カプコンがPlayStationで1996年にリリースし,2002年にニンテンドーゲームキューブでリメイクされたサバイバルホラー「バイオハザード」がHD化され,この秋に三たび蘇る。2002年のリメイク版を現代の技術でHD化した
「バイオハザード HDリマスター」 (
PC /
PS4 /
PS3 /
Xbox One /
Xbox 360 )のスペシャルステージが,東京ゲームショウ2014のビジネスデー2日め(2014年9月19日)にカプコンブースで開催された。
バイオハザード HDリマスター プロデューサー 平林良章氏
ステージに登場したのは,本作のプロデューサー
平林良章氏 。平林氏は「当時高く評価された2002年のリメイク版を,さらに丁寧にリメイクした」と本作についてコメント。そんなHDリマスター版の実機によるデモンストレーションも見せてくれた。なお実機プレイの画面は撮影禁止だったので,公式のトレーラー映像でその雰囲気をご想像いただければと思う。
「biohazard HD REMASTER」1st Trailer
VIDEO
特殊部隊S.T.A.R.S.に所属するクリス,ジル,バリー,ウェスカーの4人が,正体不明の魔物に追われて巨大な洋館へと飛び込み,行方不明となってしまった仲間を探して洋館を探索するという,当時のファンには懐かしい場面がHD映像で展開していく。
ステージでは,セーブに使用する「タイプライター」と「インクリボン」の関係や,体力を回復する緑や赤の「ハーブ」の存在,シーンが切り替わるときに扉がズームアップして緊張感をあおる演出など,知っている人には懐かしく,知らない人には新鮮な,バイオハザード独自の要素をデモプレイにて紹介。そしてあの坊主頭のゾンビがゆっくりと振り返る,ゲーム業界の歴史に残る名シーンなども披露した。
現代のHDゲーム機で本作を作るにあたって,当時は表現し切れていなかった壁に映る影や床に反射する主人公の姿など,光が関係する表現にとくに気を遣っていて,それがゲームの見どころにもなっていると平林氏は述べた。またHD化されたことで,画面は16:9のワイドで表示されているが,設定をその場で切り替えて,当時の4:3の画面でもプレイすることが可能だ。
また,本作では日本語ボイスにも対応し,近年のバイオシリーズで声を充てている声優陣がそれぞれの役を演じている。さらに過去のシリーズで特典映像や読み物として制作された「ウェスカーズリポート」のIとIIも,ゲーム本編に収録される予定だ。映像は約15分,読み物は50ページ以上のボリュームで,映像については素材を入れ替えて再編集も行われているそうだ。
近年のシリーズのファンにはなじみ深い声優陣がメインキャラクターの声を演じている
ウェスカーの視点で一連の事件を綴ったのがウェスカーズリポートだ。本編にはこれが丸ごと収録される
またステージでは,ゲームの世界観に合わせたオリジナル特典が付属する「コレクターズ・パッケージ」と「LIMITED EDITION(イーカプコン限定版)」の内容や,
「こちら」 の記事でお伝えしている「ラクーンシティ感染拡大キャンペーン」,漫画家の井上三太氏のアパレルブランド「SANTASTIC!」とのコラボレーションなど,新旧のバイオハザードファンが大いに楽しめそうな企画が大々的に発表された。
コレクターズパックには,洋館の設計図やアートガイドブックが付属。設計図は要所に設計者のメモが印刷されているなど,凝った仕様だ
設計図を元に作られた洋館の内部の様子を冊子にまとめたアートガイドブック
LIMITED EDITIONには,ラクーン警察がノベルティとして作ったという手帳やラミー社製のボールペン他が付属。手帳の中身はファンが楽しめる内容になっている
「ラクーンシティ感染拡大キャンペーン」は,100万人を目標に現在進行中。現時点で約70万人が参加しているそうだ
SANTASTIC!とのコラボでは,バイオハザードオフィシャルファンクラブ「CLUB96」で開催予定の人気投票で1位になったクリーチャーを井上三太氏が描き下ろし,それをTシャツとして販売するとのこと
最後に平林氏は,「傑作と名高い作品を大切にする気持ちを忘れずに,より高品質なものにするために現在開発を進めている」と来場者に向けてメッセージを贈った。PS3版とXbox 360版は2014年11月27日に,そしてそれ以外の最新機種版も来年早々に発売するとのことで,それぞれの機種のプレイヤーは発売を楽しみに待とう。
本作は今回映像のみの出展となったが,カプコンブースには巨大なタイラントの像が置かれ,来場者は記念撮影を楽しんでいた
バイオシリーズに登場する銃をモデル化している東京マルイとのコラボコーナーには,シューティングレンジが設けられ,エアガンの試射を体験できる