プレイレポート
注目の新作RPG「XenobladeX」ファーストインプレッション。ソロプレイでもオンラインでもたっぷり遊べる期待以上の完成度
ちなみに本作は,4月2日にNewニンテンドー3DS版が発売された「ゼノブレイド」とは,キャラクターやストーリー上のつながりはないので,「やってみたいけど前作を遊んでないから……」という人もご安心を。今からでも全然遅くないので,本稿を読んで興味を持った人は,ぜひ未知の惑星での冒険に加わってほしい。
「XenobladeX」公式サイト
人類存亡をかけた,未知の惑星「ミラ」でのサバイバル
西暦2054年7月,人類は突如として謎の異星文明同士の戦闘に巻き込まれ,理由も知らされぬまま地球は蹂躙され,大地は焦土と化した。事前に地球圏への戦闘の波及を察知していた統合政府は「地球種汎移民計画」を発動し,世界の主要都市から多数の恒星間移民船が飛び立ったものの,その多くは撃墜されてしまう。主人公達の乗る「白鯨」は,運よく脱出できた船の一隻だ。
しかし,地球を旅立ってから2年後,白鯨はついに敵の追撃部隊に発見され,激しい戦闘の末に船体を崩壊させながら未知の惑星「ミラ」へと墜落してしまう。それから2か月後,ライフポッドの中で休眠状態にあった主人公が民間軍事組織「ブレイド」の隊員であるエルマによって発見されたところから物語が始まる。
外見やクラスも思いのままの自由度の高いキャラメイク
というわけで,本作ではゲームを開始したら,まずは自分の分身となるキャラクターを作成することに。キャラの外見は,男女それぞれに14種類ずつのベースモデルが用意されており,身長や髪型,肌や瞳の色,ボイスなど,さまざまな要素を組み合わせて自分好みのキャラクターを作ることができる。
また,ここではまだ設定できないものの,序盤のクエストを達成して正式なブレイド隊員になると,ブレイド内にある8つのユニオンのどこに所属するかを選ぶことになる。ユニオンにはそれぞれ,エネミーの討伐や白鯨の残骸の回収など推奨される活動があり,あとで所属を変更することも可能だ。
さらに,初期クラス「ドリフター」のランク(=レベル)が10になると,「アサルト」「コマンド」「フォーサー」という3系統のクラスにクラスチェンジできるようになる。こちらもあとで任意に変更可能で,クラスごとに異なるアーツが使えるだけでなく,クラスチェンジ後も以前のクラスで習得したアーツを使用できる。
5つの大陸からなる広大なフィールドを自由に探索
さて,キャラクター作成が終わったら,いよいよエルマと共に生き残った人々が暮らす居住ユニット「ニューロサンゼルス」(通称NLA)に向かうことに。単に居住ユニットと書くと,小ぢんまりとした規模のものを想像するかもしれないが,実際のNLAは4つの主要区画から成り立っており,とにかく巨大。広大な世界を自由に歩き回れるゼノブレイドシリーズの本領がさっそく発揮される。
ブレイドの第一目標は,ライフと呼ばれる施設が落下した地点「ライフポイント」の発見だ。ライフとは,地球圏を脱出した際に多くの人々が休眠していた施設のことで,これを見つけ出すことは,人類にとって文字どおりの意味で死活問題なのだ。ストーリーは,このライフポイントの発見を主任務としつつ,さまざまなクエストをこなすことで進めていく。
ミラの地表は「セグメント」と呼ばれる無数のエリアに分割されており,調査の具体的な手順は,目標のセグメントに情報探査機「データプローブ」を設置することで周辺地域のデータを取得するというもの。ミラはさまざまな風土が見られる5つの大陸からなり,起伏に富んだ広大なオープンフィールドとなっている。プレイヤーはここで,最大4人のパーティを組んで冒険を繰り広げるのだ。
人型メカ「ドール」によるロマンあふれるバトル
戦闘は前作同様,敵と遭遇するとフィールド上でシームレスに展開される。装備した武器によるオートアタックとアーツを組み合わせて戦うという点は前作と同じだが,本作ではナイフやロングソードといった格闘武器と,アサルトライフルやガトリングガンといった射撃武器の2つを好きなタイミングで切り替えながら戦えるようになった点が新しい。
また,前作の「突発キズナ」を発展させたものとして,戦闘中の仲間からの呼びかけに応えることで相手と自分のHPが回復したり,アーツの威力が上がったりする「ソウルボイス」や,特定の状況で発生し,タイミングよくボタンを押すことで全員のHPが回復したり,テンションが上昇したりする「ソウルチャレンジ」といったシステムが用意されている。どちらも,戦闘中にかなりの頻度で発生し,成功させるほど戦いを有利に展開できるので,見逃さないようにしたい。
さらに,ゲームを進めることで習得できる大技として「オーバークロックギア」というものがある。オーバークロックギアを発動させるとアーツのリキャストタイムが大幅に短縮され,連続してアーツを繰り出せるようになるだけでなく,同じ種類のアーツを続けて使うことで「ギアカウンター」のヒット数が増加し,それに応じて発動時間の延長やダメージのアップといったさまざまな効果が表れる。
そしてもう一つ,何といっても見逃せないのが巨大人型兵器「ドール」を使った戦闘だ。ドールには,ゲームを進めてライセンスを取得することで乗れるようになり,これがとにかくカッコいい。もちろん,ドールは機体の各部位の武装をカスタマイズ可能で,カラーリングの変更も行える。ミラには見上げるほどの大きさの巨大生物も棲息しており,こうした生物とドールの戦いはまさに男のロマンとしか言いようがない。メカ好きの筆者としては,これを見るためだけに本作をプレイしてもいいと思えるほどだ。憧れるなあ。
ソロでもオンラインでもたっぷり楽しめる大作
筆者が今回プレイしたのは発売前の開発版だったため試せていないが,本作ではこのほかにも,オンラインを通じて最大32人のプレイヤーが参加できる「スコード」という部隊が用意されているのも大きな特徴だ。
スコードでは,メンバー同士で「ブレイドレポート」というメッセージのやり取りや,自分が使わない装備品を相手に送ったりできる「トレジャーディール」という機能が利用でき,一定時間内に討伐や収集のノルマをこなす「スコードミッション」への参加も可能。また,スコード内の4人のプレイヤーが協力して,通常の敵よりもさらに強力な「ワールドエネミー」とのバトルに挑戦したりもできる。
もちろん,こうしたオンライン要素をオフにしても,ソロプレイでたっぷり遊ぶことができ,筆者もざっと30〜40時間ほどプレイしてみたが,まだまだ全体の半分にも達していない気がする。
広大なフィールドを自由に探索し,数えきれないほど用意されたサブクエストをこなし,街の人々とのキズナを深めていくというゼノブレイドシリーズの醍醐味を引き継ぎつつ,前作の高い完成度を軽々と越えてきた本作は,ぜひ多くのRPGファンに遊んでもらいたい一本だ。もしWii Uを持っていないという人は,この機会に購入を検討してみてもいいかもしれない。
「XenobladeX」公式サイト
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