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Radeon HD 7000M
  • AMD
  • 発表日:2012/01/10
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AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表
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印刷2012/04/24 21:01

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AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表

Radeon HD 7900M
画像集#002のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表
 日本時間2012年4月24日21:01,AMDは,Intelが「Ivy Bridge」(アイヴィーブリッジ)こと第3世代Coreプロセッサを発表したのを受けて,Radeon HD 7000M世代のノートPC向けGPU上位モデル「Radeon HD 7900M」「Radeon HD 7800M」「Radeon HD 7700M」シリーズを正式発表した。
 これらは,開発コードネーム「London」(ロンドン)と呼ばれてきた製品群の上位モデルで,デスクトップPC向けRadeon HD 7000シリーズと同じく,「Graphics Core Next」(以下,GCN)アーキテクチャを採用するのが特徴だ。

画像集#003のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表
AMDのノート向けGPU移行計画
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GCNアーキテクチャを採用したRadeon HD 7000Mシリーズの開発コードネームと特徴。なお,Chelseaの製品名が「AMD Radeon HD 7900M」とあるが,これは下のほうに「AMD Radeon HD 7700M」と書かれていることからも分かるように誤記である


性能向上と消費電力の低減がトピック

一部製品では省電力機能「PowerGate」の採用も


今年1月の時点でAMDは,GCN採用のノートPC向けGPUを第2四半期に投入すると予告していた
画像集#005のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表
 AMDは,北米時間1月10日にRadeon HD 7000Mシリーズの下位モデルを発表済みだが,それらには「Radeon HD 7600M」以下の型番が与えられており,従来の「VLIW5」アーキテクチャを踏襲するものになっていた(関連記事)。AMDはその時点で,「Ivy Bridgeが正式投入されるタイミングで,GCNアーキテクチャを採用した上位モデルを投入する」と予告していたため,まさにそのとおり発表されたこととなるわけだ。

 今回発表された3モデルはいずれも28nmプロセス技術を用いて製造されるGPUで,DirectX 11.1に対応。Radeon HD 7900M&7800MではPCI Express 3.0接続もサポートされる。主なスペックは下位モデルともどもにまとめてみたので,参考にしてもらえればと思う。

「Enduro」など,聞いたことのない技術ブランド名も並んでいるが,詳細は後述する
画像集#006のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表

報道関係者向け事前説明会でRadeon HD 7000Mシリーズ上位モデルを発表するStan Ossias氏(Director, Product Marketing for Mobile Graphics, AMD)
画像集#007のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表
 Radeon HD 7000Mシリーズの最上位モデルとなる「Radeon HD 7970M」は,GCNアーキテクチャにより1280基のStream Processor(または「Radeon Core」,以下 SP)を統合する製品だ。SP数的には「Radeon HD 7870」と同じことになる。
 AMDでRadeon HD 7000Mシリーズのマーケティングを統括するStan Ossias(スタン・オシアス)氏によれば,「『Radeon HD 6990M』と比べて1.3〜1.5倍のゲーム性能を達成しつつ省電力化も実現した」とのことである。

Radeon HD 7970Mのブロック図
画像集#008のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表

 また同氏は,「Radeon HD 7970Mのテッセレーション性能は,『GeForce GTX 675M』をも上回る」と,テッセレーションベンチマーク「Tessmark」の結果も公表してみせた。

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AMDが示したRadeon HD 7970MとRadeon HD 6990Mの性能比較データ
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Radeon HD 7970Mのテッセレーション性能はGeForce GTX 675Mを上回るとされる

Radeon HD 7000Mシリーズの上位モデルで対応する機能一覧
画像集#011のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表
 今回発表されたRadeon HD 7000Mシリーズの上位モデルでは,GCNアーキテクチャをベースとするデスクトップPC向けGPUと同じく,省電力機能「AMD ZeroCore Power Technology」(以下,ZeroCore)が利用可能だ。また,Radeon HD 7800M&7700Mシリーズには,「AMD PowerGate Technology」(以下,PowerGate)という省電力機能が新たに追加されたのも特徴となっている。

 ZeroCoreの挙動は「Radeon HD 7970」のレビュー記事で検証しているが,簡単にいえば,ディスプレイ表示がオフになったアイドル状態でPCI Expressインタフェース以外への電力供給をカットする(=GPUコアブロックへの電力供給を止める)というもの。これに対しPowerGateは,画面の書き換えを伴わないアイドル状態や,3Dグラフィックス描画負荷が極めて低い状態において,GPUの一部に向けた電力供給を停止することにより,最大約34%の消費電力低減を実現する機能とされている。

画像集#012のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表
ZeroCoreでは,ディスプレイ表示がオフとなったアイドル状態において,PCI Expressインタフェースを除いて,GPU機能への電力供給を停止。さらにGPUクーラーのファンも停止することで省電力化を図る
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PowerGate(※スライドだと「AMDのパワーゲーティング技術」と書かれている)では,画面の書き換えが生じないアイドル時や,極端に3D描画負荷の低い状況下で,GCN Compute Unitをまとめたブロックや固定機能ユニットへの電力供給をカットすることで省電力化を図る。本機能はRadeon HD 7800M&7700Mだけの機能だ

3Dゲームのプレイ時,GPUのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)の余裕があるときに動的に動作クロックを引き上げて性能を向上させる機能「AMD PowerTune Technology」は,デスクトップPC向けGPUと同様にサポートされる
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 GCNアーキテクチャでは,64基のSPをひとまとめにして「GCN Compute Unit」とし,最大4基――製品によって異なるが,2〜4基――のGCN Compute Unitと共有キャッシュとを組み合わせたブロック単位で管理される。そしてPowerGateにおける「GPUの一部」というのは,このブロックやビデオエンコードエンジンなどといった固定機能のことを指しているのだという。

 Ossias氏は「GCNアーキテクチャでは,GPUの各ブロックの独立性を高めたことで,より細かな単位で電力を制御することが可能になった」と述べているが,従来のGPUだと,GPUコアの一部を低速で動作させるといった制御はできても,電力制御までは行えなかった。それだけに,PowerGateでブロック単位の電力制御ができるようになったというのは,GPUの省電力機能として,大きな進歩と言えそうである。

ZeroCoreとPowerGate,AMD PowerTune Technologyの挙動をまとめたスライド
画像集#015のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表

 Ossias氏は,PowerGateを採用するRadeon HD 7800M&7700Mを「UltrathinフォームファクタやUltrabookなど,大容量のバッテリーユニットを搭載しにくいノートPCに最適なソリューション」と位置づけている。

Radeon HD 7800M(左)とRadeon HD 7700M(右)。ダイ,パッケージとも共通になっている
画像集#016のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表 画像集#017のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表

 なお,AMDはこれら省電力機能と既存のSwitchable Graphics(スイッチャブルグラフィックス)機能とを「AMD Enduro Platform Power Management Technology」(以下,Enduro)という技術ブランド名で総称する方針を打ち出している。
 ただ,上で示したのとおり,EnduroはVLIW5アーキテクチャを採用した下位モデルへも展開されるが,型番ごとに利用できる機能は異なり,下位3モデルではZeroCoreもPowerGateもサポートされない。この点は注意が必要だろう。

「各種省電力機能とSwitchable Graphicsとを組み合わせ,優れた省電力性と高性能を両立させる」という技術ブランドたるEnduro(エンデュロ)を,AMDはRadeon HD 7000Mシリーズで前面に押し出す
画像集#018のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表

AMD製APUと単体GPUとを組み合わせたDual Graphics機能が利用できるのは,VLIW5アーキテクチャを採用したRadeon HD 7000Mシリーズの下位モデルに限定されるという
画像集#019のサムネイル/AMD,GCNアーキテクチャ採用のノートPC向けGPU「Radeon HD 7900M・7800M・7700M」を発表
 また,Enduroに対応した新しいSwitchable Graphicsでは,APUまたはIntel製CPUの統合型グラフィックス機能と単体GPUの切り替えを,CatalystのApplication Profileに応じて自動的に行うだけでなく,ユーザーが手動で切り替えられるようにもなっているという。
 一方,APUと単体GPUによる特殊なCrossFireX動作となる「AMD Radeon Dual Graphics Technology」(以下,Dual Graphics)は「『アーキテクチャの整合性』の関係から,VLIW5アーキテクチャを採用した下位モデルとの組み合わせでのみサポートされることになる」とOssias氏が述べていたことは付記しておきたい。


 なお,Ossias氏は「ノートPCでも最新ゲームタイトルを楽しみたいというユーザーは増えている」としたうえで,最新のDirectX 11.1環境を実現するRadeon HD 7000Mシリーズを搭載したノートPCが,Ivy Bridge搭載ノートPCだけでなく,今年第2四半期に市場投入予定となっているAMDの次世代APU「Trinity」(トリニティ,開発コードネーム)搭載のUltrathinノートPCでも採用されると予告している。より高性能化や薄型化を果たしたゲーマー向けノートPCの登場に期待したいところだ。

AMDのRadeon HD 7900M製品情報ページ(英語)

AMDのRadeon HD 7800M製品情報ページ(英語)

AMDのRadeon HD 7700M製品情報ページ(英語)

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