［GDC 2017］「Path of Exile」や「Cities： Skylines」などがプレイアブル展示されたMicrosoftのイベント「ID@Xbox Showcase」をレポート

　現在，サンフランシスコで開催中のゲーム開発者会議，Game Developers Conference 2017に合わせて，Microsoftが「ID@Xbox Showcase」を実施している。これは，Microsoftの独立系ゲーム開発者支援プログラム，ID@Xboxの関連作品を関係者やメディアに紹介するというもので，GDC 2017会場のMoscone Centerから徒歩15分ほどのところにあるロフトには，PCやXbox Oneの試遊台が並び，約20タイトルがプレイアブル展示されていた。
　というわけで，会場を訪れてみたので，出展されていた作品を簡単に紹介したい。

GDC 2017記事一覧

Path of Exile

　日本でもかなりの人がプレイしているという基本プレイ無料のアクションRPG，「Path of Exile」（PC / Xbox One）。Xbox One版の開発を進めているというニュースは，2017年1月19日にお伝えしたが，そのプレイアブルバージョンが出展されていた。

Grinding Gear Managing DirectorのGamesChris Wilson氏

　開発はニュージーランドに本拠を置くGrinding Gear Gamesで，同社でManaging Directorを務めるChris Wilson氏がいたので話を聞いたところ，発売は6月が予定されているとのことだ。意外と近いかも。もちろん，Xbox One版でも基本プレイ無料が予定されている。
　サービスが5年めに入ったPC版に比べると，Xbox One版はプレイ時間が長くなり，PC版は4章構成だが，Xbox One版では10章構成になるという。すごい増量だ。また，コントローラ操作に対する最適化も行なわれており，パフォーマンスも向上したとのこと。ただし，PC版とXbox One版のクロスプラットフォーム対応は予定されていない。
　今週の金曜日（3月3日）に最新アップデート「Legacy」が公開されるPC版だが，Xbox One版では，これまでのアップデートがすべて含まれるほか，PC版と同じタイミングで拡張を行なっていくというから，かなり気合の入った移植になっているようだ。

　 Wilson氏は「Xbox Oneに『Path of Exile』が来ることを嬉しく思っています。コアなプレイヤー向けのハードなアクションRPGですので，ぜひプレイしてください」と述べていた。

Observer

AspyrのProduct Manager，Kellin Kincaid氏

　以前から非公式では噂が流れていたようだが，2月23日にXbox One版開発の正式発表が行われた「Observer」がプレイアブル展示されていた。ポーランドのBloober Teamが開発し，北米のAspyr Mediaがパブリッシングを担当する本作は，AspyrのProduct Manager，Kellin Kincaid氏によれば，一人称視点のサイバーパンクなサイコロジカルサバイバルホラーとのこと。なるほど。

　ゲームの詳しい内容は発表されていないものの，プレイヤーは“観察者”（Observer）として知られる刑事，Daniel Lazarskiとなって，容疑者や被害者の心にハッキングし，ある殺人事件の謎を追っていくという。デモ版では，掲載した写真のような薄暗い廃屋の内部を移動しつつ，ケガを負った人の心の中に入っていくという場面が確認できた。
　とはいえ，どういうわけだかオブジェクトが飛び交ったり，画面が揺らいだりと，ここは果たして現実の世界なのかと思わせるような現象も起きるが，今のところ，よく分からない。
　この雰囲気にグッとくる人も多そうだが，Bloober TeamとAspyrが組んだ「Layers of Fear」（PC / PS4 / Xbox One）と同様，日本語版の用意もあるとのことなので，これは期待していいかもしれない。発売は2017年夏で，Xbox Oneのほか，PC，Mac，PlayStation 4版が予定されている。

Cities： Skylines

　PC向けの都市建設シムジャンルの中で頭一つ抜け出た感じの「Cities： Skylines」だが，2月16日にXbox One版が正式発表され，さっそく会場にも展示されていた。

パブリッシャであるParadox InteractiveのProduct Manager，Sandra Neudinger氏（右）と，Associate ProducerのNiklas Lundström氏（左）

　Xbox One版の開発は，PC版を担当したフィンランドのColossal Orderではなく，オーストリアのTantalus Mediaに変わっており，コンシューマ機に合わせてユーザーインタフェースが一新された。さらに，PC版DLCの第一弾，「AfterDark」も同梱されるとのことだ。マウスと比べると，やはり操作が難しい気がしたものの，曲がりくねった道路を縦横無尽に引きまくれるのは，「Cities： Skylines」ならでは。
　ちなみに，PC版の最新DLC「Mass Transit」も本日，発表されており，これを導入することで，モノレールやケーブルカー，フェリーなどが使用可能になるほか，駅など交通のハブ施設が建設できるというから，ファンにとってはこちらも見逃せないはずだ。Xbox One版および「Mass Transit」のリリースは2017年春が予定されている。春って，もう春じゃないかと思うが，近いことは間違いないようだ。

Full Metal Furies

　制作が発表されたばかりの「Full Metal Furies」は，2017年内の発売を目指してCellar Door Gamesが開発を進めるブロウラーだ。ブロウラーの意味が分からなかったので，同社のCo-founderでLead Game DesignerのTeddy Lee氏に聞いたところ，「ファイナルファイト」みたいなゲームのこと，だそうだ。ちなみに，2009年にカナダのトロントで設立されたCellar Door Gamesは，評価の高い「Rogue Legacy」（PS4 / PS3 / PS Vita）で知られるデベロッパで，メンバーは4〜5人という小所帯だそうだ。
　いかにもインディーズ系という感じのグラフィックスだが，Full Metal Furiesは，最大4人で楽しめるゲームで，プレイヤー同士の協力が最も重要になるという。

「Full Metal Furies」公式サイト

Inner Chains

　ポーランドのデベロッパ，Telepaths Treeが開発中の「Inner Chains」は，機械と人間が融合する，遠く暗い未来を舞台にしたFPSだ。2016年6月にクラウドファンディングで資金の募集に成功し，開発がスタート。当初はSteamのPC版だけだったが，Xbox One版の開発も進んでいたそうだ。知らなかった。
　Telepaths Treeを設立し，本作のアートディレクターを務めるTomasz Strzałkowski氏は，もともとはデジタルアーティストだったようで，そんな同氏の絵柄を反映した，ちょいグロなグラフィックスが個性的だ。シングルプレイオンリーで，プレイ時間はだいたい5時間ほどと，小粒な作品になりそう。救いのない荒涼とした場所を背景に，ゾンビやクリーチャーなどと戦っていくという内容の，割とストレートなFPSだが，銃のように見えるのは，実は主人公に寄生した機械で，弾が切れるとちょっとやばいなど，個性的な設定もある。PC版，Xbox One版とも，リリースは2017年内の遅い時期，とのことだ。

「Inner Chains」公式サイト

「Inner Chains」KICKSTARTERサイト

　冒頭にも書いたように，会場には約20タイトルが並んでいたが，そのうちから気になる作品をピックアップした。さらに，Moscone CenterのNorth HallにもMicrosoftはブースを出展しており，そこでもさまざまなインディーズ系の作品を展示している。面白そうなタイトルも多いので，いずれまた紹介できればと思う。

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