ポケモンとYahoo! JAPAN，トレーディングカードの取引に関する相互協力の覚書を締結。規約違反の情報を収集し，削除対応を実施

　ポケモンとYahoo! JAPANは本日（2023年7月25日），トレーディングカードの取引に関する相互協力の覚書を締結したと発表した。

　今回の協定は，両社の連携によって規約に違反する出品を取り締まるためのものだ。公開された「両社の主な連携・対策」の中では，ポケモンはYahoo! JAPANへの各種情報提供を行い，Yahoo! JAPANは規約に違反する出品への削除対応と，規約に関する注意喚起を行う旨が明らかにされている。

Yahoo! JAPAN「ヤフオク」の出品を「ポケモンカード」で検索した画面

　ポケモンが展開するTCG「ポケモンカードゲーム」に関しては，新商品の高額もしくは大量の転売や，海賊版の流通が大きな問題となっていた。ポケモンは以前，フリーマケットサービスのメルカリとも「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結しており，今回の施策もそうした対策の一環と言えるだろう。


　発表の中で気になるのは，規制対象となっている商品がポケモンカードゲームに限られておらず「トレーディングカード」と表現されている点だ。

　高額・大量転売はポケモンカードゲームに限らず，「遊戯王OCG」や「ONE PIECEカードゲーム」などの人気タイトルでも問題となっている。Yahoo! JAPAN側の対策には「利用規約等に違反する出品の削除対応」とあるので，今後は利用者の通報によって削除対応などが行われるかもしれない。いちTCGファンとしても，これをきっかけに少しでも新商品を入手しやすい環境になることを願いたい。

ポケモンの当該プレスリリース（リンク先はPDF）

ポケモンとYahoo! JAPAN
安全安心にトレーディングカードの取引を行える社会の実現を目指し相互協力の覚書を締結

　株式会社ポケモン（以下、ポケモン）とヤフー株式会社（以下、Yahoo! JAPAN）とは2023年7月20日にトレーディングカードを取り巻く市場環境が変化する中で、消費者が安全安心にトレーディングカードの取引を行える社会の実現を目指し、相互に協力をして対策を実施することについて覚書を締結しました。

　Yahoo! JAPANは、ネットオークションサービス「ヤフオク!」とフリマアプリ「PayPayフリマ」を運営しており、これまでも両サービスにおいて、独自のガイドラインを設け、規約違反の商品の削除やパトロールなどによって、売り場の安全を徹底してきました。

　今回、Yahoo! JAPANが独自で対応している取り組みにくわえて、この覚書に基づき、「ヤフオク!」および「PayPayフリマ」において、安全安心にトレーディングカードの取引ができる環境の実現を目指し、両社継続的に協議・連携のうえ対策を実施します。

■両社の主な連携・対策
●ポケモン
・Yahoo! JAPANに対して、新商品の発売情報、商品情報などの情報を提供すること
・Yahoo! JAPANに対して、ポケモンの権利を侵害する出品など「ヤフオク!」および「PayPayフリマ」の利用用規約等に違反する出品について通報すること

●Yahoo! JAPAN
・ポケモンからの情報提供に基づき、「ヤフオク!」および「PayPayフリマ」のサイト等において利用規約等の遵守を注意喚起すること
・利用規約等に違反する出品の削除対応をすること

■利用規約等に違反する出品の例
・発売日前の出品など、商品の現物を手元に確保していない出品
・権利侵害品の出品
・内容が不明瞭な複数枚のトレーディングカードの出品

　ポケモンは、本協定に基づき、Yahoo! JAPANとともに、お客さまがより安心・安全に両社の商品・サービスをご利用いただける環境の構築に努めてまいります。