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「ニコニコ動画」サービスの総称が「niconico」に。新バージョン「Zero」の機能や,楽曲ダウンロード機能「NicoSound」などが発表された「ニコニコ動画 新サービス先行記者発表会」レポート
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印刷2012/04/27 22:38

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「ニコニコ動画」サービスの総称が「niconico」に。新バージョン「Zero」の機能や,楽曲ダウンロード機能「NicoSound」などが発表された「ニコニコ動画 新サービス先行記者発表会」レポート

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 2012年4月26日,ニワンゴは「ニコニコ動画 新サービス先行記者発表会」を東京・六本木のニコファーレにて開催した。ニコニコ動画の11番目のバージョンとなる「ニコニコ動画:Zero」の新機能や,開催を間近に控えた「ニコニコ超会議」の詳細など,発表会で明らかになった情報をお伝えしてみたい。

 今回の発表会では,ドワンゴ 代表取締役会長の川上量生氏と,同社取締役の夏野 剛氏が登壇した。

左:川上量生氏,右:夏野 剛氏
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 まず最初に,ニコニコ動画のサービス全体の総称を「niconico」に改めることと,次期バージョンとなる「ニコニコ動画:Zero」および「ニコニコ生放送:Zero」のロゴが発表となった。
 ドワンゴは5年前に「ニコニコ動画」のサービスを開始したが,生放送,チャンネル,静画など「ニコニコ」の名が付くサービスが増えていくとともに,同社が運営するサービスの総称としての「ニコニコ動画」と,動画配信サイトとしての「ニコニコ動画」の呼称が混在する状況となっていた。そこで,今回,サービスの総称を「niconico」に改めたわけである。また,今回のバージョン名「Zero」には,その名のとおり,「原点回帰」というテーマが込められているという。

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 続いて,新バージョン「Zero」における新機能の概要が紹介された。
 まず,大きな目玉となるのが,一から新たに制作されたニコニコ動画の視聴ページ「ZeroWatch」だ。動画の再生画面が従来よりも大型化したほか,その下には「動画再生リスト」と「動画選択ウィンドウ」が新たに加わっている。ここでは動画を視聴しながらユーザーのマイリストを表示したり,次に見たい動画を検索したりすることが可能となっており,ページをリロードすることなく,シームレスに次々と動画を切り替えられるそうだ。
 また,動画に付けられている「タグ」についても,リアルタイムに編集が反映されるようになっている。夏野氏は,アクセス数の多い動画の場合は目の前でタグがどんどん書き換わる様子を見るだけでも面白いだろうと語っていた。

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 さらに,実験的な要素として,動画に対する「レビュー」機能も加わっている。ニコニコ動画では,動画についての感想を他人とやり取りするには,Twitterなど外部のSNSを利用する必要があった。そこで今回は各動画の視聴ページの下部に,レビューを書き込んでほかのユーザーと共有できるスペースが設置されている。Twitterの場合は2,3日で話題が消えてしまうため,コメントを保管できたほうがユーザーにとっても便利だろうと,川上氏はレビュー機能のメリットを述べた。

 「ニコニコ生放送:Zero」の視聴ページも「ZeroWatch」にリニューアル。ニコニコ動画同様,こちらも画面サイズが拡大されており,視聴画面の下部には関連番組の一覧が並んでいる。再生画面の左右端にマウスを持っていくとカーソルが表示され,それをクリックするだけで,テレビをザッピングするような感覚で別の番組へと高速切り替えが可能だ。

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 また,生放送のリアルタイム感が実感できる要素として「Recent」機能も新たに登場。放送中の番組一覧を開いていると,各番組のコメント数・視聴者数がリアルタイムで更新されるうえ,新しく書き込まれたコメントが吹き出しのようにポップアップ表示される。
 ニコニコ生放送では夜間には約6000ものユーザー番組が放送されており,興味のある番組を探すだけでも一苦労だったが,この機能により,今現在盛り上がっている生放送を視覚的に捉えられるわけだ。技術的にも高度な機能となっているが,川上氏は「地味だけど非常に便利」と述べる。

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 さらに,生放送のランキングもリニューアルしており,こちらにもコメント数や視聴者数の増加がリアルタイムに表示される「Recent」を搭載。また,これまではニコニ広告のポイント数がランキングの基準となっていたが,リニューアル後は1分間あたりのコメント数をもとにランク付けが行われる。しかも,視聴ページの中で放送者や視聴者にリアルタイムで「今この放送が●位にランクインしました」と通知されるため,いっそう生放送視聴が盛り上がることだろう。

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 細かい部分では,すでにニコニコ動画のほうで実装されている「NG共有機能」をニコニコ生放送でも対応開始する。まずは5月1日から公式放送限定で先行投入となるそうだ。
 同じく5月1日には,ニコニコ生放送の配信ビットレートもアップする。ピークタイムにあたらない,2:00から19:00までの時間帯限定ではあるが,480kbpsでの配信が可能となるそうだ。

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 「niconico」全体の機能としては,お気に入りのコメント,タグ,ニコレポ,動画,ニコニコ市場商品といったものに対して評価をする「ニコる」も登場。
 これはいわゆる「いいね」ボタンのニコニコ版にあたるもので,カタカナの「ニコ」を右に90度回したスマイルマークのアイコンが特徴だ。川上氏はこの「ニコる」ボタンについて「押すことに快感がある」と述べており,今後の「ニコる」の盛り上がりに期待をみせていた。

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 「マイページ」もデザインがリニューアルされており,ニコニコ動画・ニコニコ生放送・ニコニコ静画のそれぞれで分割していたマイページが統一されている。また,「ニコる」の履歴やランキングが確認できるなどの機能も新たに加わっているそうだ。

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 ユーザー参加型のリクエスト放送として,「Nsen」というまったく新しいサービスも開始となる。
 これはニコニコ動画に投稿された音楽をみんなで聴くことを目的としたサービスで,「VOCALOID」「ニコニコインディーズ」「歌ってみた」「演奏してみた」「東方」「PV」「蛍の光」「オールジャンル」の8つのチャンネルで24時間放送される。
 各チャンネル内は「リクエストコーナー」と独自の「動画紹介コーナー」が30分ごとに交互に放送されるかたちとなっており,その動画紹介コーナーにもさまざまな切り口が用意されているようだ。
 流れている動画は「グッド!」もしくは「スキップ!」のボタンで評価ができ,もしイタズラ目的でリクエストされたような動画があった場合は,視聴者が「スキップ!」をクリックすることで飛ばせるとのことである。

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 さらに,ユーザーや動画投稿者の注目度の高い機能として,ニコニコ動画公式の音楽ダウンロード機能「NicoSound」も発表された。
 これは,動画の音声部分を(動画投稿者が許可した作品に限り)DRMフリーのAAC形式でダウンロードできるというもので,PCのブラウザのみならず,Android端末にも対応(iOSにも対応予定)。PCからiTunes経由などで各種音楽プレイヤーへ転送することも可能だ。
 この機能の開始にあたって,JASRACとの間で新たな包括契約も結ばれたらしく,作曲者が許諾したJASRAC管理楽曲については「歌ってみた」「演奏してみた」作品も無料でDLできるそうだ。さらに,JASRAC信託曲の場合は,ダウンロード数に応じて,権利使用料が作曲者へも還元されるという。
 なお,NicoSoundのサービス開始時点では無料ダウンロードのみに対応しているが,川上氏によると,将来的には,DL販売に対応していく考えもあるそうだ。

 ちなみに,NicoSoundに関しては,ニコニコ超会議の会場内の「ニコニコ言論コロシアム」でも「音楽著作権の未来」というタイトルで討論が予定されている。ここでは川上氏とともに,JASRACの菅原瑞夫氏とジャーナリストの津田大介氏を交えて,「NicoSound」や,違法ダウンロードの刑事罰化などについて議論が行われるという。

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 なお,今回の「Zero」へのリニューアルは,プレミアム会員先行でスタートとなる。現行のバージョン「ニコニコ動画(原宿)」から「Zero」へと移行するかどうかは,ユーザーが任意に選択可能なため,現在のインタフェースが気に入っている人は,そのまま使い続けることも可能だそうだ。

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 また,「niconico」の新たな対応デバイスとして,iPad版アプリの配信も発表。縦画面/横画面いずれにも最適化されたインタフェースとなっているとのこと。こちらは5月1日から配信開始予定である。
 さらに,ソニーのブラビアやパナソニックのビエラに対応したniconico視聴アプリも開発中で,ビエラ版はニコニコ生放送にも対応するそうだ。こちらは「ニコニコ超会議」の会場でも実機展示が行われるという。

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会場では,新バージョン「Zero」の新機能が実際に体験できるデモ機も設置されていた。ニコニコ生放送の「Recent」機能では本当にリアルタイムで次から次へとコメントがポップアップしており,番組一覧を眺めているだけでも視覚的に楽しめそうな印象を受けた
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 最後に,4月28日/29日の開催を間近に控えた「ニコニコ超会議」についても,川上氏・夏野氏から意気込みが語られた。

川上氏:
 我々がもう1回やらない限り,二度とないイベントになると思います。これまでこんなイベントはなかったですし,これからも我々以外によって開催されることはないと思います。成功しても失敗しても,かなり歴史的なイベントになるんじゃないでしょうか。それがどうなるか楽しみでもあり,不安でもあるというのが,正直な気持ちです。

夏野氏:
 ネットの中で起こっていることとか,デジタルコンテンツとか,サブカルチャーのコミケとかボカロとか,なかなか視覚化できなかったですし,視覚化されても一部のジャンルだけで盛り上がっていたので,メディアの方も非常に取り上げにくかったですよね。ところが,(ニコニコ超会議では)一部だけで盛り上がっているものを全部集めちゃいました。ここに日本の一番強いデジタルコンテンツとかユーザージェネレーテッドコンテンツの世界が全部視覚化されますので,ここに来れば今の日本のデジタルコンテンツの一番強いところが見られます。ジャパンコンテンツという意味から,ものすごく歴史に残るイベントになると思います。

ニコニコ超会議公式サイト

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