ポケモンカードの転売や海賊版対策が進むか？　ポケモンとメルカリが協定を締結して情報を共有

　2023年6月13日，ポケモンとメルカリは，「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結したと発表した。
　この協定により，「ポケモンカード」に関する商品情報や発売情報を両社が事前に共有することで，特定の新商品発売後の注意喚起や，権利侵害品の対策で緊密に連携することで，両社の顧客が混乱することを回避して，安全で安心できる環境の構築を目指す，としている。

　端的に言えば，新商品となるカードを高額で，もしくは大量に転売する行為や，海賊版，ニセの出品といったことを防ぐために，ポケモンとメルカリが事前に情報共有を行って対策していきますよ，という意思表明と理解していい。

本稿執筆時点においてメルカリでオークション中の品を「ポケモンカード」で検索した様子

　もちろん，この協定締結をもって，メルカリでのポケモンカード転売や海賊版，ニセの出品といった行為がきれいさっぱりとなくなるようなことはないだろう。それでも，国内最大手のフリーマーケットサービスが公式に対応を表明したことは，ポケモンカードの入手を正常化する一歩にはなるはずで，今後はメルカリ以外との協定締結も期待したい。

ポケモンの当該プレスリリース（リンク先はPDF）

メルカリの当該プレスリリース

株式会社ポケモン（以下、ポケモン）とフリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリ（以下、メルカリ）は2023年6月13日、メルカリのマーケットプレイス上で、お客さまがより安心・安全に取引できる環境の構築を目指し、両社が共同で様々な取り組みを実施する「マーケットプレイスの共創に関する覚書」（以下、本協定）を締結いたしました。

本協定では、トレーディングカードゲーム「ポケモンカードゲーム」を展開するポケモンと二次流通事業者のメルカリが商品情報や発売情報を事前に共有し、特定の新商品発売前後の注意喚起や権利侵害品対策など緊密に連携することにより、両社のお客さまの混乱を回避し、より安全・安心に取引ができる環境の構築を目指します。

◆「マーケットプレイスの共創に関する覚書」における両社の連携内容
＜ポケモン＞

• メルカリに対する、特定の新商品発売情報や商品情報、商品画像などの提供
• Web サイト等での注意喚起の実施
• 生産の強化と、ポケモンカードを純粋に楽しまれる方に商品をお届けするための直販店舗における販売方法の工夫、問屋・小売店との協力強化

＜メルカリ＞

• ポケモンからの情報提供に基づいた「メルカリ」アプリ上や公式ブログでの特定の新商品に関する注意喚起
• ポケモンと協議の上、合意した特定の商品について、「メルカリ」の利用規約に違反する出品への削除対応の実施

ポケモンは、本協定に基づき、メルカリとともに、お客さまがより安心・安全に両社の商品・サービスをご利用いただける環境の構築に努めてまいります。