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[Gamescom]名作の予感? ドラゴンにジェットパックを搭載してしまった「Dragon Commander」は,Gamescomの隠れた秘宝だ
それほど奇抜なアイデアから生まれたPC用タイトル「Dragon Commander」は,RPG,ストラテジーゲーム,そして1対1でドラゴン同士が戦うアクションゲームのハイブリッド型の新作である。
Dragon Commanderは,Larian StudiosのDivinityユニバースがベースとなっており,ドラゴンへと変化できる特殊能力を備えた“ドラゴン・ナイト”がプレイヤーの役どころとなる。
ゲームのメインスクリーンは,ボードゲームの「リスク」を思わせるような細かい地域に分かれた大陸になっており,ターン制のストラテジーゲームのような流れで勢力を拡大させていくことになる。これは開発が始まる前,ナムダー氏が自分で作ったボードゲームを使って,ずっと本作を練り込んでいたということが影響しているようだ。
戦闘シーンは「Homeworld」のような3Dリアルタイムストラテジーゲーム風で,飛行艇や気球状の乗り物を中心に,無数の戦闘機のようなものが飛び交うという,忙しそうなものになっている。
ここを,ジェットパックを付けたドラゴンが高速で飛び交い,音波系の攻撃で周囲に飛ぶ小型機を瞬時に燃やしたり,敵の母艦に向かって火炎を放ったりしていくことになるのだ。
今回紹介されたデモは,まだα版にも達していない初期のものだということで,Dragon Commanderの最大のポイントとなるであろうドラゴン同士の対決は見られなかったものの,エルフやドワーフなど各勢力によって見た目が異なるという,ドラゴンのアートが紹介された。それらが1対1でつかみ合いの格闘をするようなアクション性にも期待したい。
しかし,Larian StudiosはこれまでもRPGを作り続けてきた熟練の開発チームだけあって,こういったストラテジックなゲームにも,しっかりとRPGの要素を詰め込んでいる。ドラゴンやその他のユニットは成長していくし,ドラゴンに取り付けるジェットパックは,ドワーフ職人から獲得するアイテムの1つであるという。
また,ゲーム自体はボードゲームのような陣取り合戦を中核とするものの,主人公は空飛ぶ空母をハブとして使用でき,ここは複数のアドバイザーやジェネラル,さらにはアイテムを売買する商人などが集う,1つの街のようなものになっているそうだ。
プレイヤーは艦内を移動でき,そのあたりは「Starcraft II」や「Mass Effect」のような雰囲気になっている。
この空母には主人公の妻も乗っているとのことで,ナムダー氏に紹介してもらったが,その正体はスケルトンに三つ編みのかつらを載せたアンデッドのプリンセスであった。一応女性らしさを意識しているのか,赤いミニスカートをはき,胸を膨らませるために2個のリングをブラウスの中にしまい込んでいる。
かなり異様でコミカルな雰囲気だが,プレイヤーは複数のファクションのプリンセスを妻に迎えることができ,それぞれの勢力の特徴を引き出せるようになるとのこと。アンデッド妻の場合は,戦闘ごとにチープで生産性の高いアンデッド部隊を利用できるということで,主人公も仕方なく(?),ちょっと痩せ過ぎた感じの妻を娶っているというわけだ。
「これまでほとんどプレスの前で話す機会はなかったので,自分のゲームについて語れるのが嬉しい」と,ナムダー氏はかなり熱心にゲームの説明をしてくれたが,ゲームそのものはまだまだ形成途上といったところ。
ただ,ターン制ストラテジーとRTS風の戦闘シーンに加え,ドラゴンの壮大な格闘アクションや,Larian Studiosが得意とするストーリー性のあるRPG要素が見事に融合すれば,本作がメジャータイトルとしての地位を得るのは難しいことではないかもしれない。
「Larian Studios」公式サイト
- 関連タイトル:
Divinity: Dragon Commander
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