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【PR】MSIの最強グラフィックスカード「GeForce RTX 4090 SUPRIM X 24G」の実力を検証。4K以上の解像度でも美麗なゲームを楽しめる
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NVIDIA製のGPU「GeForce RTX 4090」が,現在のところ名実ともにゲーマー向けとして最高の性能を持つGPUという点を,否定するゲーマーはいないだろう。ゲームによっては4K解像度ですら軽すぎるほどの性能を持っており,これまでの常識を覆す,まさに桁外れのGPUだ。
本稿では,そんなGeForce RTX 4090を搭載しつつ,オリジナルクーラーを採用して高クロックでの動作を狙ったMSI製グラフィックスカード「GeForce RTX 4090 SUPRIM X 24G」(以下,RTX 4090 SUPRIM X)の性能を確かめてみたい。オリジナルクーラーの性能や静音性,さらにはゲーム性能といったところをチェックしてみよう。
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メッセージ:MSIのRTX 4090 SUPRIM X製品情報ページ
2つのVBIOSを搭載しブーストクロックを2625MHzに引き上げたRTX 4090 SUPRIM X
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GeForce RTX 4090のリファレンスカードにあたる「GeForce RTX 4090 Founders Edition」と比べると,定格クロックやメモリクロックは変わらないが,ブーストクロックが2520MHzから2625MHzへと,105MHzも高い設定となっていた。
後段でも触れるが,RTX 4090 SUPRIM Xは,MSI独自の高性能クーラーを採用しているのが特徴だ。その冷却性能による余力が,この+105MHzのクロックアップ設定につながっているのだろう。
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なお,RTX 4090 SUPRIM Xは「Gaming」と「Silent」と名付けられた2種類のVBIOSを搭載しており,カード上のスイッチで切り替えて利用できる「Dual BIOS」機能を持つ。
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VBIOSの初期設定は,RTX 4090 SUPRIM Xの性能をフルに発揮できる「Gaming」になっているが,「Silent」側に切り替えると,ファンの騒音を抑えた運用ができるという。
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RTX 4090 SUPRIM Xにおいて,グラフィックスカードのクロック設定を変えるツールは2種類が用意されている。ひとつは,MSI製品の統合設定ツール「MSI Center」だ。
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MSI Centerの機能モジュール「User Scenario」にある4つのシナリオのうち,「Silent」を選択すると,ブーストクロックがリファレンスと同じ2520MHzに抑えられる。
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一方で「Customize」シナリオを選択すると,GPUのブーストクロックおよびメモリクロックを,1MHz刻みでカスタマイズできる。
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余談気味だが,高度なオーバークロックを目指すマニア向けには,GPUチューニングツールとして定評があるMSI製ソフトウェア「Afterburner」を利用できる(関連リンク)。Afterburnerで設定可能なブーストクロックは,定格に対して1MHz刻みで−502〜+1000MHz,メモリクロックは1MHz刻みで−1004〜+4000MHzの範囲となっていた。
そのほかにもAfterburnerでは,ファン回転数の設定やコア電圧のカスタマイズが可能で,マニアックなオーバークロックを突き詰められる。
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なお,Afterburnerによるオーバークロックはもちろん,Customizeシナリオによるオーバークロックも,動作はメーカー保証外となる。どちらもMSIが提供している純正ツールではあるが,オーバークロック動作まで保証されているわけではない点は注意してほしい。
高性能クーラーにより高い静音性を実現
ここからはRTX 4090 SUPRIM Xの外観を見ていこう。
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RTX 4090 SUPRIM Xのカード長は,突起部を除いて実測で約338mmだった。カードの高さも実測で約125mmもあり,ブラケットより35mmも高いので,利用するにはグラフィックスカード周囲の空間に十分な余裕のあるPCケースが必須だ。
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カード厚は実測約75mmで,3スロット分を占有する厚みだった。大柄なカードだけに,重量は実測2.42kgもある。スロットとブラケットだけでは支えることが難しい重量なので,RTX 4090 SUPRIM Xには調節可能なサポートステー(ビデオカードホルダー)が付属している。これを利用すれば,安定した設置が可能だろう。
重量級のカードだけに,背面は金属製のバックプレートでガッチリと補強されている。材質はアルミニウム合金で,厚さは実測約1.5mm。バックプレートの端は曲げ加工で強度を増しており,極めて頑丈だ。それに加えて,2種類のヘアライン仕上げや銀のワンポイントが施されており,見た目も美しいバックプレートである。側面がガラスパネルのPCケースを利用しているのなら,映えること間違いなしだろう。
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冷却システムには,MSI独自の「TRI FROZR 3S」を採用している。TRIという接頭辞のとおり,直径約95mmの大型3連ファンによって,PCケース内に排熱する冷却システムだ。
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ファンブレードの末端や,ファンを取り囲むシュラウドの形状も最適化されており,乱流を抑えて効率的な冷却を可能にしている。
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その代わり,若干だがGPU温度は上がり気味だ。そのため,先述のMSI Centerにある「Graphics Fan Tool」を使って,Zero Frozrを無効化できるようにもなっていた。
ちなみに,このファンは回転しているときでも非常に静かだ。ゲームをプレイしている高負荷時でさえ,ごくわずかな低周波音が聞こえるかなという程度で,CPUや電源のファンの騒音ほうがはるかに大きいくらいである。GPUの騒音に悩まされることはないと断言していいと思う。
ヒートシンク全体のサイズは,大まかな実測で300(W)
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ヒートシンクとGPUを結ぶヘッダ部には,ベイパーチャンバーを採用するのもポイントだ。TRI FROZR 3Sでは,ベイパーチャンバーで受けた熱をヒートシンクを縦横に貫く大型のヒートパイプに伝えて,大型のヒートシンクに拡散,排熱する仕組みである。
高い性能を有するGPUを支える電源部は,「Smart Power Stages」(SPS)と呼ばれる低損失のものを採用しているそうだ。フェーズ数などは公開されておらず,テスト前にカードを分解すると冷却性能に悪影響を与えるので,直接基板を視認はできていないのだが,「High-Efficiency Carbon Inductors」(HCI)と呼ばれる一体成型型のチョークコイルを採用することで,いわゆるチョーク鳴きを抑えているとのこと。実際,使用中にチョーク鳴きが聞こえることはなかった。
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映像出力インタフェースは,DisplayPort 1.4×3とHDMI 2.1×1を装備する一般的な仕様だ。
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前世代の同クラスGPUを交えてRTX 4090 SUPRIM Xの実力をテスト
それでは,RTX 4090 SUPRIM Xのテストに進もう。今回のテストでは,先述したUser Scenarioを「Customize」に設定して,GPUクロックやメモリクロックは出荷時設定のまま固定とした。
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CPU | Core i9-13900K(24C32T,定格クロック3.0GHz, |
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CPUクーラー | ASUS |
マザーボード | MEG Z790 GODLIKE |
メインメモリ | G.Skill |
グラフィックスカード | MSI GeForce RTX 4090 SUPRIM X 24G |
GeForce RTX 4080 16GB SUPRIM X |
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GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G |
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ストレージ | GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 2TB |
電源ユニット | SilverStone Technology SST |
OS | 64bit版Windows 11 Pro 22H2(Build |
チップセットドライバ | Chipset Software |
グラフィックスドライバ | GeForce |
シナリオを固定する代わりに今回は,比較対象としてGeForce RTX 4080を搭載する「GeForce RTX 4080 SUPRIM X 16G」(以下,MSI 4080 SUPRIM X)に加えて,1世代前の同クラスとなるGeForce RTX 3090を搭載する「MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G」(以下,MSI 3090 GAMING X)を用意した。RTX 4090 SUPRIM Xを加えた3製品を使って,下位モデルや前世代からの性能向上を見ていこうと思う。
テスト内容は4Gamerのベンチマークレギュレーション25をベースにした。4Gamerでは,すでにレギュレーション26を公開しているが,本テストには間に合わなかったためだ。
テストに使用したベンチマークやゲームタイトルは,レギュレーション25から3DMark(Version 2.25.8043),「Far Cry 6」「バイオハザード ヴィレッジ」「Borderlands 3」「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」(以下,FFXVI暁月のフィナーレ ベンチ)「Project CARS 3」を選択。さらに,「Call of Duty: Warzone」の代わりに,ベンチマークレギュレーション26で追加された「Call of Duty: Modern Warfare II」(以下,CoD:MW2)も実施している。
3DMarkでは,DirectX12 Ultimateの性能を測る「Speed Way」とレイトレーシング性能を見る「Port Royal」,それにNVIDIA独自の超解像技術DLSSのテストとなる「NVIDIA DLSS Feature test」を追加した。DLSS 3のテストではないのは,1世代前のGeForce RTX 3090がDLSS 2までしか対応していないためである。
さらに,今回はグラフィックス品質やテスト解像度をレギュレーションから大きく変えている。というのも,GeForce RTX 4090は1920×1080ドットはもちろん2560×1440ドットでさえ,CPUがボトルネックになるほどの高いグラフィックス性能を持つことが分かっている。そのため,一部タイトルではGeForce RTXシリーズが対応する超解像技術「Deep Learning Dynamic Super Resolution」(関連記事,以下 DLDSR)を使って,レンダリング解像度を5760×3240ドットまで引き上げる設定を追加した。
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具体的な設定については,個別タイトル部分で触れることにしたい。
5760×3240ドットでもプレイ可能なフレームレートを叩き出すRTX 4090 SUPRIM X
それでは3DMarkの結果から順に見ていこう。グラフ1は,DirectX 11世代の「Fire Strike」における総合スコアをまとめたものだ。
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RTX 4090 SUPRIM Xのスコアは,MSI 4080 SUPRIM Xに対してFire Strike Ultraで約1.39倍,同Extremeで1.18倍,Fire Strikeで1.08倍となった。また,MSI 3090 GAMING Xに対しては,順に1.86倍,1.5倍,1.16倍となっている。GPU負荷が高いテストほど,RTX 4090 SUPRIM Xのスコアが伸びる傾向がはっきりと出ていることが分かる結果だ。
グラフ2は,Fire Strikeから「Graphics test」の結果を抜き出したものである。
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傾向は総合スコアとほぼ変わらず,GPU負荷が高いテストほど,RTX 4090 SUPRIM Xのスコアが伸びる結果だ。4K解像度相当のFire Strike Ultraで見ると,前世代のMSI 3090 GAMING X比でRTX 4090 SUPRIM Xのスコアは約2倍に達している。CPUのボトルネックがおおむね排除できると考えられるFire Strike Ultraのスコアからすると,GPU性能も前世代の2倍と見ていいだろう。
グラフ3には,Fire StrikeのCPUテストとなる「Physics test」の結果を,グラフ4にCPUとGPUの双方を使う性能テストである「Combined test」の結果をまとめておこう。
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Physics testの結果は,RTX 4090 SUPRIM Xが一番低いという妙な結果になっている。実のところ,これまでに4Gamerで掲載したRTX 4090搭載カードのレビューでは,どれも最もGPU性能が高いと思われるグラフィックスカードが,Physics testでのスコアは低くなっており,それとまったく同じ傾向が出たわけだ。
Combined testの結果は,少しばらついており,Fire Strike Extreme時にRTX 4090 SUPRIM Xのスコアが下位モデルのMSI 4080 SUPRIM Xとほぼ同じになるという妙な形になってしまった。Combined testの結果がスペックに比例しないという傾向は,やはりこれまでのRTX 4090搭載カードのレビューでも見られている。つまり,Fire StrikeのCombined testは設計が古いため,最新のCPUやGPUを使用するとまともな結果が出ないことがあり,これも同様の理由でばらついたものと考えられる。
続いて,3DMarkのDirectX 12のテストである「Time Spy」の総合スコアをまとめたものがグラフ5だ。
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RTX 4090 SUPRIM Xのスコアは,MSI 4080 SUPRIM Xに対してTime Spy Extremeで1.28倍,Time Spyで1.22倍だった。MSI 3090 GAMING Xに対しても,それぞれ1.64倍,1.58倍となっている。Fire Strikeほどではないが,DirectX 12でも,高負荷になるほどRTX 4090 SUPRIM Xの実力が発揮できるという傾向が見て取れる。
グラフ6は,Time SpyからGPU testの結果を抜き出したものだ。
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おおむね総合スコアと同傾向といっていいだろう。GPU負荷が高いTime Spy ExtremeにおけるRTX 4090 SUPRIM Xのスコアは,MSI 4080 SUPRIM X比で1.4倍,MSI 3090 GAMING X比で1.9倍だった。CPUの影響を除いたGPUの実力差と見ていいだろう。
グラフ7はTime SpyからCPU testを抜き出したものだ。
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おおむね横並びになるはずのテストだが,Time Spy Extremeのみ,RTX 4090 SUPRIM Xのスコアが振るわない。RTX 4090搭載カードを対象とした過去のレビューでも,Time SpyのCPU testで性能が高いGPUのほうがわずかに低いスコアが出る傾向は見られたので,3DMarkではこういう傾向があるという理解に止めておいていい。
続いて,DirectX 12 UltimateのテストとなるSpeed Wayの結果をグラフ8にまとめている。
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DirectX 12 Ultimate対応タイトルが増えているので,Time Spyよりも,Speed Wayの結果は重要と言っていい。RTX 4090 SUPRIM Xのスコアは,MSI 4080 SUPRIM Xに対して1.41倍,MSI 3090 GAMING Xに対して1.85倍となった。
スコア自体はTime Spy Extremeに近い傾向で,新世代のゲームをプレイするのなら,RTX 4090 SUPRIM Xの導入で,極めて高い性能が得られることがはっきり分かる結果だろう。
続くグラフ9は,DirectX Raytracingによるリアルタイムレイトレーシングの性能を測る「Port Royal」の結果である。
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RTX 4090 SUPRIM XのスコアはMSI 4080 SUPRIM Xに対して1.46倍,MSI 3090 GAMING Xに対して1.91倍である。Speed Wayの結果に比べると,下位モデルや前世代からの伸びが有意に大きいという点が見どころだろう。
3DMarkの最後は,超解像技術DLSSの性能を見るDLSS Feature testの結果である(グラフ10)。
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DLSS Feature testにおいて,RTX 4090 SUPRIM Xは244fps台という,非常に高いスコアを記録した。RTX 4090 SUPRIM Xの高いGPU性能とDLSSを組み合わせれば,4K解像度やそれ以上でもゲームを快適にプレイできそうだ。4K解像度を超えるディスプレイを用意するのは大変だが,それくらいの性能を備えているGPUということは間違いない。
以上,3DMarkの結果をまとめると,RTX 4090 SUPRIM Xは下位モデルのMSI 4080 SUPRIM Xに対してざっくりと1.4倍前後,前世代のMSI 3090 GAMING Xに対しては1.8〜2倍程度の性能が期待できそうだ。逆に,これを下回るようならCPUなど他の要因がボトルネックになっていると見ていいだろう。
ゲームにおけるテストに進もう。
Far Cry 6はグラフィックス品質として「最高」プリセットを選択したうえで,DLDSRによる5760×3240ドット,3820×2160ドット,2560×1440の3パターンでテストを行った。結果はグラフ11〜13のとおり。
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GPU負荷が最も高い5760×3240ドット時に,RTX 4090 SUPRIM XはMSI 4080 SUPRIM Xに対して1.94倍もの平均フレームレートを叩きしたたが,MSI 3090 GAMING Xに対しては1.61倍にとどまった。これはMSI 4080 SUPRIM Xのグラフィックスメモリ容量が16GBなのに対し,MSI 3090 GAMING Xは容量24GBであり,この差が出たためだろう。高解像度になるほど,グラフィックスメモリ容量が大きいほど有利になるので,新世代のMSI 4080 SUPRIM Xが旧世代のMSI 3090 GAMING Xに逆転されたわけだ。4K解像度以上のディスプレイが普及していない現状では,特殊な事例とは言える。
実際,3840×2160ドット時には,RTX 4090 SUPRIM XがMSI 4080 SUPRIM Xに対して1.43倍,MSI 3090 GAMING Xに対して1.74倍と,3DMarkの結果とあまり矛盾しない平均フレームレートを残している。
一方で2560×1440ドットは順に1.23倍,1.33倍にとどまり,明らかにCPUがボトルネックになっている。Far Cry 6はグラフィックス処理負荷が高いゲームだが,それでも2560×1440ドットでは,現行のIntel製最上位CPUでさえ,RTX 4090 SUPRIM Xの実力を発揮させられないというわけだ。
なお,Far Cry 6は平均60fpsを超えればレギュレーションにおける快適さの目安をクリアできる。RTX 4090 SUPRIM Xは,5760×3240ドットでも目安を超えている点は,注目に値するはずだ。
続くバイオハザードヴィレッジでは,解像度を3840×2160ドット,2560×1440ドット,1920×1080ドットの3パターンとする代わりに,レギュレーションでは採用していないレイトレーシングを有効化して,GPU負荷を高めてテストを行った。結果はグラフ14〜16だ。
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バイオハザードヴィレッジは,レイトレーシングを有効化しても,今回の3製品にとっては十分に軽いようで,快適なプレイの目安はすべてクリアできた。
最もGPU負荷が高い3840×2160ドットの平均フレームレートを見ると,RTX 4090 SUPRIM XはMSI 4080 SUPRIM Xの1.41倍,MSI 3090 GAMING Xの1.83倍となっている。3DMarkなどから推測できる性能差からみて極めて妥当な結果と見ていいだろう。
次のCoD: MWIIではグラフィックス品質「極限」の設定を,DLDSRによる5760×3240ドット,3820×2160ドット,2560×1440の3パターンでテストした。結果はグラフ17〜19のとおり。
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CoD: MWIIのレギュレーション26における快適さの目安は,極限が平均150fpsとハードルがやや高い。5760×3240ドットではRTX 4090 SUPRIM Xでも目安を超えられなかった。極限の目安を超えられたのはRTX 4090 SUPRIM Xの2560×1440ドット時のみなので,RTX 4090 SUPRIM Xの性能が頭ひとつ抜けている結果であることは間違いない。
一方で平均フレームレートを見ると,RTX 4090 SUPRIM Xは5760×3240ドット時でMSI 4080 SUPRIM Xに対して1.68倍,MSI 3090 GAMING Xに対して1.86倍だった。CoD: MWIIではグラフィックスメモリ容量によってMSI 3090 GAMING Xが有利になったりはしないわけだ。
続くBorderlands 3では,グラフィックス品質を「ウルトラ」とするとともに,DLDSRによる5760×3240ドット,3820×2160ドット,2560×1440の3パターンでテストを行った。結果はグラフ20〜22である。
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Borderlands 3は,60fps以上が快適なプレイの目安であるが,5760×3240ドットでは,どれも目安を超えていない。3840×2160ドット以下では,どのグラフィックスカードも目安を超えている。
目安は超えなかったとはいえ,5760×3240ドットにおけるRTX 4090 SUPRIM Xの平均フレームレートは,MSI 4080 SUPRIM Xに対して1.44倍,MSI 3090 GAMING Xに対し1.42倍も高い。3840×2160ドットになると,MSI 4080 SUPRIM Xに対して1.44倍,MSI 3090 GAMING Xに対して1.8倍も高く,ここまでの結果から見て妥当な性能差と言えよう。なお,5760×3240ドットでは,MSI 3090 GAMING XがMSI 4080 SUPRIM Xよりも高い平均フレームレートを残しているが,これもグラフィックスメモリ容量の差が出たのだろう。
FFXVI暁月のフィナーレ ベンチでは,グラフィックス品質を「最高品質」とし,DLDSRの5760×3240ドット,3820×2160ドット,2560×1440の3パターンでテストした。総合スコアをグラフ23に示そう。
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注目できるのは,RTX 4090 SUPRIM Xのみ5760×3240ドット時でも,「とても快適」の目安である11000を超えている点だ。他のGPUは,11000未満の「快適」にとどまるので,これは大きな違いだ。
スコアの傾向を見ると,RTX 4090 SUPRIM Xは,5760×3240ドット時にMSI 4080 SUPRIM Xの1.52倍,MSI 3090 GAMING Xに対して1.76倍を記録したのに対し,2560×1440ドット時には同1.12倍,1.29倍にとどまる。FFXVI暁月のフィナーレ ベンチだと2560×1440ドットでもCPUがボトルネックになるようだ。
グラフ24〜26には,FFXVI暁月のフィナーレ ベンチにおける平均および最小フレームレートをまとめておこう。おおむね総合スコアと齟齬のないフレームレートの傾向となっており,最小フレームレートにも不自然な点はなさそうだ。
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ゲームテストの最後となるProject CARS 3では,レギュレーションにおける高負荷よりのグラフィックス品質を採用するとともに,DLDSRによる5760×3240ドット,3820×2160ドット,2560×1440の3パターンでテストを実行した。結果はグラフ27〜29のとおり。
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プレイ可能な目安である60fpsを,5760×3240ドットで超えたのはRTX 4090 SUPRIM Xのみだ。4Kを大きく超える解像度でも快適なプレイ可能なのだから,素晴らしい性能としか言い様がない。
5760×3240ドットにおける平均フレームレートを見ると,RTX 4090 SUPRIM XはMSI 4080 SUPRIM Xに対して1.44倍,MSI 3090 GAMING Xに対して1.9倍と,ここまでのゲームテストにおける傾向と,おおむね齟齬のない性能が得られている。
その一方で,2560×1440ドットだと同1.03倍,1.25倍にとどまる。やはりProject CARS 3においても,低解像度ではCPUがボトルネックになるようだ。
クリエイターにも勧めたいRTX 4090 SUPRIM X
ここまでは,ゲームにおけるRTX 4090 SUPRIM Xの高い性能を確認してきたが,実のところRTX 4090 SUPRIM Xは,コンテンツクリエイターにもお勧めできる製品だ。
ゲームにはあまり関係がないので話題に登ることは少ないが,GeForce RTX 4090ではグラフィックスメモリにECCメモリを採用している。RTX 4090 SUPRIM Xも例外ではなく,ECCを有効化できるようになっていた。
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ECCを有効化すると,グラフィックスメモリ上で仮にエラーが起きても,エラー訂正により正常に動き続けられる可能性が高くなる。
グラフィックスメモリの大部分を,描画するフレームやテクスチャ,ジオメトリといったバッファとして使うゲームの場合,グラフィックスメモリで仮にエラーが起きても,ほとんどの場合は画面にノイズが走る程度の影響で済んでしまう。ECCを有効化すると,性能が1〜2割程度低下するので,リスクと天秤にかけた場合,ゲーマーにとってECCを有効化するメリットはほとんどない。
しかし,GPUを演算に利用するAI用途や,プロ向けの3Dレンダリング用途では,グラフィックスメモリでエラーが生じると致命的な結果になりかねない。したがって,ECCに対応するRTX 4090 SUPRIM Xはクリエイターにも向いているということになる。
そこで,RTX 4090 SUPRIM Xがクリエイター向けアプリでどの程度の性能持つのかを,代表的な3Dレンダラーを使って確認してみたので結果を見ておこう。
最初のテストは,Chaos Software製3Dレンダラー「V-Ray」の最新版「V-Ray 5」をベースに,GPUの性能を調べる「V-Ray 5 Benchmark」だ(※ダウンロードにはアカウント登録が必要)。
V-Ray 5は,CPUを使用する標準レンダラーに加えて,NVIDIA製GPUで利用できるCUDAおよびNVIDIA RTXに対応する。グラフ30は,V-Ray 5 BenchmarkにおけるCUDAおよびRTXのスコアをまとめたものだ。テストで得られるスコアは,レンダリング性能を示す指標で,大きいほど高性能であることを示す。
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RTX 4090 SUPRIM Xは,CUDAにおいてMSI 4080 SUPRIM Xの1.35倍,MSI 3090 GAMING Xの1.93倍のスコアを残した。RTXでは,それぞれ1.29倍,1.84倍である。ECCメモリに対応する前世代のMSI 3090 GAMING X比だと,2倍近い性能向上が得られているわけで,RTX 4090 SUPRIM Xの高いレンダリング性能がうかがえる。
2つめはオープンソースの統合3D制作ソフトとして名高い「Blender」の公式ベンチマーク「Blender Benchmark」だ。「monster」「junkshop」「classroom」という3つのシーンをレンダリングして,要した時間を計るテストで,レンダラーはCPUおよびGPUのレンダリングに対応する。
グラフ31に,Blender Benchmarkにおける1分あたりの平均サンプル数をスコアとしてまとめてみた。値が大きいほど性能が高いことを示す。
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RTX 4090 SUPRIM Xは,MSI 4080 SUPRIM Xの約1.34倍前後,MSI 3090 GAMING Xに対しては実に1.73倍〜2.15倍という極めて高いスコアを記録した。前世代のGPUを持っているクリエイターにとっても,買い替える気になるには十分すぎるほどの性能差だ。
冷却システムTRI FROZR 3Sの高性能を確認
最後に,消費電力やCPUの温度についても調べてみよう。
4基の8ピン電源を使うRTX 4090 SUPRIM Xは,レギュレーションに準じた方法ではグラフィックスカード単体の消費電力を測定できない。そのため参考として,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の最大消費電力も計測した。
グラフ32は,各アプリケーションベンチマークを実行したときの最大消費電力と,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう設定したうえで,30分放置後の消費電力をアイドル時としてまとめたものだ。
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RTX 4090 SUPRIM Xでは,3DMark実行時に記録した793.8Wが最大だった。ゲームでは,Borderlands 3実行時の728.5Wが最大である。下位モデルのMSI 4080 SUPRIM Xに比べると多くのアプリで100Wほど最大消費電力が高くなっているが,その分だけ性能が高いので致し方ないところか。余力も考慮すると,1000W超の電源は必須と見るべきだ。
それよりも注目したいのは,MSI 3090 GAMING Xに比べると,RTX 4090 SUPRIM Xがごくわずかな消費電力アップにとどまる点だ。前世代に比べて2倍近い性能を持つことを考えるに,RTX 4090 SUPRIM Xの電力性能は非常に高いと言っていい。
最後に,GPU温度もまとめておこう。グラフ33は,GPU-Zでログを記録し3DMarkのストレステストを実行後,ストレステスト実行中の最大のGPU温度を抜き出しまとめたものである。
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RTX 4090 SUPRIM XのGPU温度は,MSI 4080 SUPRIM Xに対して約2℃,MSI 3090 GAMING Xに対して約3℃高いだけだった。性能を考えると,ごく穏やかといっていい。
この温度で止めているのは,RTX 4090 SUPRIM Xの冷却システムTRI FROZR 3Sが優れた冷却性能を有するからと考えていいはずだ。先述のように,RTX 4090 SUPRIM Xは高負荷時にも極めて静かなグラフィックスカードでもあるので,GPUの温度が70℃以下に止まったのには驚いた。消費電力は大きいものの,温度面で扱いにくくはない製品と言えようか。
ウルトラハイエンドの性能を求めるゲーマーやクリエイターにお勧め
RTX 4090 SUPRIM Xの性能を見てきた。GeForce RTX 4090を搭載するだけに非常に高い性能を持つ点は想像通りといったところだろう。
価格の面で,「誰にでもお勧めできる」とは言い難いが,4K解像度やそれ以上の解像度でリッチなグラフィックスを体験したいゲーマー,あるいは高いGPU性能を求めるクリエイターなら,RTX 4090 SUPRIM Xは価格なりの価値を得られるはずだ。
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中でも,極めて高い性能を持つと同時に静音性を兼ね備えた冷却システムを搭載し,若干のクロックアップによる性能向上を得られる点は素晴らしく,RTX 4090 SUPRIM Xは,魅力的な選択肢といえる。ウルトラハイエンドの性能を求めるPCユーザーなら,購入に値する製品とまとめておきたい。
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