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[Gamescom]いよいよ開幕。8月18日からヨーロッパ最大のゲームショウ「Gamescom 2010」がドイツのケルンを舞台にスタート
開催前には,各社のプレス向けカンファレンスも行われるほか,8月16日から3日間,同じくケルンメッセを会場に,ヨーロッパ版Game Developers Conferenceである「GDC Europe」が併催されている。さらにGamescomに合わせたコンサートやゲーム大会が行われるなど,この一週間,ケルンはまさに欧米ゲーム業界の中心地という雰囲気になる。
6月にロサンゼルスで開催されたElectronic Entertainment Expo(E3)が,メディアやバイヤーを対象にしたクローズドなショウであるのに対して,このGamescomは基本的にファンイベント。8月21日〜22日は一般開放日となり,ゲーマーにとっては発売前のタイトルが自由に遊べる得がたいチャンス。当然ながら大人気で,会場の広さにも関わらず,移動すらままならないほどの混雑状況となる。
2009年に開催された第1回Gamescomの来場者数は,公式発表で24万5000人。イベントの性格が違うので単純な比較に意味はないが,来場した人数だけを比べれば,GamescomはE3と東京ゲームショウを合わせたよりも多いのだ。ちなみに,昨年の出展社数は458社で,来場者数には,約4000人のメディアも含まれている。
そんなGamescomは,今年で2回目を迎える。それだけ聞くと,まるで彗星のように現れてトップを奪ったルーキーのような印象だが,ご存じのように2008年までは,ライプツィヒを会場にしたゲームイベント「Games Convention」が開催されていた。それが昨年から名称を変え,場所もケルンに移されたという経緯がある。
E3の規模縮小などの理由から,毎年のように拡大を続けてきたGames Conventionだったが,増大する来場者やメディア,メーカーを受け入れるライプツィヒ市のインフラがすでに限界に達したため,ドイツの業界団体であるBIUがケルンへの移転を決めたというわけだ。
Games Convention自体は今年も引き続き行われているのだが,ブラウザゲームとカジュアルゲームを中心にした,規模の小さなものになっている。このへんの話は,2009年8月28日に掲載した連載記事に詳しいので,興味のある人は参照してほしい。
そんなGamescomの季節が,またケルンにやってきた。例年のように4Gamer編集部では取材班を現地に送り,イベントの最新情報を日本にお届けする予定だ。
今回も,Microsoft,Sony Computer Entertainment,Nintendoという3大プラットフォームホルダー(の現地法人)が顔を揃えているほか,Activision Blizzard,Electronic Arts,Ubisoft Entertainmentといった欧米ゲーム業界の大手が展示を行う。Square Enix,Namco Bandai Games,KONAMIといった日本企業も参加するほか,E3には顔を出さなかったようなヨーロッパやロシア,東欧の中堅メーカーも出展を予定している。
もっとも,2009年からE3が再びメガショウに復帰した関係もあり,メディアの視点で見ると,Gamescomが「新情報の宝庫」であるとは言いにくいのも事実。E3からわずか2か月後の開催であるため,発表内容がE3に重なってしまう場合も多いのである。基本はやはりファンイベントなのだ。
9月の東京ゲームショウにターゲットを絞る大手ゲームメーカーの中には,Gamescomへの参加を見合わるところも少なくなく,そろそろ「Gamescomならでは」の個性が求められる段階に来ている気もする。
ともあれ,公式サイトでは「200種類以上の新タイトル」が発表されるとしている。E3終了後に発表された大作/期待作がいくつかあるし,前述のように,E3に出展しなかったヨーロッパやロシアのメーカーが,意外な新作を引っさげてくる可能性もある。プラットフォームホルダー3社が顔を揃えるのはそれだけで価値があるし,新しいハードの発表の噂が聞こえたりもする。
会場を回るだけで足が痛くなるほどの広大さと,移動すら困難なほど無数の来場者。そして,ボトルウォーターが1本500円以上という物価の高さに負けることなく,取材班はGamescomの様子をお届けする予定なので,これからのレポート記事を楽しみにしてほしい。
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