人類の憧れである
「戦車」を大胆にフィーチャーしたMMOG(大人数参加型オンラインゲーム)として,大ヒット街道驀進中の
「World of Tanks」。ベラルーシの首都ミンスクに開発拠点を置く,Wargaming.netが開発およびサービスを行っているが,今回のE3 2011では会場に大きなブースを構えてWorld of Tanksのプレイアブル展示を行っていた。
会場の外に2両,そしてブース内に1両,第二次世界大戦で使われた本物の戦車を持ち込むという派手なディスプレイでメディアを驚かせた同社だった。それにしても,すでに正式サービスが開始されて久しいタイトルが並んでいるだけとは思えないほどの来場者が詰めかけ,列を作ってプレイの順番を待っているのも,意外な感じを受ける。さすが,欧米で300万アカウントの登録を記録した大ヒット作だけのことはあるだろう。
Wargaming.netのPRマネージャー,Arthur Pratapopam氏
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ブースにいた同社PRマネージャー,Arthur Pratapopam氏によれば,バージョンアップも順調に進んでおり,2011年夏には
フランス軍の戦車が実装され,それに続いて,時期は未定ながら
イギリス軍戦車も登場する予定とのことだ。もっとも,なんというか,進捗はゆるやかで,なかなか予定どおりには進まないのも戦車らしい重厚さといえそうだ。違うかもしれないが。ところで,実装すると言っていた,日本の戦車はどうなったのだろう?
外部に展示されていた,M4 A3シャーマン戦車(左)とT34/85戦車(右)
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ブースに展示されていたJagdpanzer 38(t)。通称ヘッツアー
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実装が予定されているフランス軍戦車のテックツリー。第二次世界大戦勃発早々,ドイツ軍に席巻されてしまったフランスでは,見るべき戦車は少ないが,初期のルノー,ソミュア,B1などは興味深い。また,戦後に開発されたAMX-50など,珍しい車両も確認できる
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それはともかく,World of Tanksは基本料金無料のFree-to-Playタイプのゲームで,プレイヤーは戦車を駆って戦場に出,戦功をあげて経験値を稼ぎ,自分の戦車をパワーアップしたり,新たな戦車を購入できたりする。
最初はちっぽけなオモチャみたいな戦車しか乗れないが,戦車兵のスキルを上げつつプレイを続けると,やがてパンターやティーガー,JS3といった著名戦車を我が物にすることができ,そのへんが戦車好きのハートをくすぐって止むことがないのだ。戦車の種類も非常に多いので,コレクター魂に火がついてしまうプレイヤーも多いようだ。
第二次世界大戦の戦車をメインにしているが,ゲームでは架空の戦場を舞台にさまざまな国/時代の戦車が入り乱れて戦うことになり,歴史的リアリティはほとんどない。歩兵や航空機は登場せず,また補給などの面倒な概念もないので,本当に戦車のドンパチだけが楽しめるのだ。このへんの割り切りの良さが成功した理由の1つだろう。
これまでも何度か記事にしてきたし,日本人プレイヤーも少なくないので詳しい内容はこのへんにしておきたいが,ここで,ちょっとしたニュースをお届けしたい。
戦車の次は飛行機だった! わー,びっくりだ。すでに,一部のメディアでは報道されているが,Wargaming.netがWorld of Tanksに続いてサービスの開始を予定しているタイトルは
「World of Warplanes」。タイトルからも分かるように,テーマは航空機で,1930年〜1950年にかけて使用された有名軍用機に乗って,世界のプレイヤーと激しい空中戦を繰り広げることになるようだ。
現在は“プレα”もいいところで,開発はようやく緒についたばかりとのこと。そのためスクリーンショット1枚ない状態だが,World of Tanks並のグラフィックスで空中戦ができるのであれば期待は大きい。おそらく,ガチガチのフライトシミュレータにはならず,ビギナーでも十分に楽しめるゲームになるはずだ。リリース時期も今のところ未定だが,慌てることなく待ちたい。