ユービーアイソフトが2013年3月7日の発売を予定しているFPS
「ファークライ3」(
PlayStation 3/
Xbox 360)は,広大なフィールドを,自由に動き回れることで人気を得た「ファークライ」のシリーズ最新作だ。シングルプレイは,地図にも載っていない南海の孤島
「ルークアイランド」にバカンスでやってきた主人公
ジェイソンが,突然無法者達に捕らえられるところから始まる。彼はやがて,暴力が支配する狂気に満ちた戦いに否応なく巻き込まれ,自らも狂気の中に身を沈めていくことになるのだ。
2004年に発売されたシリーズ第1弾
「ファークライ」は,ドイツのCrytekが制作したタイトルで,南海の孤島を舞台にした主人公の孤独な戦いが描かれた。続編となる
「Far Cry 2」は,Crytekに代わってUbisoft Entertainmentのモントリオールスタジオが開発し,舞台はアフリカの架空の国に移った。
いずれも,見事なグラフィックスによって描かれた
オープンワールドを舞台にしており,ゲームを進めるうえでのルート選択の幅が広く,腕に自信があるならば正面突破してもよいし,安全を重視して迂回したり,姿を隠して行動してもよいという自由度の高さが大きな特徴だった。敵AIも賢く,今回はこうやったが,次は別の方法を試してみようという具合に,リプレイ性も高かった。
筆者としては,第一作の,派手なアロハシャツに拳銃一丁という出で立ちで南海の孤島に着くシチュエーションは割と衝撃的だったが,最新作の舞台は,アフリカから再び“南海の孤島”に戻ってくることになる。
ファークライ3は,上記のようなシリーズの伝統を受け継ぎつつ,従来作で弱いといわれていた
ストーリーや,
キャラクター性に力を入れるなどのパワーアップが施された,非常に個性の強い作品になった。
ゲームをプレイして感じたのは,いろいろな部分がよく練り込まれていることだ。ゲームの導入シーンは非常に明解で親切であり,ファストトラベル機能や乗り物を用意するなど,オープンワールドでありながら,移動に余計な負担をかけない作りになっている。また,アイテムの回収やサブの仕事など,いわゆる
やりこみ要素についても,ほどよいバランスになっているなど,ゲームの進行を妨げる要素がほとんどないため,自分のペースで快適に遊べる。自由度の高いゲームにおいて,これは非常に重要な要素ではないかと思う。
まあ,百聞は一見にしかず。ゲームのプレイムービーを掲載するので,本作が気になる人は,ぜひそちらをチェックしてほしい。