カプコンは2015年7月23日に人気シリーズの最新作
「戦国BASARA4 皇」(
PlayStation 4/
PlayStation 3)の発売を予定している。すでにお伝えしているとおり,本作は2014年1月23日にリリースされた「
戦国BASARA4」をベースにさまざまな新要素が追加されている。
なかでも公開直後から大きな話題を呼んだ
「千利休」をはじめ,
「足利義輝」「京極マリア」といった新プレイヤー武将,戦場がカジノに様変わりする新システム
「合戦ルーレット」などが注目ポイントだろう。
今回4Gamerでは,発売に先駆けて一足早くプレイする機会を得たので,これらの新要素を中心にレポートをお届けする。
あの巨大兵器にも変身できる新システム 合戦ルーレット
まずは戦場をより賑やかに彩る新システム,
合戦ルーレットを紹介しよう。これはルーレットマークが付いている陣大将かルーレット兵を撃破すると,画面にルーレットが表示されるというもので,その出目によってさまざまな効果が発生する。
もちろんルーレットなので,当たりもあれば外れもある。その中でも当たり目の一つ
「変化」は,なんとプレイヤーが操作するキャラクターが一定時間だけ変化するという内容だ。変化するキャラクターは,通常では操作できない「直江兼続」「爆弾兵」「暁丸」の中からランダムで選ばれる。
今回,筆者はすべてのキャラクターを引き当てることができたが,とくに楽しかったのが
暁丸だ。シリーズのファンであればご存じだと思うが,暁丸は長曾我部軍が誇る巨大なカラクリ兵器である。その巨体から繰り出す体当たりや回転攻撃,そして口から発射されるレーザーは圧倒的な破壊力で,どんな敵であっても虫ケラのように蹂躙する。武将とは明らかに異なるプレイフィールだが,これまでにはない爽快感が得られることは間違いない。
また,どんな敵であっても一撃で倒せる直江兼続,無数の爆弾を戦場にばら撒く爆弾兵も,それぞれに新鮮な感覚をもたらす要素となっており,見た目にも派手さと賑やかさが増している。
合戦中に茶を点てる!? 奇想天外な千利休をはじめ
足利義輝,京極マリアの戦いぶりはいかに
続いて,新たにプレイアブルとなった武将達をチェックしていこう。
新武将の
千利休は,公開直後から独特の風貌や
「二重人格の茶人サイキッカー」という設定が注目を集め,話題となったことは記憶に新しいところだが,いざプレイしてみるとそのアクションは実にきらびやかだ。
扇子を武器にして戦場を駆ける姿は,個性的な面々が揃う「戦国BASARA」の世界においても一際,異彩を放っており,一見の価値あり。なかでも,固有技
「茶々くる」は周囲に扇子を出現させてその場で乱舞するという,千利休の優雅さと激しさをミックスしたような技だ。また,前方に敵を寄せ集めて,そのうち1人を自在に操る
「大寄せ」もサイキッカーならではのカッコよさを感じさせる。
さらに,千利休の設定を如実に生かした固有奥義がこれまた見応え十分。
戦場のド真ん中で茶を点て,敵を球体に閉じ込める
「野点」(のだて)は,なぜか地面に畳が出現するという茶人でなければ説明が付かない(?)大技といえる。思わず周囲の敵も茶会に参加してしまうようで,激しい戦いの中にも一時の安らぎを漂わせる。
また,地面から巨大な岩をえぐり取って周囲に浮遊させる
「懐石」は,とにかく豪快さが際立っている。再度ボタンを押すことで,岩を前方に向かって発射できるので,敵の大軍を一気に蹴散らせるだろう。
前述のとおり,千利休は二重人格という設定で,争いを嫌う
「ワビ助」と好戦的な
「サビ助」という2つの人格が同居している。そのため,戦場で繰り広げられる会話は,ワビ助の発言に対してサビ助がぶっきらぼうな口調でツッコミを入れるといった堂々たる独り言。千利休の声を演じる
櫻井孝宏さんが,正反対のキャラクターを見事に演じ分けており,大いに楽しめるポイントになっている。
千利休が抱える2つの人格は,戦いの中で自動的に切り替わっていく。優雅な技を繰り出すときはワビ助,攻撃的な技ではサビ助になるため,連続攻撃中は目まぐるしくコロコロと人格が入れ替わり,その矢継ぎ早な感覚がクセになってしまった。
「戦国BASARA4」では最も強大な敵武将として登場した
足利義輝は,プレイヤー武将になってもその変幻自在な攻撃は健在だ。足利義輝といえば,刀・槍・弓へと形を変える特殊な武器「笏」(しゃく)が特徴的だが,敵との間合いや技によって自動的に使い分けられるので,プレイヤーが戸惑うことはない。むしろ戦闘スタイルとしては,正統派といった印象を受ける。
その一方で,固有技の中にはリスクが含まれるという独自のものがある。たとえば,地面にルーレットを発生させる
「廻天之賭」(かいてんのと)は,その出目によってさまざまな効果がもたらされる。当たれば能力を強化できるものの,外れを引くと一定時間,あらゆる技が“封印”されてしまうのだ。
さらに固有奥義
「生命之炎」(いのちのかぎろい)は,画面に表示される複数のボタンを入力すると敵にダメージを与えられるが,失敗すれば敵の体力が回復し,自身がダメージを受けるというから気が抜けない。
同じく固有奥義の
「旋盤之極」(せんばんのきわみ)は,炎・氷・雷・闇の力を持ったルーレットを発生させ,射抜いた属性に応じて攻撃を繰り出す技だ。どの属性攻撃も強力なうえ,派手な演出で見応えもある。しかし,外れを射抜くと一定時間,画面の左右に簾(すだれ)が降りて,非常に見づらくなるというデメリットが発生してしまう。
もちろん,こうしたリスクはできれば回避したいところだが,それを考慮しても魅力的な技であることは間違いない。いや,むしろリスクがあるからこそ,当たりを引いたときの嬉しさも大きくなるのだ。
もう1人の新プレイヤー武将となる
京極マリアについては,残念ながら現時点では詳しい戦闘スタイルや固有技を明かせない。
だが,彼女の立ち振る舞いはとにかく優雅で,かつ
“ドS”らしさに満ち溢れている。武器の布を巧みに操り,敵を縛ったり,振り回したり,アレしたりコレしたりとやりたい放題。なかには,敵を馬代わりにしてこき使うようなドSにもドMにも堪らない技もあり,その手の性癖の人には乞うご期待……と言えるかもしれない。
シリーズ初のPlayStation 4版は1080p/60fps対応
今回,筆者はPS4版をプレイしたのだが,フルHD(1080p)に対応したグラフィックスは,より細やかな描写を実現していると感じた。また,60fps(秒間60フレーム)での描画もプレイヤーのモチベーションを高める要因となるはずだ。
「シリーズ10周年記念作品」と銘打たれた「戦国BASARA4 皇」の発売は7月23日に予定されている。自宅で思う存分,プレイできるようになるまではしばらく待つしかないが,さまざまな場で試遊の機会が用意されるとのこと。興味のある人は足を運んでみるといいだろう。