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  • NVIDIA
  • 発表日:2013/02/19
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「NVIDIA TITAN X」の仕様における謎が明らかに。SM 2基分のCUDA Coreを無効化し,8bit整数演算は新命令で実現
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印刷2016/07/26 15:16

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「NVIDIA TITAN X」の仕様における謎が明らかに。SM 2基分のCUDA Coreを無効化し,8bit整数演算は新命令で実現

TITAN Xのイメージ。北米および欧州の居住者は,NVIDIA.comから現地時間8月2日以降に購入可能となるが,日本を含むアジア市場での発売時期は依然として明らかになっていない
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 去る2016年7月22日,NVIDIAはやや唐突に,Pascalアーキテクチャを採用する新型グラフィックスカード「NVIDIA TITAN X」(以下,TITAN X)を発表した。
 米サンフランシスコで開催となったAI関連のイベントに合わせ,公式Blogで発表するという,異例のスタイルで登場したTITAN Xだが,それだけに謎はいくつもあった。なかでも最大のものは,TITAN XのGPUコア「GP102」の仕様そのものだ。

 それだけに世界中の報道関係者からNVIDIAには大量の質問が寄せられたようで,今回同社は,アジア太平洋地域の報道関係者が対象――おそらく別の日時でほかの地域に対しても同じようにしているのだろう――の電話会議を実施し,GeForce製品のシニアプロダクトマネージャーであるJustin Walker(ジャスティン・ウォーカー)氏が直接,質問に回答した。そこに4Gamerも参加することができたので,TITAN Xの続報として,今回はその内容をレポートしたい。


TITAN XのGPCは6基

2基のSMを無効化したGPU


 早速だが,TITAN X最大の謎から話を始めよう。
 TITAN Xの搭載するGP102コアは,3584基のCUDA Coreを集積していることが明らかになっている。だがこの数は,同じPascalアーキテクチャのGPUである「GeForce GTX 1080」(以下,GTX 1080)の「GP104」コアに比べると,中途半端な数字だ。

TITAN Xと,Maxwell世代の「GeForce GTX TITAN X」のスペックを比較したスライド。TITAN XのCUDA Core数は3584基となっている
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 GP104コアの場合,“ミニGPU”的に機能する「Graphics Processing Cluster」(以下,GPC)を4基搭載しており,各GPCは,128基のCUDA Coreを集積した演算ユニット「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)を5基組み合わせた構成となっていた。つまり,GPCあたりのCUDA Core数は128基×5=640基となり,GP104コアのCUDA Core総数は,640で割り切れる2560基となるわけだ。
 ところがTITAN Xの3584基は,640では割り切れない。そのため筆者は,GP102コアは6基のGPCで3840基のCUDA Coreを搭載しているが,歩留まり率向上のため,SM合計2基を無効化したデザインになっているのかもしれないと推測していた(関連記事)。

GP102コアのフルスペック版GPUを搭載するQuadro P6000
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 で,この答え合わせだが,Walker氏は4Gamerの質問に対し,「GP102は6基のGPCを備えている」と,明快に答えている。推測したとおり,GP102コアは6×640=3840基のCUDA Coreを持つが,2基分のSMを無効化していることがはっきりしたわけだ。
 ちなみにNVIDIAは,この回答に前後する北米時間2016年7月25日付けで,GP102コアで3840基のCUDA Coreを集積するGPU「Quadro P6000」を発表している。つまり,GP102コアのフルスペック版が存在することも明らかになったのである。


8bit整数演算はGP102コアで実装した新命令セットを使用


 続いて,TITAN Xにおいて44 TOPSというスペックがアピールされている8bit整数演算命令だが,この命令セットは「GP104ではサポートされていない,TITAN Xだけの新しい命令セットである」とのことだった。
 TITAN Xは数値演算アクセラレータとして,ディープラーニング(深層学習)研究者をはじめとするさまざまな分野の研究者もユーザーとして想定しているため,GP102だけに実装したという。
 「TITAN Xだけ」とWalker氏は述べていたので,言葉どおりに受け取るなら,数値演算アクセラレータ「Tesla P100」シリーズに搭載されている「GP100」コアもサポートしていない命令セットであるようだ。

 また,TITAN Xの製品名に,「GeForce」というブランド名が付いていない理由も,そこにあるという。Walker氏によると,TITAN Xは最高性能を求めるゲーマーに加え,ディープラーニング研究者やコンテンツクリエイターも利用できる汎用のグラフィックスカードなので,ゲーマー向けのブランド名をあえて外したそうである。

 ただ,ディープラーニング研究者も対象ユーザーであるといっても,GP100コアとは異なり,64bit倍精度浮動小数点演算や16bit半精度の浮動小数点演算用となる「ハイスピードモード」はサポートしていない。
 GP102コアは,32bit単精度浮動小数点演算および8bit整数演算はフルスピードだが,64bit倍精度浮動小数点や16bit半精度浮動小数点の演算はGP104コアと変わらないハーフスピードとのことだった。

 最後にTITAN XのSLI構成だが,これは先行する「GeForce GTX 1080」「GeForce GTX 1070」と同じく,基本的には2-wayまでのサポートとなる(関連記事)。ただし,これもGeForce GTX 1080&1070と同じだが,NVIDIAのサイトから申請することで得られるキー「Enthusiast Key」を利用すれば,ベンチマークテスト用に3/4-wayの構成も可能になるとのことだった。この点はPascal世代のGeForce(とあえて書くが)に共通する仕様と理解しておけばいいだろう。

 以上,現地時間8月2日に北米&欧州市場に向けて発売となるTITAN Xの続報をお伝えした。
 気になるのは日本でいつ手に入るかだが,それに関するアップデートはなく,「(アジア太平洋地域では)地域ごとに発表となる」というステータスのままだった。こちらは詳細が明らかになり次第,あらためてお伝えしたい。

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NVIDIA TITAN X製品情報ページ(英語)

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