東京ゲームショウ2011では,今年も,台湾のゲームメーカー
XPEC Entertainmentが単独でブースを構えて出展していた。読者の中には台湾と聞くと,昨年出展していたGamania Digital Entertainmentを思い浮かべる人もいるかもしれないが,同社は今月上旬に自社イベント
“Gamania Game Show”を台北で行っており,今回は未出展。その分,東京ゲームショウ2011では,XPECが台湾メーカーとしての存在感を増した印象だ。
XPECは11年の歴史を持つ老舗のゲームメーカーで,現在250名以上の社員数を抱えているという。コンソールやPCオンラインゲームを中心に数多くのタイトルを手がけており,近年流行のブラウザゲームに関しても豊富な開発経験を持ちあわせている。
今回の東京ゲームショウ2011には,クライアント型の新作3D MMORPGを1本と,新作ブラウザゲームを2本,出展していた。
ウェポン・オブ・ミソロジー(仮) Weapons of Mythology
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ウェポン・オブ・ミソロジー(仮)」は,武侠をベースに,ファンタジー要素を取り入れたMMORPG。クラスは使用する武器ごとに分けられ,“双剣,片手刀,両手槍,弓,扇”のそれぞれを使う5種類が用意されている。
大きな特徴といえるのは,神話や伝説上のモンスターの能力を,
“法宝”なるアイテムに埋め込み,それを装備できること。日本ではあまり馴染みのないアイテムだが,「LEGEND of CHUSEN」にも登場しているので,武侠関係では一般的なものなのかもしれない。そして,装備した法宝ごとに,“一念必殺”という特殊スキルが使えるのだ。
ゲーム内には全部で100種類以上の法宝が存在しており,それぞれ使える特殊スキルが異なる。プレイヤーは,同時に4種類までの法宝を持つことができ,状況に応じてプレイスタイルを変えられるという。
また,ペットシステムも充実している。本作のペットには,親密度に応じたマイキャラのサポート機能が整備されており,見た目に関しても,いくつかの段階を経て最終的には人間そっくりになるという。ペットと共に戦うことで,たとえソロプレイでもパーティプレイに近い感じで遊べるというわけだ。
そのほかでは“乗り物”は,仲間と一緒に乗れる仕様とのこと。
サービススケジュールに関しては,2012年夏にまずは台湾でサービス予定。現在の開発進行度は70%とのことだ。
精霊王国 Fantasy Town
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精霊王国 Fantasy Town」は,ぱっと見だとオーソドックスな可愛い系のMMORPGなのだが,実はブラウザゲームとして作られている聞いて驚かされる。このようにクライアントゲームが強いとされていた台湾からも,ブラウザタイプのMMORPGが続々と作られているのはなかなか興味深い。ゲーム進行は純然なリアルタイムではなく,戦闘がターン形式で行われるタイプだ。従来作だと「ドフス」に近いかもしれない。
サービススケジュールに関しては,2012年春に中国で正式サービスが予定されているという。
海賊戦紀(仮) Pirates War
最後に紹介する「
海賊戦紀(仮)Pirates War」は,タワーディフェンスをモチーフにしたカジュアルなブラウザゲーム。中国大手のSNS“QQ”と連動しており,ゲーム内から直接,他PCとのメッセージのやりとりや,ゲームへの招待などが行える。日本でいうところの,mixiアプリやFacebookアプリなどと近い感じで遊べるようだ。
サービススケジュールに関しては,10月に中国でクローズドβテストが予定されているという。