や直進性能特化(曲がりにくい)といった,機体のアクションに関する特性をプレイヤーが選択できるものになるという。
コズミックブレイク1では「攻撃をいかに当てていくか」が重要だったが,コズミックブレイク2では攻撃を当てること自体はさほど難しくない。どちらかというと「攻撃可能な距離までどうやって近付くか」という立ち回りの部分が問われるゲームになっているとのことだった。
サウンド面にも注力した一作。声優陣や楽曲提供者も登壇
当日の会場には,主人公的な立ち位置となる美少女ヒューマノイド3種の声を担当する野田あゆ美さん,本田愛美さん,倉永紗希さんも出席していた。
野田さんの担当する「クリムローゼ」は,コズミックブレイク1で初の女性型ヒューマノイドとして実装された機体でもあり,プレイヤーにはお馴染みのキャラだろうが,本田さんと倉永さんの担当する「フィオナ」「ルナスタシア」は2からの新キャラクターとなる。概要はすでに紹介されているが,話によるとちょっと天然ぽいクリムローゼにルナスタシアが突っ込み役のような立ち位置になっているようだ。フィオナは,天使をモチーフに作られたものの,クールな戦闘のプロという一面も持ち合わせているという。
なお,声優のオーディションでは歌のうまさを一つの基準にしたとのことで,すでにボーカル曲を出す気満々といったところだ(後述のKickstarterでは,ストレッチゴールに各ヒロインのテーマ曲作成が設定されている)。また,将来的にはボーカル付きのBGMが採用される可能性もあることも匂わされていた。
続いて本作のBGMを担当する作曲家である細江氏,佐野氏,菊田氏の3人が登壇し,作業の状況などを語った。現在制作中ということであまり具体的な進捗は聞けなかったのだが,女性型ヒューマノイドタイプを前面に出しているためか,「ポップな曲」「可愛い曲」といったコメントも聞かれたのだが,まあ全体的にはロボットモノらしいカッコいい系の曲が多くなりそうだ。
Kickstarterで追加開発資金を調達
詳しくはプロジェクトページを参照してほしいのだが,英語ページなので簡単に説明しておこう。
基本的にPC版のサービスについてはすでに発表されているので,Kickstarterでの投資の成否に関わらず実行されるものと思われるが,そこに対する追加要素やPlayStation 4,Xbox Oneなどへの移植といった作業のための資金調達を行う。
出資額は5ドルのものから用意されており,フォーラムで要望を伝えたり,公式サイトに名前が記載される,出資者専用イベントへの参加件が与えられるなどの特典が得られる。以降,CBT参加権やTシャツやCDなどの各種グッズといった特典が追加されていき,1000ドルで自分の好きなコズミックブレイク1のメカを追加できる権利(ヒューマノイドを除く),2500ドルでBGM1曲を発注する権利,1万ドルで開発者と食事する権利などが設定されている。
また,出資者による投票により,ゲーム内に追加するヒューマノイドが決定されるという。候補に挙がっているのは以下の通り。
ただし,リリレインについては,すでに制作中であることがバレてしまったため,ほかのものに差し替える予定とのこと。リリレイン・イヴとかだろうか。
さて,今回は佐藤氏のポケットマネーから1000ドルの「好きなメカ出す権」が選ばれたのだが,佐藤氏の好きなデストラクトはすでに実装されているため,来場者へのプレゼントとして,提示された5体の中から1体が選ばれた。挙手による投票で選ばれたのはグライノートだ。
そのほか,Kickstarter関係での質問を受け付けていたが,発注できる機体について,ヒューマノイド以外で実装できない機種はあるかとの質問には「ない」との答え。プレイ可能な機体はすべて可能とのこと。基本的に,初期の機体から実装されていくので,どうしても最新の機体を使いたい場合は,Kickstarterを利用するとよいのだろう。
現在のところ,達成率は10%ほどだ。15万ドルの目標達成までの27日間でどこまで数字が上がるかに注目したい。なお,予定額以上の資金が調達できた場合は,17万ドルでMac版,37万ドルでPlayStation 4版などのストレッチゴールも設定されている。5ドルから参加できるので,興味を持った人は出資してみるのもいいだろう。
Kickstarter「Cosmic Break 2」プロジェクトサイト
「コズミックブレイク2」公式サイト
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コズミックブレイク2
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