EAの新作「FUSE」をEA Asia Showcase 2012でプレイ。異色の特殊能力を使いこなして，仲間達と戦い抜け

　Electronic Artsは2012年12月，オーストラリアのシドニーで「EA Asia Showcase 2012」を開催し，同社が2013年第1四半期の発売を予定しているゲームをメディア向けにプレゼンテーションした。そこで紹介されたタイトルの一つが，北米で2013年3月のリリースが予定されているアクションゲーム「FUSE」（PlayStation 3/Xbox 360）だ。

「FUSE」公式サイト

　制作発表は2011年のE3で行われたが，その際のタイトルは「Over Strike」となっていた（関連記事）。開発を担当するのは，「Ratchet＆Clank」シリーズや「Resistance」シリーズなどのヒット作で知られるInsomniac Gamesで，Electronic Artsと組んだ初のタイトルとなるOver Strikeにも注目が集まったものの，その後，新情報がほとんど出てこない状況が続いた。そんな中，2012年9月13日に掲載した記事でもお伝えしたように，突然公式サイトがリニューアルされ，「FUSE」へのタイトル変更が発表されたのだ。


　イベントでは，Insomniac GamesのクリエイティブディレクターであるBrian Allgeier氏によるプレゼンテーションが行われたほか，シングルプレイとマルチプレイの試遊が実施された。Allgeier氏によれば，本作はエイリアンの技術による驚異のエネルギー源「FUSE」をめぐる戦いを描いたもので，プレイヤーはCIAに呼ばれた特殊部隊「Overstrike 9」のメンバーとなって，悪いヤツらを相手にしていくことになるという。本作の特徴としては，世界各地を戦場とした多彩なロケーションと，それぞれのキャラクターが持つ個性的な特技の存在などが挙げられた。戦闘は常にOverstrike 9のメンバー4人で戦うことになり，シングルプレイも可能だが，ドロップ・イン/アウトのCo-opもできるというか，それが基本になるという。



　ゲームモードとしては，キャンペーンのほかにCo-op向けの「Echelon」と呼ばれるものが用意されている。EchelonはいわゆるHordeモードで，12ウェーブに分かれて襲ってくる大量の敵を，協力して倒していくというものだ。途中のウェーブではボスも出現し，戦いはより激しさを増す。

　キャラクターは，強力なバリアであるMagshieldが張れるDalton Brooks，ステルスが得意で，ミニブラックホールを撃ち込んで敵を消滅させるNaya Deveraux，遠距離攻撃が得意で，さらにArc Shotと呼ばれる炎の矢を撃ち込んで敵を壁に張り付けたり，燃やし尽くしたりするJacob Kimble，そして遮蔽物の背後にいる敵を結晶化させて持ち上げる能力を持ち，さらにヒーラー役も務めるIsabelle Sinclairの4人となっている。ミニブラックホールとか結晶化とか，非常にマンガチックだが，発動したときの見た目は派手で，かなり面白い。プレイヤーは，これらの特殊能力をうまく使ってミッションを遂行していくわけだ。


　ミッションをクリアしたり，Echelonをプレイしたりすることで，FUSEポイントなどを獲得でき，これらを使ってアビリティの購入や武器のアップグレードができる。アビリティやアップグレードアイテムなどはかなり豊富に用意されており，プレイを続ける良いモチベーションになりそうだ。

　シングルプレイでは，パキスタンにある敵の秘密基地に潜入するというミッションが体験できたが，途中まではかなりサクサクと進むものの，ボスが出てきたところで詰まってしまった。プレイヤーキャラクターはボタン一つで簡単に切り替えられるので，Daltonのバリアで攻撃をよけつつ，NayaやJacobなどで攻撃を加えるといった作戦が取れるんじゃないかなと思ったものの，難度はかなり高く，あまりうまくいかない。ほかのメディアのプレイを見る限り，逃げ回ってチマチマと弾丸を撃ち込み，なんとかクリアしていたようだった。


　マルチプレイでは，潜水艦基地を舞台にしたEchelonが楽しめたものの，こちらの難度も高く，なかなか生き抜くことができなかった。誰かが倒されても，制限時間内なら近寄って蘇生可能なのだが，さすがに3人が倒れてしまうとそれでおしまい。こちらも間違いなく，それぞれの特殊能力を使ったチームワークが重要になるはずだ。
　ほかのゲームではあまりお目にかかれない能力ばかりなので，慣れるまでにはちょっとかかりそうだが，使いこなせるようになれば，かなり面白いことができそうな気がする。まあ，それにしても敵の数が多すぎる。弾も簡単になくなっちゃうし。

　日本での展開は発表されておらず，また調整が不十分だと思われるところもあるにはあったが，タイトルを改めた本作は，Co-op好きにはたまらないタイトルになりそうだ。やり込み要素も用意されているし，グラフィックスは派手。特殊能力も，もっといろいろ試してみたいと思わせるものがあった。続報に期待してほしい。

「FUSE」公式サイト