［インタビュー］Kis-My-Ft2 宮田俊哉さんが主人公，明導アキナを演じる。TVアニメ「カードファイト!! ヴァンガード Divinez」の見どころは？

　ブシロードのTVアニメシリーズ「カードファイト!! ヴァンガード」の新シリーズ「Divinez（ディヴァインズ ）」が，2024年1月13日に放送をスタートする。本作の主人公・明導（みょうどう）アキナのCVを担当するのは，Kis-My-Ft2の宮田俊哉さんだ。

Kis-My-Ft2 宮田俊哉さん

　そんな宮田さんへの合同インタビューが先日実施されたので，4Gamerも参加してきた。出演が決まったときの気持ちや，プライベートでも遊んでいる「カードファイト!! ヴァンガード 」のデッキへのこだわりなど，新シリーズへの期待が高まる貴重な話を聞いてきたので，本稿にてお届けしよう。

カードファイト!! ヴァンガード Divinez

■あらすじ
ある時、運命すら変える力を持つ6枚の運命者カードが誕生する。
その6枚のカードを持つ、選ばれし6名のファイター。
彼らを待っていたのは、お互いにファイトして最後まで勝ち残った一人が、願いを叶えられるという“運命大戦”であった。
病弱な妹を助けたい少年・明導アキナは、その願いを叶えるべく運命大戦へ参加する。
そして、強力なファイター達との戦いへ身を投じていく――。


■放送情報
・1/13前
テレビ愛知・テレ東系列6局ネットにて1月13日(土)あさ8時から放送開始！

・1/13後
テレビ愛知・テレ東系列6局ネットにて毎週土曜あさ8時から放送中！

■配信情報
Amazon Prime Video/dアニメストア/ニコニコ/YouTube「ヴァンガードチャンネル」 ほか

6人の登場人物，みんなが主人公と言えるような物語

――「カードファイト!! ヴァンガード Divinez」の主人公・明導アキナを演じることが決まったときのご心境を教えてください。

宮田俊哉さん（以下，宮田さん）：
　びっくりしましたね。「お，俺が主役!?」という驚きと，不安もありました。アニメが好きで，いろいろな作品を見てきたので，自分に主役が務まるのかな，大丈夫なのかなと思いました。

ガブエリウス（左）と明導アキナ（右）

――Snow Manの佐久間 大介さんが，TVアニメ「カードファイト!! ヴァンガード will+Dress」に廻間ミチル役として出演しています。決まった際に，何かお話をされたりしましたか。

宮田さん：
　しました！　佐久間に「こんなお話をいただいたんだよね」と話したら，佐久間が「マジっすか！　めっちゃうれしい，同じ作品だ」と純粋に喜んでくれて。いつか，ミチルとバトルしたいなと思いました（笑）。

――TVアニメ「カードファイト!! ヴァンガード」シリーズを，ご覧になったことは？

宮田さん：
　佐久間が出演していたTVアニメシリーズを見ていましたね。あと，10年近く前になりますが，舞台「カードファイト!! ヴァンガード」を観に行ったことがあります。2.5次元舞台の人気が出始めたころで，どんな感じなのか気になってプライベートで観に行ったんです。

――佐久間さんとは，「カードファイト!! ヴァンガード」で対戦したことはあるんですか。

宮田さん：
　佐久間とはまだないので，いつか対戦してみたいです。今回のシリーズから新しい要素が増えて，より楽しめるように，より強くなっていくようなルールになっています。だから，ミチルのデッキに負ける気がしないです，分からないけど（笑）。

――演じられているアキナに共感できるポイントはどこでしょう。

宮田さん：
　僕は「カードファイト!! ヴァンガード」を含めてカードゲームをよく遊ぶんですが，プレイスタイルが似ています。僕は最後の1枚に（勝負を）かけるのがすごく好きで，アキナも奇跡を信じてカードをめくるところがあって，自分と近いなと感じました。

――アキナの推しポイントを教えてください。

宮田さん：
　顔がカッコイイことです！　あとは家族想い，友達想いで，本当に優しいなと思います。その優しいところと，勝負では一か八かのギャンブルができる強さが推しポイントです。


――本作の物語の面白いところは，どこだと感じていますか。

宮田さん：
　毎話，台本をいただくたびにワクワクしながら読んでいます。勝った人の願いが叶う，“運命大戦”というのが面白いですよね。選ばれた6人の登場人物たちには願いがあって，どんな願いで，どれくらいの想いで“運命大戦”に臨んでいるのかとか……。主人公はアキナですが，それぞれが何かのために“運命大戦”に出ているので，全員が主人公って気持ちです。いろいろな人の視点で，物語を見られる面白さもあると思います。

――応援しているキャラクターはいますか。

宮田さん：
　アキナと，妹のヒカリちゃんですね。兄妹の幸せを願っていますが，どうなっていくんだろう。でも員弁ナオ先輩にも願いがありますし，みんな良いですよね。伊勢木マサノリ（「overDress」から登場）には，どんな願いがあるのか……。清蔵タイゾウ（「will＋Dress」シリーズから登場。御曹司にして，若社長）は，もう（願わなくったって）いいだろうと思ってしまいますが（笑）。それぞれの願いが，これから出てくるんでしょうね。

明導ヒカリ

員弁ナオ

呼続スオウ

西塔ミコト

清蔵タイゾウ

伊勢木マサノリ

大倉メグミ

声のお芝居もできるアイドルになりたい。
リスペクトしているから感じる声優の楽しさや大変さ

――収録でこだわっている部分はどこですか。

宮田さん：
　ファイトシーンは，迫力を出す意識をみんな共有していて，こだわっているポイントだと思います。そこと，日常パートの差は全体としてこだわっているかもしれません。


――音響監督から，こんな風にしてほしいというオーダーは？

宮田さん：
　アドバイスをもらい，「こういうときはどうしたらいいですか」と聞きながら，みんなで作っている感じです。例えば，日常会話をしているところからモノローグに入る場合，しゃべっているトーンと，モノローグは変えたほうがいいなど，教わりながら演じています。

――アキナは高校生ですが，フレッシュさなどは意識しているのでしょうか。

宮田さん：
　あまり作りすぎず，自分の声がいいのかなと思っています。若さを意識するよりも，気持ちを優先したほうがそう聞こえるのかなと。
　声優に初挑戦したときに，浪川大輔さんに「いろいろな年齢を演じるとき，若いから声を高くしようとするより，若いときはどんなふうに話すか，反応するかが重要なんだと思う」と教えていただいて，そうだなと思いました。師匠の教えを守ってやっています（笑）。

――アキナの感情は，スムーズに表現できている感じですか。

宮田さん：
　どうなんだろう。事前に準備はしていますが自分のなかに余白があって，解釈にとどめているというか。自分が思った演技をテストでやって，音響監督の意見を聞いて仕上げていっています。そこからどれだけの早さで直せるのかが声優さんのすごさだと感じていて，僕自身ももっと柔軟になれるようになりたいと思うポイントです。

――アキナは，感情のふり幅もあるのでしょうか。

宮田さん：
　まだ途中の段階ですが，今のお芝居よりももっと大きくなっていくんだろうなと思います。とくに妹を思ってという場面では，感情が動きそうです。


――収録前のルーティンはありますか。

宮田さん：
　2時間くらい前には起きて，声出しをしてから行きますね。呼吸を深くすることも意識していて，ボイストレーニングをしたときに覚えた，息を吹いていられる時間を伸ばすトレーニングをやっています。

――もともとマルチに活躍されていますが，声優という職業の楽しさ，難しさを教えてください。

宮田さん：
　何かを演じることが好きなので，本当に楽しいです。難しさはアフレコブースでお芝居をする時間と，その前の準備。事前に映像を見てこの表情だからこんな気持ちなのかなと想像したり，ここで顔が動いたから音をつけたほうがいいのかなと考えたり，準備の時間がかかって大変だなと思っています。

――ちなみに収録は，ほかのキャストと一緒ですか。それとも1人ですか。

宮田さん：
　スケジュールによって違いますが，みんなで演じることもありますし，ファイトシーンは対戦相手と2人で演じることもあります。

――掛け合いをすることでお芝居の変化や，熱が入っていると感じた瞬間もありましたか。

宮田さん：
　ありますね。掛け合いはセリフを言ったら，相手が受けてくれて成り立ちます。その気持ちの積み重ね方が，違うのかなと思います。


――ガブエリウス役として，声優の福山 潤さんも出演しています。福山さんの印象を教えてください。

宮田さん：
　福山さんはすごくて，お芝居をするのが楽しかったです。僕は台本を読むとき，理解が深まる気がするので自分のセリフだけじゃなく，相手のセリフも読んだりするんです。福山さんは自分じゃ思いつかないようなアプローチの芝居を見せてくださって，ぬいぐるみだからこそできる表現もあってさすがだなと感じました。

――福山さんが，とくにすごいと感じた場面は？

宮田さん：
　第1話を見てほしいです。Aパートの最後にアキナの手が出てしまう瞬間があるのですが，その後の受け方が天才的！　演技していて，笑いそうになってしまいました。ぜひ，見てほしいです。


――アフレコ現場で，お話をすることはありますか。

宮田さん：
　はい，お話ししました。福山さんや福島 潤さん，陽気なお兄さんたちがたくさんいるので，和気あいあいと楽しくやっています。

――声優として経験を積まれて，コツがつかめてきたなと感じることはありますか。

宮田さん：
　ボールドに追われなくなりました。セリフを言うとき，画面に名前が出ることをボールドというんですが，それが出ている間にセリフを収めなければいけないんです。あれ，本当に追われるんですよ！　やべえ，やべえ，みたいな（笑）。気持ちをこめると長くなったり，バッと話して短くなってしまったりということもたくさんあります。ズレたということは，（自分の芝居が）意図と違ったのかなと思いながらやっています。

　自分はアキナ役ではありますが，担当しているのは声だけです。表情や動きは，別の方が作ってくださっていて，みんなでアキナを作り上げています。別の方が作ったアキナの動きと，自分の声（話す間隔）が合っていないと，ちゃんとハマって完成しないんですよね。

――普段のお芝居と違いを感じることは。

宮田さん：
　アニメ特有の表現や，お芝居のルールのようなものがあって，面白いなと思います。これも浪川さんに教わった話ですが，勇者一行がラスボスの前に到着したときにボスが「よく来たな」というシーン，現実的に考えれば勇者は「え，何？」と聞き返す距離ですが，アニメだと成立するのが面白い。また，先ほど話したようにアニメでは声だけですが，ドラマや映画では全身で役を演じ，自分の間でセリフを言えるという差もあります。でも演じるという部分では，同じかなと思っています。

――さまざまな活動をされていますが，宮田さんの中で，声優はどのような位置づけにありますか。

宮田さん：
　自分のなかでずっと変わっていないのは，本業はアイドルで，ライブに出て，歌ってダンスをすることです。アイドルは何でもやらなければいけない，そのなかでお芝居をする方もいますし，モデルの方もいます。自分は，声のお芝居ができるアイドルになりたいなと思っています。自分は，アイドルが好きなので。

――もともとアニメをよく観るそうですが，声の仕事をするようになって，楽しむ感覚に変化はでましたか。

宮田さん：
　お仕事になったとたんに，楽しめなくなっちゃったという方もいますよね。僕は，より好きになりました。いろいろな方が関わっていて，魂を込めて作っているのか，最高だな！　みたいな（笑）。それでTVアニメを1話切りするのが申し訳なくなり，いろいろなアニメをより知ることができています。

「カードファイト!! ヴァンガード」を遊んで
推しと同じデッキを組んでほしい！

――宮田さんご自身は，プライベートでよく「カードファイト!! ヴァンガード」を遊んでいるのでしょうか。

宮田さん：
　めっちゃ遊んでいます。アフレコの現場でもみんなでやろうよと話して，呼続スオウ役の川島零士くん，タイゾウ役の真野拓実くん，マサノリ役の森嶋秀太さんと「カードファイト!! ヴァンガード」をやる会を開きました。真野君が強かったのと，YouTubeのヴァンガードチャンネルのナックさんもいたんですが最強でした。あとマネージャーさんとも遊んでいて，「僕が勝ったら主人公交代で」なんて，とんでもないことを言われながらバトルしています（笑）。マネージャーさんとは空港でも横並びで勝負することもあるのですが，ラウンジでファイトしている人なんて，あんまり見ないですよね（笑）。

――今使っているデッキは，最強のものなんですか。

宮田さん：
　違うんですよ。自分の好きなデッキと，強いデッキが別なんですよね。僕はこれが好きで使う，これで勝ちたいというタイプで，今はミネルヴァを使っています。かわいいんです。でも，MyGO!!!!! が強すぎて勝てないんですよね。

――ご自身が楽しんでいる経験が，収録に生かされているなと感じたことは。

宮田さん：
　どうなったら強いというのが，分かっているのは大きいと思います。「1枚ドロー（カードをめくる）」のセリフも，遊んでいる人といない人では，どれだけ重要か感じ方が違うと思うので，そこも経験が生きていると思います。

――これから「カードファイト!! ヴァンガード」に興味を持つ方もいると思います。何かアドバイスをお願いします。

宮田さん：
　これはね，ぜひ，やっていただきたいですね！（笑）
　僕はいろいろなカードゲームを遊ぶんですが，（勝敗が決まる）だいたい2ターン前くらいに「これは勝てないな」と思うんですよ。でも「カードファイト!! ヴァンガード」は，カードをめくるまで勝てる可能性があるんです！　そこが，本当に面白いポイント。あと推しを見つけて，推しと同じデッキを組むのも楽しいと思います。トライアルデッキも出ますからね。

――本作のキャッチコピーは，誰にも変えたい運命がある。宮田さんが変えたい運命や，過去はありますか。

宮田さん：
　あんまり，変えたくないなと思っています。僕のなかでいろいろな夢があって，そこに到達するまでにどれだけ時間がかかったとしても，それまで出会った人や経験したことは大事なことだと思うので。あのとき，こうだったから変えたいなとは思わないですね。

――最後に，アキナとして今後ファイトしたい人を教えてください。

宮田さん：
　ミチルかな。あと近導ユウユ（「overDress」主人公）。1年後の同じ町が舞台なので，ユウユもいるはずです。うちのデッキには新しい要素が入っているので……（笑）。でもユウユも強いんですよね。シリーズを越えた対戦も，できるのかなと思っています。大倉メグミさんや，タイゾウ，マサノリと前作シリーズから登場しているキャラもいるので，そことつながっていったらありえるのかなと思います。

「overDress」主人公，近導ユウユ（画像はwill+Dressより）

――ありがとうございました。

「カードファイト!! ヴァンガード」公式ポータルサイト