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セガの新作アーケードTCG「CODE OF JOKER」ロケテストレポート。謎に包まれたゲーム内容について西山プロデューサーに聞いてみた
ティザーサイトが先日オープンとなり,「ネットワークデジタルカードゲーム」というジャンルこそ判明しているものの,肝心のゲーム内容についてはほぼ伏せられた状態だったため,本作がいったいどんなタイトルなのか,気になっている人も少なくないはずだ。
そこで4Gamerでは「クラブセガ秋葉原新館」で開催されているロケテストにお邪魔し,本作の総合プロデューサー・西山泰弘氏に話を聞いてみた。「CODE OF JOKER」とはいったいどんなゲームなのか,ロケテストの風景と共に,お伝えしていこう。
「CODE OF JOKER」ティザーサイト
リアルカード不要の対戦型デジタルTCG「CODE OF JOKER」
2月1日の「クラブセガ秋葉原新館」の開店と同時にスタートしたロケテストは,筆者が会場に駆けつけた18:00頃には,噂の新作を体験するべく,すでに大勢のプレイヤー達が列を作っていた。また店内にはゲーム画面を映し出したモニターも用意され,そこでゲーム内容を熱心に眺めている人も少なくなかった。
冒頭でも触れたとおり,本作は「ネットワークデジタルカードゲーム」というジャンル表記となっているが,「1vs.1で戦うネットワーク対戦型デジタルTCG」と表現したほうが分かりやすいだろう。
アーケード用のカードゲームといえば,同じくセガの三国志大戦シリーズなどが有名だが,それらと大きく違うのは,リアルのカードを用いない点。RTS的な要素を含んだそれらのタイトルとは異なり,完全ターン制の,いわばTCGの元祖である「マジック:ザ・ギャザリング」のような思考型ゲームになっているのが特徴といえる。
さてTCGといえば,集めたカードの中から戦術に合わせたデッキを構築して戦うゲームなわけだが,リアルカードを用いない本作においても,その楽しみはもちろん引き継がれている。今回のロケテストでは,2種類のスターターデッキが用意されていて,それを使った対戦が楽しめたのだが,それらのデッキの情報は,同社のアーケード用カードサービス「Aime」に保存される。
新しいカードは,対戦をとおして獲得したり,また本作のターミナルなどで直接購入することもできる。これらをターミナルや,またAimeと紐づけられた携帯電話やPCから閲覧して,デッキを構築していく。
「CODE OF JOKER」ターミナル。ゲームを開始するにあたっては,まずこのターミナルで登録をすませる必要がある。またキャラクターの選択やカード購入も可能で,プレイヤー間のカードトレードもここで行えるという |
ゲームの操作は,画面上のカードをタッチパネルで操作して行う方式。タッチパネル以外のボタンなどはなく,画面上で操作がすべて完結する形だ |
もう一つ,本作の大きな特徴と呼べるものに,キャラクターごとに用意された特殊能力「ジョーカーシステム」がある。ジョーカーとは,いわゆる逆転要素を秘めたスペシャルカードのことで,これを使用するためには,相手の攻撃を受けるなどで上昇するジョーカーゲージをためる必要がある。
例えば,緋神 仁のジョーカーである「The Death」は,フィールドの相手ユニットすべてに1500ダメージを与えるという強力なもので,戦況を一気に覆せる可能性がある。ロケテストで使えたキャラクターは2キャラのみだったが,製品版ではもっと増える予定とのことなので,こちらも楽しみにしておこう。
総合プロデューサー・西山泰弘氏 ミニインタビュー
ここまでゲームの内容をざっくりと説明をしてきたが,「CODE OF JOKER」の全貌を知るには,まだまだ遠い。そこで,ロケテスト会場に来ていた本作の総合プロデューサー・西山泰弘氏に,短時間ながらインタビューができたので以下に掲載しよう。本作が気になっている人は,ぜひチェックしてみてほしい。
4Gamer:
いよいよ初お披露目となった「CODE OF JOKER」ですが,まだまだ表に出ている情報が少なくて,内容が気になっている人も多いのではないかと思います。本作は,いったいどんなコンセプトのゲームなのでしょうか?
「CODE OF JOKER」は,いわゆるTCGを題材としたタイトルなんです。アナログのTCGであるマジック:ザ・ギャザリングや「遊戯王カードゲーム」などを遊んでいた人や,TCGに興味があるけどプレイしたことがないという人が,ゲームセンターで簡単に対戦ができることを目指して制作しています。
4Gamer:
「三国志大戦」などのゲームでは,いわゆるRTS的な要素が盛り込まれていましたが,本作ではオーソドックスなターン制を採用していますね。
西山氏:
セガには「バーチャファイター」や「三国志大戦」といった,アクション寄りのイメージがあるかもしれませんが,実は「Answer×Answer」や「MJ5」のように,じっくり考えながら遊ぶゲームもあります。そういうゲームも必要だと考えたので,ターン制を採用しました。そういう意味で,TCG的な遊びというのは,今の時代に合っているのかな,と思います。
4Gamer:
なるほど。ちなみに1プレイの所要時間はどれくらいなんですか?
西山氏:
今のところは7〜8分くらいを予定しています。ただ,今回のロケテストなどで,プレイヤーの皆さんからご意見をいただいたうえで変更する可能性もあるんです。例えば,初心者なら緩めの時間設定でもいいでしょうし,やり込んでいる方にはスピーディな展開のほうが面白いかもしれない。検討の幅は,いろいろあると思います。
4Gamer:
今回のロケテストのバージョンは,開発度でいうと何%くらいなんでしょうか。
西山氏:
ビデオゲーム的にいえば70〜80%は完成しているんですが,カードゲームってカードが魂じゃないですか。その部分の調整がまだ詰められていないので,TCGとしては,まだ30〜40%くらいですね。
4Gamer:
プレイヤーからの意見をどんどん盛り込んでいくと?
西山氏:
はい。いただいた意見をどんどん取り入れて,もっと精度の高いものを目指していく予定です。
4Gamer:
なるほど。ということは,稼働にはもう少し時間がかかりそうですね。実際に遊べるようになるのは,いつ頃なのでしょうか。
西山氏:
稼働は2013年夏頃を予定しています。
4Gamer:
おお,意外と早いですね。楽しみにしておきます。ところでTCGといえば,プレイヤー間のトレード要素が気になるんですが,ここはどうなっているんでしょうか。例えばネット上でトレードができたりとか?
西山氏:
将来的にはそれも視野に入れてはいますが,まず第1弾としては,ゲームセンターに来ていただいてカードの購入やトレードを行っていただく形で考えています。TCGって,情報量がすごく多いので,そのやり取りが重要じゃないですか。
4Gamer:
確かに。
西山氏:
そういうやり取りを,オープンな場所――同じ目的の同士が集まるゲームセンターで行ってもらって,地域のアーケードを活性化していきたいという狙いがあるんです。
4Gamer:
ゲームセンターでこそなコミュニティを作り上げていきたいと。
西山氏:
そうですね。やっぱりゲームセンターって,人が集まってなんぼじゃないですか。ターミナルを通して直接トレードすることで,コミュニティが自然に生まれていく。そういうタイトルを目指したいと思っています。
4Gamer:
分かりました。では最後に,4Gamerの読者に向けて,本作のアピールなどをお願いできればと。とくに,ここに注目とかあれば,教えてください。
西山氏:
そうですね……本作はやっぱりアーケードゲームですので,アーケードゲームならではのインタフェースに注目してほしいです。カードの入れ替えが簡単にできるところとか,カードゲームを遊ぶ環境としては,かなり遊びやすくなってます。
それからキャラクターや,とくに「ジョーカーシステム」など,演出の部分はかなり頑張って作っているのでお楽しみに。ロケテストVer.ではその点まだまだ未完成ですが,プレイヤーが遊んでいて気持ちよくなれるものを目指していますので。
4Gamer:
はい,稼動を楽しみにさせていただきます。本日はありがとうございました。
アナログTCGの濃密な戦略性と,アーケードゲームならではのインタフェース,そして派手な演出が組み合わさった「CODE OF JOKER」。とくに自分の出したカード達が動き,そして戦う姿は,アナログTCGのファンにとっても,夢のような光景といっていいだろう。アーケードにカードゲームブームを巻き起こしたWCCFシリーズのセガが生み出す,次世代のアーケードTCGに期待しよう。
なお「CODE OF JOKER」のロケテストは,2月3日まで行われているほか,2月15日と16日に千葉の幕張メッセにて開催されるアーケードゲームの祭典「JAEPO」にも出展が予定されている。興味のある人は,ぜひ会場まで足を運んでみよう。
「CODE OF JOKER」ティザーサイト
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コード・オブ・ジョーカーS
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