
インタビュー
[インタビュー]「ハースストーン」,最新セット「夢みる大地エメラルド・ドリーム」はドルイドが主役。開発チームにコンセプトを聞いた
「ハースストーン」,最新拡張版「夢みる大地エメラルド・ドリーム」を3月26日にリリース。新キーワード「鼓舞」「悪夢の恵み」が登場

Blizzard Entertainmentは本日,デジタルカードゲーム「ハースストーン」の最新拡張版「夢みる大地エメラルド・ドリーム」を3月26日にリリースすると発表した。本拡張版は,イセラが治める自然と魔法の源泉地「エメラルド・ドリーム」が舞台だ。新キーワード「鼓舞」「悪夢の恵み」が登場する。
本日(3月14日),リードデザイナーのCora Georgiou氏と,シニアゲームデザイナーのAleco Pors氏を対象にしたメディア合同インタビューが行われたので,その模様をお届けしよう。
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ドルイドが主役の最新セット。善のエメラルド・ドリームと,悪のエメラルド・ナイトメアが戦う
――まずは,お二人のプロフィールを教えてください。
Cora Georgiou氏(以下,Georgiou氏):
拡張セットの初期デザインを担当しているCora Georgiouです。ハースストーンチームに入ってから5年以上が経ちました。
Aleco Pors氏(以下,Pors氏):
Aleco Porsです。今回は主に最終デザインを担当しました。Coraのチームがデザインしたものを,洗練するのが私のチームの役割です。ハースストーンチームでは3年以上働いています。
――「夢みる大地エメラルド・ドリーム」はどのようなストーリーですか。
Georgiou氏:
エメラルド・ドリームはアゼロスの一部で,多くのドルイドがいて,イセラが管理する場所です。エメラルド・ナイトメアという邪悪な領域も存在します。エメラルド・ドリームの善の勢力が,エメラルド・ナイトメアの悪の勢力に立ち向かうストーリーとなっています。
開発チームにとって,エメラルド・ドリームはずっとやりたかったテーマです。拡張セットのアイデア出しで,いつも候補に挙がっていました。
イセラとエメラルド・ドリームの関係は以前から知られていましたが,「World of Warcraft」のパッチ10.2(2023年11月リリース)でそれらをより深く掘り下げるコンテンツが登場し,ハースストーンでの実装につながりました。
――新キーワードの「鼓舞」を紹介してください。
Georgiou氏:
このセットを作る際,エメラルド・ドリームとエメラルド・ナイトメアのストーリーをメカニクスに落とし込むことが重要でした。
「鼓舞」は,ドルイドをはじめとする善の勢力に関連するキーワードです。成長,自然といったドルイドらしい要素をイメージして設計しました。ヒーローパワーが時間をかけて成長していきます。
――新キーワード「悪夢の恵み」についてもお願いします。
Pors氏:
反対に,「悪夢の恵み」は悪の勢力を表現しています。
メカニクスの観点では,カードを発見する素晴らしい瞬間,難しく興味深い選択をプレイヤーに体験させることを目指しました。ミニオンと効果の両方について,3つのユニークな選択肢を提示し,「発見」の楽しさをさらに引き出しています。
――善の勢力と悪の勢力はどうやって分けましたか。
Georgiou氏:
これは楽しいプロセスでした。所属が明らかなクラスから決め,その後は満足できるまでチームで話し合いました。
まず,ドルイドはエメラルド・ドリーム側ですし,パラディンやプリーストのような聖なる光に関連するクラスも善の勢力でしょう。ハンターやシャーマンは自然と関連しています。
一方,ウォーロックとデスナイトは悪の勢力として配置することが多いです。ウォリアーとデーモンハンターも攻撃的なイメージがあります。
――プリーストは悪者じゃないんですか。
Georgiou氏:
プリーストには「影なる姿」というアイデンティティがあるので,初期段階では検討しました。過去の「影刈アンドゥイン」のようなダメージを与えるヒーローパワーも考えましたが,時間とともに成長する「鼓舞」との組み合わせは強すぎました。そこで,今回のセットではホーリープリーストに焦点を当てました。
――開発中に心がけたことはありますか。
Pors氏:
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ドルイドの「鼓舞」を開発する際は,「ドルイドの鼓舞を最も鼓舞らしくする」ことを意識しました。そして,「ハムウル・ルーントーテム」が生まれました。
「鼓舞」で「植物のゴーレム」を召喚するスタイルは,過去の「翡翠のゴーレム」に少し似ているかもしれません。ドルイド特有のメカニクスだと考えています。
――ドルイドがアイデンティティを失ったことはどう捉えていますか。
Georgiou氏:
ドルイドのアイデンティティを取り入れる際は,それぞれのクラスに適した方法で行うことを意識しました。
例えば,ハンターの「選択」カードは「直接ダメージ」と「獣トークン」の選択です。ウォーロックはマナ加速ができますが,最初に自分のマナクリスタルを破壊しなければなりません。
結局のところ,ドルイドは最もマナ加速が得意なヒーローで,最も頻繁に「選択」カードを使用します。そうしたアイデンティティは保っていきたいと考えています。
――お二人のお気に入りのカードを教えてください。
Pors氏:
この質問は大好きです。ほかのインタビューですでに2回答えていますが,まだまだ紹介したいカードがあります。
1回目は「悪夢の恵み」が好きなので「洞割れのワロウ」,2回目はユニークで楽しい「クオンズ」を選びました。
今回は「母ガモ」を選びたいと思います。とてもシンプルなコモンカードで,彼女が登場すると「子ガモ」を生み出します。闘技場でいいカードになると予想していますが,最も重要なのはカモがかわいいことです!
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Georgiou氏:
私は以前,デスナイトのドラゴン「ナイセンドラ」を挙げました。「World of Warcraft」におけるレイドボス戦を,「ハースストーン」で再現できたことを気に入っています。
今回は,中立のレジェンド呪文「シャラドラシル」を紹介します。全5枚の「夢カード」を獲得でき,条件を満たせばそれらが強化されます。
新イセラは「夢カード」の効果を持っていませんが,これらはエメラルド・ドリームに欠かせない要素なので,こうして実装できて嬉しいです。
アート面では,シャラドラシルから手に入る「穢れし悪夢」が今回のセットで一番好きなので,プレイすることが楽しみです。
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――各クラスに登場する野生の神とは何ですか。
Georgiou氏:
野生の神は,基本的に自然魔法のさまざまな領域における神々です。マローンやセナリウスは過去に登場しましたが,ほかにも魅力的なキャラクターがたくさんいるので,今回のセットで重点的に扱うことにしました。
すべて高コストのレジェンドミニオンとしたので,効果を非常に強力なものにしました。考えるのが楽しかったです。
――今回のセットは「ラプター年」の第1弾です。どんな年にしていきたいですか。
Pors氏:
「ラプター年」は原点回帰に取り組みます。テーマの観点では,ルーツである「Warcraft」シリーズに忠実な年となります。今年の拡張セットすべてに,その姿勢が反映されます。
ゲームプレイの観点では,ボードの重要性を高めようと考えています。数年前と同じ水準で,効率のいいトレードを重視するつもりです。少しずつ築いたボードアドバンテージが,たった1枚のカードで覆されることがないようにします。
――コアセットのアップデートも方針は同じですか。
Pors氏:
こうした目標を念頭に置いていますが,コアセットを使って実現するわけではありません。コアセットのカードが最も目立つカードになることを望んではいません。新しい拡張セットを通じて,テーマ的にもメカニクス的にも,目標を達成するつもりです。
――「エルーンに選ばれしアヴィアナ」のテキストはユニークです。分かりやすさとのバランスをどう考えていますか。
Georgiou氏:
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「エルーンに選ばれしアヴィアナ」の場合,彼女が正確に何をするのかは読み取れませんが,3ターン何かが起こり,それが終わると自分のカードが1コストになることが分かります。
アヴィアナは,過去に何度も登場したキャラクターで,象徴的な野生の神なので,このような表現を用いました。セット全体で,それほど多く使うことはありません。
――最後に,日本コミュニティに向けて一言お願いします。
Georgiou氏:
長年作りたかったエメラルド・ドリームのセットを実現できて嬉しいです。皆さんに遊んでもらえることを楽しみにしています。
今日のセオリークラフト(外部リンク)で日本コミュニティからのフィードバックを見るのが待ちきれません!
Pors氏:
アリガトウゴザイマス!(日本語で)
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- 編集部:Akasaka

(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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