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コーエーテクモホールディングス,2011年3月期決算説明会を実施。今後は「守り」から「攻め」に転じて,経常利益率20%を超す高い収益性に挑戦
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印刷2011/05/14 00:00

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コーエーテクモホールディングス,2011年3月期決算説明会を実施。今後は「守り」から「攻め」に転じて,経常利益率20%を超す高い収益性に挑戦

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 コーエーテクモホールディングスは,2011年3月期の決算説明会を,東京都内の東証アローズにて本日(2011年5月13日)開催した。
 本説明会には,コーエーテクモホールディングス 代表取締役社長 襟川陽一氏,同取締役 阪口一芳氏,同専務執行役員CFO 浅野健二郎氏が出席し,同社の業績についての説明を行った。

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コーエーテクモホールディングス 代表取締役社長 襟川陽一氏
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コーエーテクモホールディングス 取締役 阪口一芳氏
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コーエーテクモホールディングス 専務執行役員CFO 浅野健二郎氏

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 まずは,2011年3月期の連結決算概況についての説明が,浅野氏よりなされた。
 東日本大震災の影響で一部タイトルが発売延期になったものの,主力ソフトは堅調に推移したと説明。売上高は345億200万円(2010年3月期)から320億8100万円(2011年3月期)の約7%減となったが,営業利益は33億500万円(前年同期比415.5%増),経常利益は47億880万円(同58.4%増),当期純利益は27億4100万円(同5.3%増)と,増益になったと報告した。
 ゲームソフト事業の売上高は215億9400万円で,営業利益は23億3600万円となる。
 主なタイトルとして2タイトルを挙げ,「真・三國無双6」(PS3/Xbox 360)はグローバルで66万本を出荷,ソーシャルゲーム「100万人の真・三國無双」との連動という新しい試みも行ったとした。また,ニンテンドー3DSのローンチタイトルとして「戦国無双 Chronicle」を発売,こちらはグローバルで26万本を出荷した。

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 オンライン・モバイル事業の売上高は46億1000万円,営業利益は12億200万円。「大航海時代 Online」の拡張パック第4弾「〜Tierra Americana〜」のサービスが開始され,6周年記念イベントを実施するなど,人気を博しているとした。
 また,具体的な数字は明らかにされなかったが,同事業では「100万人の信長の野望」は登録会員数150万人に近づき,「100万人の三國志」も登録会員数100万人を突破するなど,ソーシャルゲームが引き続き好調であると説明した。

 メディア・ライツ事業においては,同社のネオロマンスシリーズのイベントで年間約13万人の観客動員数を達成したと報告。しかしながら,2011年3月の東日本大震災の影響で,3月に開催予定だった2つの大型イベントを中止,一部商品の出荷時期を次期にスライドしたことなどにより,1億900万円の営業損失になったと述べた。

 SP(スロット・パチンコ)事業では,同社のIPを活用した版権許諾,液晶受託開発などにより,売上高18億9600万円,営業利益4億9700万円と売上が伸長したとのこと。
 なお,のれん代の償却費用については,2010年3月期は各事業に配賦していたが,セグメント区分の変更により,全社消去として計上しているとのこと。また,出版事業については,2011年3月期より,メディア・ライツ事業からゲームソフト事業に区分変更が行われている。

 浅野氏は,ゲームソフトの売上の数字は(震災の影響もあり)落ち込んだものの,主力タイトルが順調に推移したこと,また開発における経費削減を実施したことで,全体としては大幅増益という形になったと述べた。
 オンライン・モバイル事業では,2010年3月期は8億2800万円の減収だったものの,ソーシャルゲームがヒットし業績に貢献したことで2011年3月期は12億200万円の営業利益を出し,短期間でのV字回復を実現したと説明。メディア・ライツ事業では損失となったが,これはイベントは順調に推移していたものの,2つの大型イベントを中止したためであるとした。
 そのほか,SP事業ではIP貸し出しによる版権許諾,アミューズメント施設では効率化により増収増益となるなど,全区分で基本は増益の方向にあると述べた。

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 販管費については,全部門でコストダウンを行った効果が出たと説明。広告宣伝・販促費用は前年同期から9億6900万円減,外注加工費は14億3600万円減となり,対売上高比率が2010年3月期の16.7%から11.5%へと大きく下がり,効率化への取り組みが数字となって現れた形となった。
 なお,減価償却費は9億9000万円と,前年に比べて若干減少。設備投資費は16億8500万円(2010年3月期)から7億2000万円(2011年3月期)と大きく変動しているが,これは東京都千代田区九段の新社屋建設が影響しているとのこと。

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 続いて浅野氏から,2012年3月期の計画概況が説明され,売上高350億円(前年同期比9.1%増),営業利益50億円(同51.3%増),経常利益65億円(同35.8%増),当期純利益36億円(同31.3%増)を見込んでいるとした。なお,CWS Brainsは,2012年3月期より,オンライン・モバイル事業に区分が変更される予定だ。
 なお,地域別売上高は,海外を15.7%の構成比とし,海外を主力とした大型タイトルの投入,ソーシャルゲームの海外展開などに注力していく計画とのこと。海外においては,タイトル販売本数は56万本と減るものの,計画では売上高は21.7%の増収見込みとした。

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 続いては,代表取締役社長の襟川氏より,来季の経営方針/戦略のプレゼンテーションが行われた。
 襟川氏は,「創造と貢献」を経営理念とし,世界No.1のエンターテイメントコンテンツを創発する企業グループとなることをビジョンとして掲げると説明。経営方針として以下の4項目を挙げた。

(1)お客様に最高の感動を
(2)国際社会への貢献
(3)活力に満ちた会社の実現
(4)株主価値の最大化


 国際社会への貢献については,東日本大震災に対する支援として,合計で1億3302万9897円を拠出,また,被災地の「コミュニティFM放送局」を運営するボランティア,NPO活動の支援として,2年にわたり合計1億円を拠出していると報告した。

<参考>
コーエーテクモホールディングス公式サイトより
コーエーテクモグループにおける「東日本大震災」の被災地への支援について(PDF)


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 そして襟川氏は,今期は年率2桁の成長,20%近い利益率の実現を目指すとした。その根拠としては,ソーシャルゲームにおいて2倍の成長を実現すること,パッケージゲームにおける新ハード対応を挙げた。

 ソーシャルゲーム市場における同社の優位性としては,同社が無双シリーズ,NINJA GAIDENシリーズ,DEAD OR ALIVEシリーズといった有力IPを保持していること,13年にわたるPCオンラインゲーム事業の開発・運営ノウハウを持つことなどを挙げた。
 また,スマートフォン市場はグローバルで拡大しており,同社では2年前からスマートフォン/ブラウザゲーム市場に進出済みであることから,それが大きな強みになるだろうと,述べた。
 続けて襟川氏は,ソーシャルゲームについて,現在では「100万人の信長の野望」は登録会員数150万人,「100万人の三國志」は登録会員数100万人を超えており,2011年春には「ラブラブ天使様 〜アンジェリーク〜」をリリース予定であると説明。
 携帯電話/ブラウザゲーム/スマートフォンの各プラットフォームに自社有力IPを展開することで,チャネルの拡大を図るとした。また,スマートフォンには積極的に対応していき,タイトルは未発表としながらもFacebook向けのタイトルを制作中であると発表。
 そのほか,「my GAMECITY」の海外拡大と連携,オンライン・パッケージゲームの連携を図るなど,ソーシャルゲームにおけるグローバル戦略の説明をした。
 これに伴い同社ではリソースのシフトを行い,ソーシャルゲームの開発人員を現在の100人から200人(目標)に倍増させるとのこと。
 そのほか,中国,東南アジア,アメリカ,欧州へソーシャルゲームを積極的に展開するため,DeNA,グリーといったパートナー企業との連携を強化していくと,襟川氏は述べた。

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 パッケージゲームについて襟川氏は,ニンテンドー3DSを例に挙げ,市場環境は厳しいものの,今後は個人消費の回復や,任天堂による主力タイトルの継続投入で,回復基調に転換するのではないかと,見解を述べた。
 そのほか,他社とのコラボレーション施策の推進,海外向けタイトルのマーケティング強化,ソーシャル要素の拡充などを行い,成長を実現するとした。
 なお,他社とのコラボについて襟川氏は,まだその内容は明かせないとしながらも,「最高に面白いコンテンツを提供していく」と,自信たっぷりにアピールしていた。

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 そして襟川氏は,収益性の実現について,無双シリーズやNINJA GAIDENシリーズといったナンバリングタイトルを展開して充実させること,とくに新ハード対応を積極的に行っていくと述べた。
 また,継続的なコストダウンにも取り組んできたことで,この2年で組織はスリム化し,効率化を実現。今後は「守り」から「攻め」に転じて,経常利益率20%を超す,高い収益性に挑戦していくと宣言した。

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 説明会の最後には,質疑応答の時間が設けられた。本稿の締めとして,以下にそのトピックをまとめておこう。


 オンライン・モバイル事業では,オンラインゲームとソーシャルゲームの売上高の内訳は,それぞれどのくらいかという質問が出た。これについては,区分けは開示していないものの,PCよりもモバイルのほうが大きくなるだろうと同社では考えているそうだ。
 また,オンラインゲームでのタイトルを増やす予定はないが,ソーシャルゲームではタイトル数は現在の2倍以上,20タイトル程度を予定しているとのこと。トータルとしては,オンライン・モバイル事業での収益性を約2倍にしたいというのが,目標ということだ。

 続いて出たのは,ソーシャルゲームの市場に関する同社の認識,またタイトル数が増えたら開発費がかさむのではないかという質問。
 これについて襟川氏は,ソーシャル市場環境は,引き続き全体としては伸びている認識だとコメント。
 ただ,同市場における競争は厳しくなってきており,同社では強力なIPの投入,パッケージゲームとの連動で,他社と差別化するという方針だという。
 また,1タイトルあたりの開発費はコストダウンの領域になるが,同社では携帯/ブラウザゲーム/スマートフォン系のフレームワークを早期に開発するなど,徹底的に取り組んでいるとのこと。
 襟川氏は,同社の技術支援部には40名ほどが在籍し,基礎技術開発を行っている。新しいビジネスをコストをかけずに開発できるユーティリティ/ライブラリ開発を継続して行うことで,コストダウンを実現したいと考えていると補足した。
 なお,先日サービスを開始した「100万人の真・三國無双」について襟川氏は,開始3週間ほどで登録会員数は30万人近くまで達し,いいスタートを切れたと感じているとコメント。「真・三國無双6」も好調で,ソーシャルゲームとの連動も成功したと認識しているそうだ。襟川氏は,「100万人の信長の野望」「100万人の三國志」に続き,グリーと連携して100万人を超えるよう目指していきたいと述べていた。

 ニンテンドー3DS,NGPのタイトル見込みについて,襟川氏からのコメントを得られた。
 襟川氏は,前置きとして,任天堂が相当強い意志でスタートしたハードだが,東日本大震災の影響などで,任天堂の考えている数字に至っていないのでは,と自身の見解を述べた。今後は復興の機運も盛り上がり,また任天堂が5月以降仕切り直し,主力タイトルを今期中に出していくと感じている,短期的に数字は出ていないが,中長期的には任天堂の考えている数字を超えていくのではないか,と付け加えた。
 襟川氏はさらに,海外でも3DSの機運が高まっており,ホリデーシーズンに向けてソフトの拡販が期待できる,同社では複数タイトルを用意して,市場を盛り上げていきたいと述べた。
 また,E3で発表される見込みのWiiの次世代機については,「まだ内容を承知していませんが」と述べつつも,同社はハードのローンチにタイトルを間に合わせる確実なゲームソフトメーカーとして各ハードメーカーから信頼されているので,何らかのローンチタイトルを出したい,一緒に市場を作っていきたいと述べていた。
 NGPについても,未発表だが同社ではタイトルを予定しており,リリースの予定があることを明らかにした。

 現在まだ解決していないPlayStation Networkの問題については,PS3対応のオンラインゲームが遊べない,DLCが販売できないといった問題はあると認めた。
 同社としては,今後はソニーのネットワークに頼らずに独自に売上が立てられるような,PSNに重点を置かない形での再設定を行いたいとコメントしていた。

コーエーテクモホールディングス公式サイト

<参考>
コーエーテクモホールディングス公式サイトより
平成23年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (PDF)
2011年3月期 決算説明会資料(PDF)


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    大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜

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