入手したA6-3500。OPNは「AD3500OJZ33GX」だった
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2011年9月9日0:01,AMDは,FM1パッケージのプロセッサ
「A6-3500/2.1GHz」および
「Athlon II X4 631/2.6GHz」を発表した。前者は,「Llano」(ラノ)ことAMD A-Series Fusion APUとして
初の3 CPUコアモデル。後者は,
FM1パッケージ初のCPUだ。
メーカー想定売価は順に
8980円,7980円(いずれも税込)。4Gamerではこのうち,A6-3500をAMDの日本法人である日本AMDから入手できたので,簡略ながらテストした結果をお届けしたい。
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AMD A-Seriesのラインナップ。A6-3500は北米市場だと8月に発表済みなので,今回は「日本市場投入」の発表ということになる |
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こちらはAthlon II X4シリーズのラインナップ。Athlon II X4 631は「世界初となる81ドルのクアッドコアCPU」という位置づけ |
3コアで,TDPは65Wに
CPU性能も消費電力も“7掛け”
冒頭に挙げたスライドでも示されているとおり,A6-3500のTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は65Wだ。自作PC市場で流通しているFM1パッケージのFusion APUはこれまで100Wモデルしかなかったので,この点に魅力を感じる人はいるだろう。
表1は,まさにその100W TDPモデルである「A6-3650/2.6GHz」とスペックを比べたものだが,CPUコア数が1基少ないだけでなく定格動作クロックも引き下げられるなど,TDPの引き下げに向け,CPU周りのスペックが低下しているのが分かるだろう。それを補うべく,「AMD Turbo CORE Technology」(以下,Turbo CORE)がサポートされているのも見て取れる。
一方,統合されるGPUコア「Radeon HD 6530D」のスペックは上位モデルと完全に同じだ。
ちょっとした驚きだったのは,今回,テスト機材が製品ボックスに入っていたこと。AMDのCPUサンプルが製品ボックス入りというケースは極めてまれというか,少なくともここ5年くらいは記憶にない。北米市場で発売済みだからだろうか
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というわけで,今回はこの2製品を
表2のテスト環境で比較してみたい。冒頭で,今回のテストが簡略なものになるというのはお断りしたが,A6-3500入手タイミングの都合上,性能検証は,4Gamerの
ベンチマークレギュレーション10.2から「3DMark06」(Build 1.2.0)の総合テストとCPUテストを行うに留める。テスト条件は「標準設定」で,解像度は1280×720ドットと1600×900ドットの2パターンだ。
同時に行った消費電力計測においては,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を使用。PCの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,3DMark06を実行し,最も消費電力の高い時点を「3DMark06実行時」として,それぞれスコアを取得した。また,3DMark06だけでは,3コア&低クロック化の影響が見えにくい可能性も考慮し,ストレスツール「OCCT」でシステムに100%の負荷をかけ続けたときの消費電力も「OCCT時」としてチェックすることにしている。
その結果をまとめたのが
グラフ1〜3だ。
GPUコア性能が変わらないため,A6-3500とA6-3650で3DMark06の総合スコア差は5〜6%とわずかだが,CPUスコアだと,A6-3500のスコアは,A6-3650比で約67%。3DMark06時とOCCT時で比較すると消費電力は71〜74%なので,A6-3500は,CPU性能も消費電力もA6-3650の7掛けということになる。
冒頭でも紹介したとおり,A6-3500のメーカー想定売価は8980円(税込)。これに対し,比較対象として用意したA6-3650の実勢価格は9000〜1万500円程度(※2011年9月9日現在)であり,A6-3500を高いと思うか安いと思うかは,消費電力とCPU性能をどう捉えるか次第になりそうだ。「A6-3650とそれほど変わらない3D性能を維持しつつ,消費電力が約30%低減した」という点に魅力を感じられるか否かにかかっているとも換言できるだろう。
左と中央は「CPU-Z」(Version 1.58)実行結果。左は定格,中央はTurbo CORE有効時のものだ。右は「GPU-Z」(Version 0.5.5)実行結果である。いずれも参考までに
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