第101回:「Warhammer 40,000: Space Marine」
イギリスのゲームズワークショップが発売中のミニチュアゲーム「Warhammer 40,000」は,遠い未来のSF世界が舞台。ファンタジーをテーマにした「Warhammer」ともども,これまで何度もゲーム化されてきたが,今回は三人称視点のアクションゲーム「Warhammer 40,000: Space Marine」となって登場。
サイバーフロントから2011年10月27日に日本語版がリリースされる本作を,一足お先に英語版で紹介しようというのが,今回の「海外ゲーム四天王」だ。ものすごくごっついプロテクターを身にまとったスペースマリーンのマッチョマン達が,どう見ても悪いヤツにしか思えないエイリアン,オルクを片っ端から血祭りにあげていくという,大変分かりやすいゲームである本作。分かりにくいゲームは,分かりにくいから嫌いだという,たいへん分かりやすいライターの朝倉哲也氏が料理した。
悪いエイリアンを多種多様な近接武器で次々にアレしろ
地球の平和を守るため,スペースマリーンが今日も大活躍
今週の海外ゲーム四天王は,人類とエイリアンが宇宙の覇権を賭けて戦いを繰り広げるというWarhammer 40,000シリーズの最新作,
「Warhammer 40,000: Space Marine」(
PC/
PlayStation 3/
Xbox 360)を紹介しよう。ご存じのように本作は,サイバーフロントから,PCおよびPlaySation 3,Xbox 360向けに,2011年10月27日の発売が決定している。もちろん,日本語にローカライズされての発売だが,今回の四天王ではそれに先立ち,英語版を紹介してみようという魂胆だ。これなら,英語が苦手な人でも安心して読めるはずで,なんというか,自分で自分の頭のよさが怖くなってくる記事ではないだろうか。
さて,時は遥かな未来,宇宙全域に植民を果たした人類は,緑色の肌をした凶暴なエイリアン種族オルクとの間に,いつ終わるとも知れぬ戦いを繰り広げていた。そんなある日,人類の軍事力を支えている工業惑星グライアにオルクの大部隊が侵攻してくる。この惑星を失うわけにはいかない人類は,精鋭部隊スペースマリーンの派遣を決定。プレイヤーは,そのスペースマリーンの一部隊を率いるタイタス中隊長となって,人類存亡の鍵を握る反撃作戦を決行するのだ。だがオルクへの反撃の切り札となるはずの新兵器を起動したとき,誰もが予想もしなかった事態が……。じゃーん! というのがざっくりしたストーリー。
ゲームモードとしてはシングルキャンペーンと,最大で16人のプレイヤーが参加した対戦が楽しめるマルチプレイの2種類だ。シングルプレイキャンペーンでは,惑星グライアに侵攻してきたオルクの大部隊を相手に,CPUが操作する数名の部下と共に決死のミッションを繰り広げていくことになる。
武器は,マシンガンやスナイパーライフルのような銃器と,接近してきた敵を屠る近接武器の2種類を装備でき,戦いの状況に応じて持ち替えて使おう。持ち替えは一瞬なので,撃ったり斬ったり自由自在だ。とくに近接武器による攻撃は,まさに本作の醍醐味といっていいだろう。チェーンソウと剣をミックスした“
Chain Sword”,背丈と同じくらいの巨大な刀身を備えた“
Power Sword”,広範囲の敵を一気に叩き潰す“
Thunder Hammer”など,ほかのゲームではあまりお目にかからないような武器で,オルクを叩き潰し,切り刻んで肉の塊に変えていくのだ。……ううう。苦手な人は要注意かも。
ともあれ,近接武器による攻撃には,連続して敵を攻撃する“
コンボ”,スペシャルモーションで息の根を止める“
とどめの一撃”,戦い続けてフューリーゲージがマックスになると攻撃の威力が上がる“
フューリーモード”など,格闘ゲームを思わせるフィーチャーが用意されており,とにかく
文句なしに爽快で面白いバトルを思う存分味わえる。グラフィックスはこのページに掲載したとおりだが,出血量は多いものの,なにしろ主人公が必要以上にマッチョないでたちであるため,リアルというよりはアメコミチックな雰囲気が濃厚だ。
マルチプレイでは,スペースマリーンチームと,キャンペーンで敵として登場するカオススペースマリーンチームに分かれてのチーム戦がサポートされている。コントロールポイントを確保して得点を稼いで勝敗を決める
「Seize Ground」,ただひたすらに敵を倒していく
「Annihilation」の2種類だけと,ちょっと数は少ないが,どちらも面白い。
ベースとなったミニチュアゲーム
「Warhammer 40,000」を知っている人はもちろん,たとえそれを知らなくとも,派手なSFアクションとして十分に楽しめる良作だ。オルクを相手に思う存分の暴れまくりが堪能できる体験版が,
Steamで公開されている。二種類のシングルプレイミッションが収録されており,本作の醍醐味を十分に味わえるので,興味のある人はプレイしてみよう。
■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
アクションゲームからMMORPG,アドベンチャーからストラテジーまで,なんでもプレイする雑色系ライター。年季の入ったPCゲーマーでもあったが,最近はコンシューマ機のゲームもプレイするようになったので,そのオールラウンダーぶりをますます強くしている。