ここ数年の東京ゲームショウに巨大なブースを出展し,強烈な存在感を放っているグリー。今年はグループ会社であるポケラボとの共同出展という形態を取り,ブースには歴代の人気作に加えて,
新たな注目作が出展された。
本稿ではそれらのプレイレポートをお届けする。
まずはポケラボのタイトルから紹介していこう。ポケラボはこれが初の東京ゲームショウへの出展で,ブースには
「魔界学園カタストロフィ」(
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「SWORD OF PHANTASIA」(
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その中でも筆者がとくに気になったのは,9月末に配信開始予定となっている最新作
「DEVIL MAKER TOKYO」(
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戦闘は基本的にオートで進行するため,操作が非常に楽で,魅力的なキャラクターが織りなすストーリーに集中できる。バトルに出したカード次第でストーリー展開が変わるという,ドラマティックな仕様にも注目だ。
グリーは近年,海外市場に進出したり,海外メーカーとの共同開発を進めたりといった動きを見せていたが,今回出展された「
ファンタジーロア」は,そんな流れの中から生まれてきたと思われる作品の1つ。台湾のメーカーXPECと共同での開発が進められている本作は,3Dグラフィックスのキャラクターが派手なアクションで画面狭しと戦うという,カードデッキのシステムを採用しながらも,アクション要素が強いRPGだ。
アクションといっても難しい操作はなく,カードデッキのカードをタイミングよくタップしていくだけで敵が吹き飛び,その敵をさらに追撃していくという,爽快な連撃が楽しめる。デッキに残っているカードは敵の反撃に対する盾にもなるため,カードを攻防にどう割り振るかの駆け引きも楽しめる作品だ。
「伝説のオウガバトル」などの作品でおなじみの作曲家,崎元 仁氏が提供する音楽にも,ぜひ聞き入ってもらいたい。
そして,東京ゲームショウ2013におけるグリーの出展タイトルの中で最も注目すべきなのが,現在オープンβテスト中のソーシャルカードRPG「
サーガ・オブ・ファンタズマ」だろう。
「
すばらしきこのせかい」や「
DISSIDIA FINAL FANTASY」を手がけた
荒川 健氏,
「フロントミッション」「ファイナルファンタジー」シリーズの開発に携わった
土田敏郎氏,そしてゲームミュージックにおける巨匠とも言うべき存在である
植松伸夫氏と,錚々(そうそう)たる面々で開発されている期待作だ。
本作では,ゲーム中に武器である剣と銃の持ち替えが可能で,戦闘に持ち込んだ各種カードの性質がその武器によって変化するというシステムになっている。カードデッキに2つの側面を持たせ,敵に合わせていつでも使い分けることができるのが実に面白い。そこにスマートフォン向けタイトルとしてはかなりの美しさを誇るグラフィックが華を添えているので,ぜひ体験してみてほしいタイトルだ。
なお,本作には,一般的なソーシャルRPGでよく見られる,エリアを進んでいくモードに加えてストーリーモードが用意されているが,すべてのストーリークエストがプレイできるβ版「シナリオ完全版」が正式サービス開始前に配信されることが,東京ゲームショウに合わせて発表されている。
一般公開日に会場を訪れる予定のある人は,コンシューマ機向けタイトルとは違った方向から時代を先取りしようとするグリーとポケラボの意欲を,ぜひ感じとっていただきたい。