インタビュー
会社のなかにダンジョンが? 韓国mgameを訪問して「VALIANT」の続報も聞いてきた
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加えて,棟続きの二つのビルと二つの階層で構成された社内は,慣れないとまさにダンジョンのように迷いそう。また,ときおりトラップのように段差が出現するので注意が必要(?)だ。誰に向けて注意を促しているのかはともかくとして,筆者は危うく,右足首を持っていかれそうになったのであった。
そんなmgameだが,カスタマーサポートの一つとして,社内に一般プレイヤー用の来訪窓口があり,プレイヤーが直接会社にやって来られるという,日本の運営では見られないようなサポート体制が敷かれていたのが印象的だ。
社内にある売店。ダンジョンと言えば,HP/MPの回復は重要だ。ゲーム開発ってどっちもかなり消費しそうだし |
一般プレイヤー用の来訪窓口。わざわざ訪れるほどの熱いプレイヤーとのやりとりが,奥の部屋で日夜(?)行われているのだろう |
こうして,エムゲーム社内を見学したあと,「G★2009」で同社に説明してもらった新作オンラインアクションRPG「VALIANT」について,Won-Jae Lee氏(以下,Lee氏)に簡単なインタビューを実施した。
「G★2009」でのVALIANTの詳細記事。ムービーもあるのでぜひ見てみよう
本日はよろしくお願いします。G★2009で話を聞いてからまだ4か月ほどですが,「VALIANT」の現在の状況を教えてください。
Lee氏:
はい。「VALIANT」は先週,韓国でのクローズドβテストが終わったところです。
4Gamer:
ということは,まもなくオープンβテストが開始ということに?
Lee氏:
いえ,もっとテストが必要なので,次のクローズドβテストを行っていくことになると思います。
4Gamer:
なるほど。もっとテストが必要ということは,クローズドβテストでなにか課題点があったということだと思いますが,それはどういったものでしょう。
Lee氏:
まずはコンテンツの追加が必要です。それと,プレイヤーから指摘された問題点やバグの修正になります。新しいコンテンツについては,パーティでのPvP戦と,ギルドシステムを導入します。
ただ,一番重要なのは,安定したサービスが行えるようにすることです。オープンβテストや正式サービスに移行するにあたって,問題点が出ないように繰り返しテストを行っていきます。
4Gamer:
クローズドβテストに参加した,韓国のプレイヤーからの反応はどうでしたか?
Lee氏:
以前お話ししたように,本作はコンシューマライクなアクション性の高いゲームで,韓国にはあまりないタイプでしたので,普通のMMORPGと比べて斬新なゲームだという反応が多かったです。その中で,職業の自由度の高さや,ダンジョンマップにおけるアドベンチャー性のある地形やトラップなどが,プレイヤーからの反応が良かったですね。また,モンスターに乗って戦えることも好評でした。
4Gamer:
昔ながらの日本のコンシューマゲームに近い要素とのことで,そこが斬新に映ったんでしょうか。そういえば,前回に取材したときに,オープンβテストの頃には生産システムを実装したいと話していましたが,まだクローズドβテストを実施するということで,実装は先の話になりますか?
Lee氏:
いえ,実は生産というか,アイテム強化システムはすでに実装しています。
4Gamer:
そうでしたか。では,ほかに導入予定のシステムなどはありますか?
Lee氏:
そうですね,やはりコミュニティ機能をしっかりと入れておきたいです。ほかには,プレイヤー同士の勝負欲を刺激する,ランキングシステムを入れようと思っています。
4Gamer:
ランキングというのは,例えばPvPによる結果などになるのでしょうか。
Lee氏:
そういったランキングも入るかもしれませんが……例えば,本作ではステージをイージー/ノーマル/ハードといった難度でプレイできますが,ハードモードでのクリアタイムを競ったり,コンボ数を競ったりなど,プレイヤーが熱くなれるさまざまな要素で,ランキングを競っていただければと思います。
4Gamer:
なるほど,いくつかカテゴリーを用意して,それぞれでランキングを競うというわけですか。ところで,日本での展開については進んでいますか? 前回の取材時には,韓国の半年後くらいに展開がということでした。
Lee氏:
現在は,エムゲームジャパンから日本向けの情報を受け取って,最適化を行っているところです。これは日本だけではなく,グローバル展開に向けて,ほかの国でも準備しています。そのため,コンテンツの追加や国ごとの最適化が必要なので,まだ少し時間が掛かるかもしれません。
4Gamer:
日本からの情報をもらっているとのことですが,どのようなものがありましたか?
やはり日本でのローカライズにあたって,日本人に好まれるようなコンテンツの追加が必要ということですね。例えば,アイテムや装備,背景,日本をモチーフにしたダンジョンといった見た目の面など,日本向けのコンテンツを用意する予定です。また,UIやシステムについても各国向けにローカライズを行っています。
ちなみに,桜の花びらが舞うといった季節イベントを作る予定なのですが,桜が舞い散るテストを実際にやってみました。
4Gamer:
そういう話が聞けるということは,日本向けのローカライズも順調そうですね。話は変わりますが,本作はコンシューマゲームのようなアクションRPGということですが,ほかのオンラインゲームと比べて,開発で大変なことはありましたか。
Lee氏:
もちろんあります。例えば,本作はダンジョンでは,P2P方式になるのですが,同期やそれに関連するネットワークの最適化が大変でした。また,コンシューマゲームにある面白さを,オンラインゲームに反映するようにしていますが,これが本当に面白くオンライン化できるのかということもあり,反復的にテストを繰り返しました。
4Gamer:
コンシューマ的なアクション性を考えると,同期させるのは大変でしょうね。そのあたりは解決していますか?
Lee氏:
100%ではないですが,かなり解決されました。現状ではだいたい80〜90%といったところですね。これは,グローバルサービスのためには,多様なインフラに合わせる必要があるためで,そういった部分に関していろいろなチューニングを行っています。
4Gamer:
オンラインである限り100%の同期は無理にしても,いかに100%に近づけるかといったところでしょうね。日本や韓国はわりと高速な回線を利用しているプレイヤーが多いですが,ほかの国ですと,まだまだ回線速度が追いついていない国があって大変だと思います。
Lee氏:
ええ,そうなんです。韓国や日本ではインフラが発達しているので,ネットワーク面については簡単なんですが(笑)。
4Gamer:
そうですよね(笑)。では,G★2009で発表された本作に,興味を持っている4Gamer読者に向けてコメントをお願いします。
Lee氏:
コンシューマゲームが,強い国はやはり日本だと思います。私も日本のコンシューマゲームを楽しみながら育ってきました。一方で,韓国はオンラインゲームに関して世界最高だと思います。
私が経験した,日本のコンシューマゲームのイメージ。それをオンライン化した本作で,コンシューマゲームを楽しんできた日本のプレイヤーに,オンラインゲームでも同様の面白さを見つけてもらえればと思います。
4Gamer:
本日はお忙しいところ,ありがとうございました。
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