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硬派なミリタリーファンではない人のためのTPSここにあり,ゲームポット自社開発のオンラインアクション「メビウスオンライン」プレイレポート
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印刷2011/04/26 11:20

プレイレポート

硬派なミリタリーファンではない人のためのTPSここにあり,ゲームポット自社開発のオンラインアクション「メビウスオンライン」プレイレポート

 4月7日,ゲームポット渾身の新作タイトル「メビウスオンライン」の,正式サービスが開始された。メビウスオンラインは,同社の自社スタジオ“ClicChopスタジオ”が開発する,正真正銘の純国産タイトルである。
 ゲームポットにとって設立10周年を迎える本年度は,さまざまな新規タイトルが動き出しそうだが,その先陣を切る本作がどのように迎えられるのか,たいへん興味深い。

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 メビウスオンラインは,TPSをベースにRPGやアクションゲームなどの要素をミックスした作品で,昨今のオンラインゲームの中でも珍しいタイトルに仕上がっている。4Gamerではすでに先行プレイレポートを掲載しているが,今回はβテスト以降に明らかになったシステムを解説しつつ,どんなタイトルなのかをあらためて紹介していきたい。

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「メビウスオンライン」公式サイト




さまざまな時代を渡り歩いて冒険できる


 メビウスオンラインの大きな特徴として,マイキャラがさまざまな「時代」を行き来できる,という部分が挙げられる。プレイヤーは“妖精機関”に所属する“調律者”の一員という設定で,世界中で起こった(またはこれから起こる)さまざまな事象に介入し,正常な世界を維持していくことになる……というのがメインストーリーである。

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 妖精機関には4種類の“師団”と呼ばれる組織があり,マイキャラクターの作成時に,いずれかを選ぶことになる。4つの師団は妖精機関の仲間同士という設定で,ロビーエリアも共通している。各師団では普段お世話になるNPCや,初期のアバターアイテムなどがそれぞれ違っているが,メインシナリオは大きく変わらない。気軽に選んでも大きな支障はないようだ。

4つの師団
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 妖精機関のロビーエリアに設置された「シューター」なる装置に飛び込むことで,マイキャラはさまざまな時代のステージ(マップ)に挑戦できる。先述したようにメビウスオンラインでは,選べる時代が複数あり,時代ごとにいくつものステージが用意されている。

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 キャラクターの作成直後から選べる時代は,「15XX」と呼ばれる中世のみだが,ストーリーを進めたりすることで,新たな時代やステージが段階的に解放されていく。
 各時代では大まかな地域も想定されており,最初の「15XX」では“16世紀のブリガドーン諸島”という場所を中心としたステージが用意されている。今後は,同じ時代をモチーフにしつつ,違った地域のステージも登場するのかもしれない。

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「剣と弓矢の戦い」も「銃撃戦」もフォローするゲーム性


 メビウスオンラインには現時点で,「15XX」と「20XX」という二つの時代が実装されているが,この二つはゲーム性自体がガラリと変わってくる。ステージを開始する際,キャラクターの「兵種」(クラス)を毎回選ぶことになるのだが,選べる兵種が時代によって異なるのだ。

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 中世の「15XX」には「ウォーリアー」「アーチャー」「モンク」「ワーカー」,近代の「20XX」には「突撃兵」「救護兵」「補給兵」「対装甲兵」などといったラインナップがある。
 兵種ごとに,装備できる武器種別は大きく異なり,「15XX」は,だいたい剣や弓矢といった武器がメインになっている。例えばウォーリアーは「ナイフ」「剣」「小弓」,ワーカーだと「ナイフ」「棍棒」「グローブ」「補給(弾薬)」といった感じだ。ワーカーのような補助タイプでも,ちゃんと武器を持っているので戦うことは可能だ。

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「15XX」
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 一方の「20XX」は,「ピストル」「ライフル」「ショットガン」などの現代兵器がメインとなってくる。15XXは直接ぶつかり合うような白兵戦がメインとなり,20XXはある程度距離をとってのシューティングがメインとなる。このような,別のゲームと言っても差し支えないほどのバトルが,この世界には混在しているのだ。
 あくまで予想だが,この先もしかしたら「超未来」「古代」などの時代が登場するかもしれず,そうなったらきっと,時代のカラーを反映させた別のゲーム性が盛り込まれることだろう。

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「20XX」
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 メビウスオンラインにおけるもう一つのポイントとして,近距離武器と遠距離武器の違いを挙げておきたい。両者がPvPを行った場合,普通に考えると(先制攻撃が行える)遠距離武器が強いのは当たり前に思えるが,もちろん実際はそう単純にはいかない。

 本作には「弾数」の制限がある武器とない武器とがあり,遠距離武器には,一回のステージでリロードできる回数(銃でいえばマガジンの数)が定められている。一方,ウォーリアーが持つ剣などの近距離武器は,無尽蔵に攻撃できる。敵に接近されたら,弾数が限られているアーチャーなどはかなり不利になる。

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 また,本作はFPS/TPSには珍しく「ジャンプ」という動作がない。“激しくリアル志向”なFPS/TPSではジャンプ動作がないことも珍しくないのだが,本作はどう見てもカジュアルなので,ここは賛否両論あるだろう。ただしハシゴや箱などを登ったり,障害物を乗り越えたりといった動作はフォローされており,高低差を生かしたバトルは問題なく行える。



ゲームバランスを保ちつつプレイの幅を広げるアンロック


 本作にはさまざまな時代やステージ,兵種が用意されているが,最初からなんでも選べるわけではない。ゲーム開始直後は「15XX年代」と「ウォーリアー」のみが選択可能で,まずはこれでゲームに慣れていくことになる。ゲームを進めていくことで,モンクやワーカーなどといった兵種がアンロックされていく仕組みだ。

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 その際に必要な「アンロックポイント」は,各ミッションで特別な条件を満たすともらえたり,メインシナリオを進めることでもらえたりなど,入手方法はいくつか用意されている。
 アンロックポイントは,ほかにも「所持金額の引き上げ」「装備武器のスロット+1」「財布のサイズを拡大」「宝石袋のサイズを拡大」「爆弾の購入許可」など,幅広い用途に用いられる。

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 これらをアンロックしていくことでプレイの幅は広がるものの,それがゲーム中,プレイヤー間の決定的な格差として出てくるほどではない。例えばRPGにおけるレベルのように,勝敗を覆せないほど決定的な存在というわけではないのだ。



PvE・PvP共に各ステージのハードルは低め


 ステージには「PvE」(対モンスター戦)と,「PvP」(対人戦)の2種類がある。まずはPvE系のステージから見ていくが,こちらはプレイヤー同士が協力して,モンスター討伐に挑むというゲームモードだ。
 ゲームの序盤は,シンプルな討伐系の内容が中心だ。「マタンを100匹駆逐せよ」「ウブメを4羽駆逐せよ」といった感じで,所要時間はおよそ10〜30分といったところ。次の目的地を矢印で随時知らせてくれるので,プレイ時に戸惑うようなことは,少なくとも序盤はほとんどない。

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 PvE系のステージの多くが“協力プレイ”をテーマにしている。「TPS」「FPS」と聞くと,対戦重視の殺伐としたゲームをイメージする人も多いかもしれないが,メビウスオンラインでは,そんなことはないのだ。
 PvEはステージのクリア目的がメンバー同士で共有されており,人が増えることによるデメリット/ペナルティもない。「とりあえず人数を集めてワイワイ挑戦しようぜ!」といった気楽な雰囲気である。

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 PvP(対人戦)のほうは16〜64人で参加でき,こちらも手軽に遊べる。参加したプレイヤーは「フォース」と呼ばれる勢力(チーム)に自動で振り分けられ,その勢力同士でバトルを行う。チーム割り振りについては,所属する師団に関係なく,バラバラに振り分けられる。勝利条件は,キル数を競ったり,マップ内の拠点を多く占拠したりなど,いろいろ用意されている。

 メビウスオンラインのPvPは,一般的なFPS/TPSのそれと比べると,エイミングをはじめとした瞬時の判断力やテクニックよりも,戦略が重視されている印象だ。その理由の一つとして,メビウスではダッシュに必要な“スタミナ”に限りがあり,四六時中目まぐるしく動き回ることができない。

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 例えば敵を遠くに発見した場合,どのように位置取りを行うか,あるいは周囲の環境をどのように利用するかを,落ち着いて考えることが重要になってくる。
 また,敵から拠点を守るようなシチュエーションの場合,単に正面からぶつかり合うのではなく,アーチャーが遠距離からスナイプするためにあらかじめ待機したり,ワーカーが入口に爆弾を設置したりといった,役割分担によるチームワークが重要になってくる。
 こういったふうに戦術を考えていけば,アクションの腕前がトホホな人でも,それなりに活躍の場が見つけられるはずだ。

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自由度がとてつもなく高いアバターシステム


 アバター用の装備アイテムに関しては,さまざまなタイプが用意されているが,性別などによる着用条件は一切ない。男性用の服を女性が着ることも,女性用下着を男性が身につけることも可能だ。誰でもどんなアバターアイテムでも着用できるという,大胆なシステムが採用されているのだ。

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 さらに,キャラクター作成時のプロポーションを細かく設定できたり,ボイスやモーションを細かくカスタマイズしたりできる。もちろん強力な,顔のメイキング機能もある。これらの組み合わせを駆使することで,本当に“自分だけのキャラクター”を作り出すことができる。大勢のキャラクターが集合している場所などは,まさにカオスな世界だ。
 本当に個性的なキャラクターなどは,見た目だけで個人が特定できてしまうのではないかと心配になってしまうほど。この自由度の幅広さは,まさにメビウスオンラインの大きな特徴といえるだろう。

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 アバターアイテムまわりの自由度が高いメビウスオンラインだが,「武器」についても,さまざまな強化システムが用意されており自由度が高い。なかでも特徴的といえるのは,武器に属性を付与できる「錬成」と呼ばれるシステムだ。
 属性には「炎」「水」「大地」の3種類があり,それぞれモンスターからドロップする「ルビー」「アクアマリン」「トパーズ」といった宝石を武器に錬成することで付与が可能だ。
 一つの武器にすべての属性を錬成することも可能だが,それぞれの宝石は効果が相反してしまうため,一つの宝石だけを錬成するよりも,より多くの宝石が必要になってしまう。

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 各モンスターは,3属性のうち1つ〜2つの属性に対するバリアを有している。バリアと属性の相性によっては,攻撃時のダメージが大きく軽減されてしまうのである。そのため,各属性を付与した武器をあらかじめ用意しておき,敵によって使い分けていくのが効果的というわけだ。あるいは,必要な宝石の量は増えるが,全ての宝石を錬成した武器を作るという選択肢もある。



オンラインゲームにおける唯一無二の存在となる可能性も


 メビウスオンラインというタイトルは,ぱっと見は大味に見えるが,実はかなり細かいシステムまで考えて作られているという印象を受ける。TPSをベースにRPGなどの要素をミックスした基本システムをはじめ,昨今のタイトルの中でも意欲的な部類といえる。世の中にこれだけ多くのオンラインゲームがある中,「似ているタイトルがほとんどない」というのは凄い。その一点だけでも,メビウスオンラインに注目する価値はあるのではないだろうか。

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 個人的な感想になるが,メビウスオンラインはゲーム全編に“ゆるい”空気が漂っており,それがプレイしていてとても心地よい。その大きな理由は,先述した協力プレイを重視した(=ギスギスしない)ゲーム内容と,アバターまわりの仕様が大きく影響しているように思える。
 FPS系のタイトルは,シビアなゲーム性,緻密なチームワークなど,真正面からガッツリと取り組むことを強いられることも多いが,メビウスオンラインでウケ狙いの姿をしたキャラを眺めていると,「ゲームなんだからもっと気楽に遊ぼうよ!」といった気にさせられるのである。

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 アバターまわりのセンスの良さは,さすがはゲームポットといったところだし,何よりTPS系のタイトルであるにもかかわらず,対戦以外にもさまざまな遊び方ができるのがいい。
 バランス調整やコンテンツの拡充など,成熟までにまだまだ時間がかかりそうなところもあるが,仕上がりによっては唯一無二の存在になる可能性も感じられる。今後の展開に,引き続き期待していきたいタイトルだ。

「メビウスオンライン」公式サイト

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