スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
2010年11月25日にPSP用ソフトとして発売された“ハイスピード推理アクション”「
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」。その最新作となるPSP用ソフト「
スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」が2012年7月26日に発売され,4Gamerでも
開発者インタビュー記事を掲載しているので,実際にプレイしたことはなくても,「名前は聞いたことがある」「白と黒のクマを見たことがある」という読者も多いのではないだろうか。
そんな「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の
iOS版が2012年8月21日に,
Android版が8月27日にそれぞれ配信開始となっている。
というわけで,今回の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,スマートフォン版「
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」(
iOS /
Android)を紹介してみたい。
本作では,ときおり残虐な表現があるので,苦手な人は要注意。血の色が明るいピンク色だったり影絵によるシルエットだったりと,基本的にはマイルドに表現されるものの,なかなかエグいシーンもある
![画像集#004のサムネイル/息をのむハイスピード推理アクション。スマートフォン版「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第55回](/games/154/G015495/20120830099/TN/004.jpg) |
会話シーンは,タップ操作で読み進めることができる。人物との会話中に紫色で表示された部分をタップすると,「リアクショントーク」と呼ばれるモードに移行し,真意や詳細を聞き出せるようになっている
![画像集#005のサムネイル/息をのむハイスピード推理アクション。スマートフォン版「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第55回](/games/154/G015495/20120830099/TN/005.jpg) |
超高校級と呼ばれる,選りすぐりのエリートが集められた超勝ち組高校「希望ヶ峰学園」。何の因果か抽選で当選した「超高校級の幸運」の持ち主である主人公の「
苗木 誠」(なえぎ まこと)が,そこに入学するところから本作の物語は始まる。
校門をくぐり,学校へ足を踏み入れたのもつかの間,何者かの手によって拉致されてしまう苗木。だが,その場所には,苗木以外の入学生14人も,同様に連れられてきていた。そう,外部との関わりを一切遮断した異常な空間であるこの場所こそが,希望ヶ峰学園だったのだ。
学園長を名乗る,白と黒の奇妙なクマのぬいぐるみ「
モノクマ」は,苗木達に一生ここで暮らせと命令し,もし,学校を「卒業」したいなら,仲間の誰かを殺して逃げ延びろというのだった……。
何ともバイオレンスな匂いがプンプンするわけだが,簡単にまとめると,プレイヤーは苗木 誠となり,卒業を賭けたサバイバルゲームに参加して,生き残れというわけだ。
ただし,やたらめったらに殺し合えばいいというわけではなく,いくつかのルールを守る必要があるとモノクマはいう。そのルールとは,以下のとおり。
- 誰にも気づかれずに,殺人を行う必要がある
- 殺人を行った人物は「クロ」となる
- 死体が発見された場合は,生存している生徒全員で捜査を行い,「学級裁判」により犯人を決定する
- 学級裁判では,生存者各自がクロだと思う人物に投票をする
- 投票の結果,見事クロを指摘できた場合は,「おしおき」としてクロが処刑される。正しいクロを指摘出来なかった場合は,クロ以外の全員がおしおきを受け,クロが卒業することになる
学園内のさまざまなところには「モノクマメダル」が隠されている。モノクマメダルを使ってガチャを回すことができ,アイテムが入手できる仕組みだ。アイテムは誰かにプレゼントすることも可能
![画像集#007のサムネイル/息をのむハイスピード推理アクション。スマートフォン版「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第55回](/games/154/G015495/20120830099/TN/007.jpg) |
本作のゲーム進行は,同級生と交流を深めたり,各自の部屋を調べたりできる「
(非)日常パート」と,(非)日常パートで犠牲者が出ると移行する「
捜査パート」,そして捜査パートで集めた手がかりを基に議論を行う「
学級裁判パート」の3つに分かれている。
(非)日常パートや捜査パートでは,3Dダンジョンのような学園内を移動し,気になる場所や人にタッチして,情報を集めていくことになる。特定の人物と仲良くなると,学級裁判で「
スキル」が使えるようになることがあるので,積極的に友好関係を築いていくといいだろう。もちろん,仲良くなった相手が犠牲者となる,ということもある……。
ちなみに,学園内の操作は,画面の左側半分で視点移動,画面の右半分で主人公の移動ができるようになっている。最初は少し戸惑うかもしれないが,慣れてしまえばそれほど違和感もなく操作できるだろう。
さて,本作の醍醐味となるのが学級裁判パートである。ここでは,捜査パートで集めた情報を基に,討論相手の矛盾点を見つけ出し,論破していくことになる。
学級裁判パートは,さまざまな推理アクションゲームから成り立っており,矛盾点を指摘していく「
ノンストップ議論」,重要な証拠や手がかりをパズル形式で思い出す「
閃きアナグラム」,リズムに合わせて苗木と相手が1対1で討論していく「
マシンガントークバトル」,欠けている漫画のコマを埋めて正しいストーリーを作りあげる「
クライマックス推理」などがある。
それらのミニゲームのなかでもメインを担うノンストップ議論では,矛盾点や相違点が現れると,その部分が黄色い文字でハイライトされるので,その文字をすかさずタッチしていくことが論破への糸口となるのだ。
とはいえ,論破に使う証拠や,ハイライトされる矛盾点が複数表示されることもあり,正しい組み合わせを選択していかなければならない。正しい情報がどれなのかを考え,選択していくこのシステムは,非常に緊張感があり,バッチリと論破が決まった瞬間の快感はかなりのものである。
見事論破できればカットイン演出が発生する。論破できるまで,討論はループするので,分からないときは様子を見るのも手だ
![画像集#011のサムネイル/息をのむハイスピード推理アクション。スマートフォン版「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第55回](/games/154/G015495/20120830099/TN/011.jpg) |
スマートフォン版では,ゲーム開始前に「高画質」「通常画質」の2つからゲームの画質設定が行える。高画質なら,PSP版よりも高い画質でプレイできるのだ
![画像集#012のサムネイル/息をのむハイスピード推理アクション。スマートフォン版「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第55回](/games/154/G015495/20120830099/TN/012.jpg) |
ひと癖もふた癖もある個性的なキャラクター達と,強烈な毒を含んだモノクマのセリフ,そして完成されたゲームシステムなど,PSP版が好評を博したのも実に頷ける。
恥ずかしながら筆者は,スマートフォン版をプレイしてみるまで,ゲームの内容を詳しく知らなかったのだが,その完成されたゲーム性と理不尽な世界観に魅了され,一気にファンになってしまったのだ。
スマートフォン版ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生では,Chapter1を無料でプレイできるようになっているので,ひとまずプレイしてみるといい。ちなみに,
一括購入なら2000円(税込)で続きがプレイできるので,PSP版を買うよりもお得だ。ぜひとも,“弾丸”のようなスピード感で“論破”する快感を味わってみてほしい。そしてダンガンロンパの世界観に魅了された人は,最新作となるPSP版「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」をプレイしてみるといいだろう。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。