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【PR】低負荷時にファン回転の止まるGTX 980カード「STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5」を使って,超絶静かな小型ゲームPCを自作してみた
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印刷2014/10/25 12:00

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【PR】低負荷時にファン回転の止まるGTX 980カード「STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5」を使って,超絶静かな小型ゲームPCを自作してみた

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STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) [email protected]
実勢価格:7万8000〜8万円程度(※2014年10月25日現在)
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 PCで3Dゲームをプレイするとき,その性能を絶対的に左右するのは,CPUではなくGPUだ。デスクトップPCにおいてはグラフィックスカードということになる。
 ただ,だからといって闇雲にハイエンドのグラフィックスカードを選択してしまうと,動作音に悩まされるケースがある。ゲームプレイ中は,ゲームサウンドをスピーカーなりヘッドフォンなりから再生するので,普通ならそこまで気にならないはずだが,そうでない場合は,デスクトップ作業中にも回転し続けるGPUクーラーのファンノイズと戦う必要が出てくるのだ。

外部出力インタフェースはDisplayPort(1.2)×3,HDMI(2.0,Type A)×1,Dual-Link DVI-I×1
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 そんなおり,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)から,「とっても高速でとっても静か気味な“準ファンレス”のグラフィックスカードがあるの」と連絡を受けた。第2世代Maxwellアーキテクチャに基づく「GeForce GTX 980」が搭載された「STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5」がそれだ。

 本製品は,GPU温度65〜67℃あたりを閾値として,それを下回るようであれば,GPUクーラー「DirectCU II」のファン回転を止める「ゼロノイズファン」の採用が大きな特徴になっている。一般に,デスクトップ作業時のGPU温度は――たとえFlashベースの2Dブラウザゲームを実行していたとしても――ここまで上がることはないので,事実上,3Dゲームをプレイしたりしない限り,ファンの回転数ゼロで運用できるというわけである。

 今回は,そんなSTRIX-GTX980-DC2OC-4GD5を主役に据え,自作PCの初心者でも簡単に作れる,静かでパワーのある,その上コンパクトなPCの構成を考え,実際に組み立ててみたいと思う。この秋,ゲームPCを手に入れたいと思っている人は,ぜひ参考にしてほしい。


STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5をMicroATXシステムに搭載。気を付けるべきは「大型カード搭載時の新常識」


 というわけでさっそくだが,今回用意した構成は以下のとおりである。

●今回用意したシステムの構成
  • グラフィックスカード:STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5
  • マザーボード:MAXIMUS VII GENE
  • CPU:Core i5-4690K
  • CPUクーラー:ENERMAX ETS-T40-TB
  • メモリモジュール:ADATA Technology AX3U1600GC4G9-2G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2セット)
  • ストレージ:Micron Technology Crucial MX100(CT256MX100SSD1,容量256GB)
  • 電源ユニット:Corsair RM550(定格550W,フルモジュラー)
  • PCケース:Aerocool Advanced Technologie DS Cube Window
  • OS:64bit版Windows 8.1(DSP)
※Windowsのインストールには,別途USB接続の光学ドライブ,もしくはUSBフラッシュメモリが必要

ゲーマー向けマザーボードたる。MAXIMUS VII GENE。オンボードの有線LANコントローラは信頼と実績のIntel製だ
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 ポイントは,大型カードであるSTRIX-GTX980-DC2OC-4GD5をできる限り小さなシステムで運用すべく,MicroATXマザーボードと,MicroATX対応のPCケースを用意しているところだろう。
 組み合わせるマザーボードはもちろん,ASUSの「R.O.G.」(Republic of Gamers)からチョイスした。具体的には「Intel Z97」チップセット搭載モデル「MAXIMUS VII GENE」だ。

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インタフェースは実に豊富。PS/2もあるので,古めのゲーマー向けキーボードやマウスも利用できる
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PCI Express x2接続のM.2スロットも用意。基板上に電源&リセットボタンがあるのは動作検証に便利だ
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専用サウンドカード「SupremeFX Impact II」。徹底したノイズ対策がなされ,高品位な音を提供できるという
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貼られているビニールシートの取り外しはものすごく重要。これを怠ると熱暴走の原因になるので,全部剥がすべし

STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5を背面側から見たカット。基板は写真右手前側に伸びている。とくに注目すべきは,SLIブリッジコネクタ周辺がかなり膨らんでいるところだ。小型PCケースの場合は,これが筐体内の突起と干渉しやすい。さらにSTRIX-GTX980-DC2OC-4GD5の場合は,大きなヒートパイプも側板と干渉しやすいので注意だ
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 STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5のカード長は実測約289mm(※突起部除く)。こういった長めのカードを小型のPCケースに搭載しようという場合は,「当該PCケースがどの程度の全長を持つカードまでサポートしているか」をチェックする必要があるというのが,小型PCケース選びの常識だった。
 しかし,準ファンレス化によってGPUクーラーが大型化しているSTRIX-GTX980-DC2OC-4GD5のようなカードの場合,そこをチェックするだけでは不十分だ。具体的には,カードの横幅,とくにI/Oインタフェース近くの横幅が,I/Oブラケット部からどれくらいはみ出しているかをチェックする必要がある。これを怠ると,そもそも側板を閉められないとか,基板が強度を確保するために曲げてある筐体側のフレームと干渉するとかいったことが生じやすいのだ。
 こういった問題は,マザーボードを床置きするようなデザインのPCケースだと,カードの側面方向に空間があるので回避しやすい。

具体的な組み立て方法は後段で紹介するが,今回用意したDS Cube WindowにSTRIX-GTX980-DC2OC-4GD5を差したところのクローズアップ(左)。写真上方向に干渉するようなものがないため,問題なく取り付けられる。一方,右は,MicroATX対応ケースとしてはかなり大きな某社製品。赤い矢印で示したとおり,I/Oインタフェースのすぐ近くにフレームの突起があり,これがカードと干渉してしまう
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 ハイエンドクラスのグラフィックスカードを選ぶ場合,リファレンスデザインのものを買うケースはあまり多くないと思われるだけに,このポイントは「新常識」として押さえておいてほしい。

DS Cube Window。本体サイズは265(W)×381(D)×411(H)mmで,ドライブベイは5インチ×1,3.5インチオープン×1,3.5/2.5インチシャドウ×2,2.5インチシャドウ×2だ。前面に200mm角,背面に120mm角ファンを1基ずつ標準搭載している。天面に簡易液冷クーラーのラジエータを取り付けることも可能だ。カラーは9色あるが,今回はご覧のとおりオレンジを選択した
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用意したCPUはCore i5-4690K。製品ボックスにCPUクーラーは付属するが,今回は静音化を図るので,付属クーラーは使わない
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 そのほかの構成部品は,価格対性能比重視で選んでいる。CPUは,ゲーム用途では4コア8スレッド仕様よりも4コア4スレッド仕様のほうが高い性能を得やすいことから,Core i5-4690Kを選択している。メインメモリは総容量8GBなら十分ということで,できる限り安価なものを選択した次第だ。ストレージは速度重視でSSDにしてあるが,大量のゲームをインストールする場合は,容量1〜2TB程度のHDDを追加するのもアリだろう。
 組み合わせる電源ユニットはフルモジュラータイプ。小型筐体ゆえ,エアフローには気を配る必要があり,その点でケーブルの取り回しは死活問題となりかねないだけに,必要なケーブルだけ差して使えるようにしたいというところからフルモジュラーにこだわった次第だ。さらに,STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5と組み合わせることでさらなる静音化を図れるよう,負荷が40%を下回るときにファンの回転が止まるモデルをチョイスした格好である。

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ETS-T40-TB。4000円以下で購入できる手軽さと,ほかのパーツと干渉しづらいコンパクトさが魅力のサイドフロー型CPUクーラーだ
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メモリモジュールはAX3U1600GC469-2G。ゲーム用途では容量8GBもあれば十分なので,コスト重視で選んだ次第
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ストレージはコストと性能を重視のうえ,容量256GBのCrucial MX100に
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電源ユニットはフルモジュラー&準ファンレス仕様のRM550とした


まるでカタログな勢いで

組み上げる行程を見ていこう


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 というわけで,組み立てである。基本的には,まず主要なパーツをマザーボードへ取り付けて,次にそれをPCケースへ組み込んでいくという流れになる。チェックポイントともども,以下,写真中心で紹介していこう。
 人生で初めてのPC自作を行う場合,ヒントはどうしても必要だ。本稿で紹介する構成で組む場合は,手持ちのスマートフォンなどで記事を確認しながら作業を進めるといい。
 なお,写真では服を着ているが,静電気対策を考えると究極的には全裸が正解である。脱ぐべし

●CPUとCPUクーラーの取り付け

まずはCPUの取り付けからだ。左から右に見てほしいが,ソケットの脇にあるレバーを引っ張って起こす
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右上の状態からさらにレバーを押し込むとカバーが浮いてくるので,上まで持ち上げる。するとソケットが顔を出す仕掛けだ。CPUソケットカバーにある△とCPUの隅にある△の位置を合わせるとCPUを置く向きが分かるようになっているので,それに合わせてCPUをソケット部にそっと載せる
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CPUをソケットに載せたら,カバーを下ろして元の状態に戻す。テンションが強くてちょっと壊れそうな感覚もあるのだが,頑丈なのでレバーは思い切って下ろしてしまって構わない。取り付けが終わるとCPUソケットのカバーが軽く浮くので,それを取り外せばCPUの取り付けは完了だ
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続いてはCPUクーラーの取り付けだ。クーラー付属のマニュアルを参考にして必要なパーツを集めたら,やはりマニュアルに従って,バックプレートと支柱を取り付けていく。写真で見ると面倒そうだが,図解入りマニュアルに従えばとくに難しいところはない。あえていえば,「バックプレートを付けるとき,ネジ穴を正しく選びましょう」といったところか。CPUのパッケージはLGA1150なので,それに合ったネジ穴を選ぶのがポイント
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CPUに付属のグリス(※ゲル状の熱伝導材)を盛り,続いて,CPUクーラーに標準で取り付けられているファンを外す。左右から組み付けている金具の取っ手部分を引けば簡単に外せるが,あとで取り付け直すので,向きなどは撮影するなどして把握しておこう。続いて,CPUクーラーの底にある底面保護シールを外す。意外とこの作業を忘れることがあるので注意したい(※筆者も担当編集も経験あり。たいていはOSのインストール後あたりで気づくことになる)
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CPUクーラーをCPUの上に載せ,ぐりぐりとグリスを伸ばす。ときどき持ち上げて,まんべんなく広がっているかどうかを確認しよう。もちろん,へらを持っているなら,それで丁寧に伸ばしてもいい。十分に伸びたら,マニュアルに従ってCPUクーラーを固定する。プレートを使ってきっちり固定するイメージだ
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エアフローは筐体の後ろ側へ向かうことになるので,メモリスロット側にファンを取り付けて,金具で固定。この時点でCPUクーラーがグラついていないか確認しておきたい。最後にマザーボード上の「CPU FAN」とあるピン端子とファンの電源ケーブルをつなぐ。ケーブルもこの時点でまとめておこう
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●メモリモジュールとSupremeFX Impact IIの取り付け

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続いてはメモリモジュールを取り付ける。メモリモジュールとソケットには,向きを合わせるための切り欠きがあるので,写真右側の固定用ピンを開いたうえで,あとは切り欠きに合わせて真上から押し込むだけでいい。なお,2枚差しのときは赤いスロットが優先
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しっかりと押し込むと,写真向かって右側の固定用ピンが動いてメモリモジュールを固定してくれる。もう片側は,グラフィックスカードと干渉しないよう,ピンが省かれているので,ピンのないほうを押し込んでからピンのあるほうでも同じようにするのがお勧め
SupremeFX Impact IIを接続するピン端子は,I/Oインタフェース部のすぐ近くにある。しかも,マザーボードの背面側から2点でネジ留めする必要があるため,ケースに組み込んでから接続するのは不可能だ。ここで忘れずに固定しておきたい
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●PCケースへの組み込みと通電テスト

今回用意したDS Cube Windowは,一部ドライバーレス。側板は手回しネジで外せてしまえるので,まずは正面向かって右側,アクリル窓の付いたほうを外す
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天板部がスライド式のロックを外し,側面から手を突っ込んで上に押し上げればあっさりと取り外せる。DS Cube Windowにはメッシュ構造の黒色天板カバーが付属しているので,天板部に大型ファンや簡易液冷ユニットのラジエータを取り付けることも可能だ
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さらに正面向かって左側のパネルも外すと,作業スペースの確保がとても簡単になるのでお勧め。マザーボードやドライブなどの固定に必要なネジは,3.5インチシャドウベイに入っているので,取り出しておこう。DS Cube Windowの場合,用途ごとにネジが袋分けされていて便利だ
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ここから組み込み開始。まずは電源ユニットに必要なモジュラーケーブルをセットする。電源ユニット側の「24 PIN ATX」(※主電源)と「4+4 CPU」(※CPU用補助電源),「6+2 PCI-E」(※グラフィックスカード用補助電源)を各1と,2つある「PERIPHERAL&SATA」の片方を差した状態が最小構成だ。電源ユニット本体は,横からスライドさせてPCケースに押し込んでいくのだが,そのときは最初にケーブルだけ全部通しておいて,うまく重ね合わせるように配線するといい。きちんと収まったら背面から電源ユニット本体をネジ留めしてしまおう
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次にマザーボードだ。最初にバックプレートを填める。向きは写真のとおりだ。DS Cube Windowのマザーボードトレイには「スペーサー」と呼ばれるネジ穴付き小型台座が用意されているので,続いては,そことマザーボードのネジ穴が合うように置いて,ドライバーを使ってネジ留めしていくことになる。このとき,不要なケーブルはテープでまとめておくと邪魔にならなくていい
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電源ケーブルをケーブルマネジメント用の穴から引き出して,主電源とCPU用補助電源のみマザーボードと接続する。これで最小構成となった。ここで,PCケースに標準で用意されている「HD AUDIO」ケーブルをSupremeFX Impact IIと忘れずに接続しておきたい。後でグラフィックスカードを差すと,指が届かなくなってしまうためだ
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最小構成でのテスト中。画面にBIOS画面が表示されたら合格だ
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 ここで,今までの組み立てが問題なく行えたかのテストを行う。電源ケーブルをコンセントとつないだうえで電源ユニットの電源スイッチを[|]側にして通電させ,さらにマザーボードのオンボードグラフィックス出力とディスプレイとをつないだら,マザーボード上の電源ボタンを押す。
 しばらく待って,BIOS(UEFI)画面が表示されたらテストは通過だ。ここで何も表示されなかったら,メモリモジュールやCPU,ケーブルの接続にミスがある可能性が高い。たいていはメモリモジュールなので,慌てず騒がず電源スイッチを[○]にして,メモリモジュールを差し直すなど,1つずつ見直そう。電源ユニットのスイッチは「1がオン,0がオフ」と理解しておくと覚えやすい。


●ストレージとSTRIX-GTX980-DC2OC-4GD5の取り付け

ストレージデバイスの取り付けは,おそらく全工程のなかで一番簡単だ。マザーボードの製品ボックスに付属のSerial ATAケーブルと,Serial ATA電源ケーブルを手前に引き出しておいてから,マウンタ―にストレージデバイスをネジ留め。ストレージデバイスをマウンタ―に固定できたらケーブルをつなぎ,あとはシャドウベイに差し込むだけでいい
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 さて,STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5が非常に大きいカードだという話は本稿の序盤でしたが,実際,DS Cube Windowへ組み込むには,3.5インチオープンベイを取り外す必要があった。
 なお,筆者が試してみると,5インチベイもないほうが,ケーブルマネジメントしやすいことが判明したので,今回は思い切って5インチベイも外しているが,このあたりはお好みで,ということになろう。

本体前面カバーは,左の写真で手前に見える凹みに指を入れて手前に「えいやっ」と引けば簡単に取り外せる。軽く力を入れただけでは全然取り外せないので,ここは(最初は不安だろうが)力を入れて一気に引き出してほしい。するとネジが見えるので,これを外すとドライブベイは簡単に取り出せる。光学ドライブが必要な場合は,USB接続のものを使うことになるだろう
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PCケース背面の手回しネジを外してI/Oブラケット固定具を持ち上げ,さらにI/Oブラケットカバーを取る。最後に,右の写真奥のPCI Express x16スロット部にあるツメを寝かせた状態にすれば,STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5の取り付け準備は完了だ。先に補助電源ケーブルを接続しておきたい
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序盤でも掲載した写真を,赤枠付きで再掲。STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5を取り付けた状態だ。PCケースによっては,赤い枠で囲んだ部分が干渉し,物理的に取り付けられない可能性が生じるので,この点は十分に注意したい。準ファンレスカード環境を手に入れるための試練といったところか
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●ケーブルマネジメント

 最後はケーブルマネジメントである。オープンベイ2基を外した状態のDS Cube Windowにおいて,ケーブルマネジメントの難度はそれほど高くないので,初めての自作にはもってこいだろう。束ねてあったケーブルをバラバラにしたうえで,それぞれ何だったか確認しながら,1本ずつ差していくと,うっかりの差し漏れがなくていい。

PCケース前面ファンの電源はメモリスロットの脇(左),背面ファンの電源はCPUクーラー用電源コネクタの脇からそれぞれ取るといいだろう(中央)。PCケースの天面部へ引き出すためのUSB 3.0ケーブルは主電源コネクタの脇にある端子と接続する(右)。グラフィックスカードを差してからでも問題なく取り付けられるが,不安なら,先に済ませておくといいかもしれない
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天面部から伸びるUSB 2.0ケーブルの接続先はグラフィックスカードの近く。灰色で囲まれたピン端子だ。PCケースの電源ボタンやリセットボタン,各種LEDのケーブルはバラバラだが,付属のアダプターにセットしてからマザーボードに取り付けるととても楽。このアダプターのためだけにASUS製マザーボードを選ぶ人もいるくらいだと言われている
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アダプターへの“植毛”とマザーボードへの取り付けは簡単だが,ケーブルは細くて絡まりやすいので,まとめておきたいところ。結束バンドで束ねてから筐体内にテープ留めするといい。中央の写真はUSBケーブルを天面部の隙間に這わせているところ。マネジメント時に注意したいのは,ファンがケーブルを噛まないようにするところだ。最低でも右の写真くらいは空間を空けておきたい
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ケーブルマネジメントを終えた状態で左右から見てみた。細めのケーブルほど動きやすいので,気持ちテンション高めで張っておくのがいい。なお,電源ケースの吸気は本体底面からなので,モジュラーケーブルの置き場所に神経質になる必要はなし。電源ケーブルは空いた隙間で適当に回しておけば大丈夫だ
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 あとは,側板と天板を取り付けたら,組み立て完了だ。STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5のグラフィックス出力とディスプレイとをつなぎ,今度はDC Cube Window側の電源ボタンから電源を入れ,無事にBIOS(UEFI)が起動するのを確認しておこう。

無事に組み上がった自作ゲームPC。なお,動作確認時に使っている液晶ディスプレイは,ASUSのゲーマー向けモデル「VG248QE」だ。24インチワイドで解像度1920×1080ドット,垂直リフレッシュレート144MHzというスペックを持ち,画面表示の“ヌルヌル感”が魅力の製品である
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●Windows 8.1のインストール

 Windows 8.1のインストールにあたっては,OSの起動が快適になる「UEFI Boot」を有効にした状態にしておきたい。これはインストール時にしか設定できないので,必ず指定しておこう。
 と言っても,MAXIMUS VII GENEにおける設定は簡単で,専用のマザーボード設定ツールである「UEFI BIOS Utility」にある「Exit」から,「Launch EFI Shell from USB devices」を選ぶだけだ。USB接続の光学ドライブ,またはUSBフラッシュメモリを差しておけば,再起動時にUEFIインストールが始まるようになっている(※Windows 8のインストールUSBフラッシュメモリを作成するには別のPCが1台必要だ。持っていない場合や,頼める友人がいない場合は,素直に光学ドライブからのインストールを行うのがいい)。

「Exit」の「Launch EFI Shell from USB devices」を選択し,「Save Changes & Reset」が出たら[OK]を押す。もしこの「Save Changes & Reset」が表示されなかったら,1つ前に戻って「Load Optimized Defaults」を選ぶと表示されるようになるはずだ
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問題なく再起動すると,R.O.G.ロゴがしばらく表示されてからWindowsのインストールが始まる。これが表示されなかったらUEFI BIOS Utilityの設定から見直すこと
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あとは画面の指示に従っていくだけでインストール完了。“すっぴん”状態だと,電源ボタン投入から約7秒でPCは起動した
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GPU負荷が低い状態ではほとんど無音!

間違いなく「速くて小さくて静かなゲームPC」に


艦これ程度ではほとんど負荷にならない。GPUの使用率は3%程度で,GPUクーラーのファンはぴくりともしなかった
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 無事にPCが完成したところで冒頭の話に戻るが,STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5は,GPU温度が一定レベルを超えない限りファンは回転せず,大きなGPUクーラーのヒートシンクとヒートパイプのみで冷却をまかなうことになる。そのため,今回自作したPCでビデオを見たり,テキトーにSNSでウダウダしたり,それこそGPU支援が有効になるブラウザゲームの代表格といえる「艦隊これくしょん〜艦これ〜」(以下,艦これ)を延々と――提督のために分かりやすく言うと,デイリー任務一式を全部消化するまで――プレイしていても,ファンが回転する気配はまったくなかった。
 「ビデオを再生しながら艦これ」のような処理をさせてみても,「GPU-Z」(Version 0.7.9)で表示される温度は,室温24℃に対して34〜35℃。GPUの使用率は3%前後,“ワットチェッカー読み”したシステム全体の消費電力も48〜55Wなので,ファンが回転しないのも当然といったところだ。

 ファンの回転が始まるか始まらないか,レベルの負荷を与えたらどうなるか。それを確かめてみたのが下のムービーだ。ここでは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編)を「最高品質」でループ実行し,その間の録画から一部を抜き出したものだが,1周めは終盤のドラゴン戦までファンは回転せず。2周め以降は,熱が溜まり始めるからか,徐々にファンの回り出すタイミングが早くなるのだが,回転数は700〜1000rpm程度で落ち着くため,静かな部屋であっても,PCの動作音はゲームサウンドにマスクされる。これが気になるプレイヤーはまずいないだろう。


 ファンの挙動を追ってみると,GPU温度65℃前後でファンが回転し始める。ファンによる冷却が効果を発揮したり,負荷が下がったりして,GPU温度が50℃あたりまで下がったところでファンが停止するようなルーチンになっているようだ。そのため,特定の温度を閾値にファンの回転が止まったり動いたりを繰り返すような,みっともない事態にはならない。

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グラフィックス設定をとにかく高めるべく,ULTRA設定をベースにAmbient Occlusion設定も最大にしてみた
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さすがに動作音は大きくなったが,ヘッドフォンをしてしまえば気にならないレベル(※画面は填め込み合成です)
 続いては,最新世代の3Dゲームタイトルである「Watch_Dogs」(邦題 ウォッチドッグス)でのテストだ。ここではグラフィックス設定のプリセットを「ULTRA」,解像度を1920×1080ドットに設定し,さらに描画負荷を高めるべく,「Ambient Occlusion」を「HBAO+High」にしてみたところ,GPU使用率は93%程度で,プレイ開始後20分ほど経過した時点でGPU温度75〜76℃,ファン回転数1900rpm前後で安定し,その後,大きな変化はなかった。
 さすがにここまで回転数が上がると,「ファンの回転数が気にならない」と言ったら嘘というレベルになる。スピーカーからゲームサウンドを出力していても,音量次第では高周波ノイズが気になるくらいの音だが,これはハイエンドGPUを“ぶん回している”以上,やむを得まい。密閉型ヘッドフォンを装着すればまったく気にならなくなるので,許せる人のほうが多いのではなかろうか。

 というか,高負荷時にも“熱負け”せず,きっちりと70℃台にGPU温度を抑えられる冷却性能のほうを,ここでは評価すべきだろう。

 GTX 980というGPUの実力自体は4Gamerのレビュー記事で詳しくお伝え済みだが,念のため,「3DMark」(Version 1.4.778)の結果も取得してみた。テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション15.3準拠で,比較対象としては,STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5の動作クロックを,GTX 980のリファレンス相当となるベース1126MHz,ブースト1216MHzへ落とした状態を用意したが,グラフを見てもらうと分かるように,ベース1178MHz,ブースト1279MHzへ引き上げられた効果は,きっちり出ているといえる。

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速さと静音性重視ならSTRIX-GTX980-DC2OC-4GD5で決まり! ハイエンドPCでもここまで小さくできる


 一昔前,3D性能を徹底的に重視するということは,静音と(PCの)コンパクトさを諦めることになるのと同義だった。ただ,STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5が中心となる今回の構成では,文句なしのハイエンド構成でありながら,その動作音は非常に小さい。3Dゲームアプリケーション実行時以外は実質的にほぼ無音と述べてよく,「準ファンレス」の謳い文句は伊達ではない印象だ。ゼロノイズファンは相当に効いている。
 3Dゲーム実行時はさすがに音が気になるものの,低騒音重視に振ったPC構成でもしっかりGPUを冷却してくれるのはポイントが高い。その3D性能は文句なしなので,安心してゲームをプレイしたい人もチェックすべきグラフィックスカードといえるだろう。

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 STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5の実勢価格は7万3000〜8万円程度(※2014年10月25日現在)。カードメーカーオリジナルデザインのプレミアムモデルということで,さすがに安価とはいえない。そのため,今回紹介した構成でも,OS込みの総コストはざっくり18万円程度になる――USB接続の光学ドライブを追加するともう少し上がる――が,数年単位で使い倒していけることを考えれば,決して高すぎるということはない。
 この秋から冬にかけて,ゲームPCの購入や買い換えを検討しているなら,STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5を軸に検討してみてはどうだろうか。後悔はしないはずだ。

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