プレイレポート
スプリンターセルのマルチプレイはこれで決まりだ! 「コンヴィクション」のCo-opモードで,ロシアの秘密基地に潜入
サム・フィッシャーが帰ってきた! ……って,なんだかこういう出だしの記事を2007年以降,何度も何度も書いたような気がして恐縮なのだが,今度こそ帰ってきた! Ubisoft Entertainmentが贈る人気シリーズ最新作,「スプリンターセル コンヴィクション」(PC/Xbox 360。以下,コンヴィクション)が2010年第1四半期の発売に向けて制作順調なのである。
開発は,シリーズ第1作となる「スプリンターセル」(2002年。日本語版の発売は2003年)および,第3作「スプリンターセル カオスセオリー」(2005年)という,シリーズの中でも評価の高い2本を制作した,Ubisoftのモントリオールスタジオが担当している。
「スプリンターセル コンヴィクション」公式サイト
敵の背後にこっそり接近して羽交い締め。意識を失った相手の身体をどっこいしょ,とかついで暗いところへポイ。パイプにぶら下がり,狭い隙間をくぐり,敵地の奥へ奥へと進んでいく緊張感がコアゲーマーを中心に大受けしたシリーズだが,さすがに5作目ともなると,いつまでも同じことをしているわけにはいかないのだろう。加えて,プレイヤー層をコアゲーマーからさらに広げるため,コンヴィクションではゲーム性の大幅な見直しが図られた。
それは果たしてどういうものなのか? 今回,Ubisoftの日本法人であるユービーアイソフトでコンヴィクションのマルチプレイを実際に体験することができたので,その様子をお届けしたい。プレイできたのは,Xbox 360版で,バージョンとしてはβあたり。したがって,以下の説明が製品版とは違ってくる可能性もゼロではないということで,お見知りおきを。また,撮影は禁止されていたので,掲載したスクリーンショットはユービーアイソフトから提供されたものだ。
さて,使える武器や能力がまったく違う「スパイ」と「傭兵」が秘術を尽くして戦う個性的なマルチプレイが実装されていたシリーズ従来作(厳密には,第一作とPSP版はシングルプレイのみ)だったが,今回はシリーズ初となる“Co-op”(協力モード)を大胆にフィーチャーした内容になっている。
Co-opをメインにしたマルチプレイモード
マルチプレイには,「ストーリーモード」と「作戦モード」(仮称)の二つがある。ストーリーモードでは,シングルプレイでも重要な役割を果たすことになる「ロシア製EMP兵器」をめぐるマルチプレイ用のストーリーが用意され,その物語に沿って二人で協力しつつ,ゲームを進めていくことになるのだ。
一方の作戦モード(仮称)には,4種類のルールが用意されている。ざっと紹介すると,まず「Hunter」(ハンター)は,二人のプレイヤーがマップに存在する敵を協力して全員排除するという内容で,敵に気づかれると増援がどんどんやってくるところがミソ。
「Infiltration」(潜入)は,警報機などの警備システムも含め,気づかれることなく敵をすべて無力化するというもの。「Last Stand」(ラストスタンド)では,波状攻撃をかけてくる敵からEMPを守ることが目的となる。プレイヤーが物陰に隠れっぱなしだと,敵はEMPを壊そうとするので,適当に姿を見せて敵の注意を引きつけつつ,その間に相棒がEMPを修理するといったチームワークが重要になるようだ。
最後の「Face Off」(フェイスオフ)はマルチプレイのうち唯一の対戦モードとなるが,Last Standと同様に波状攻撃をかけてくる敵をより多く倒したほうが勝ちというルールで,やっぱり直接対決はしないようだ。
今回プレイできたのはストーリーモードで,作戦モード(仮称)については,いずれ改めて紹介したい。
場所は,よりによってモスクワ「赤の広場」の地下に作られた秘密施設である。以前から,赤の広場の地下には何かありそうだとは思っていたが,こんなものがあったのね。
プレイヤーの目的は,基本的に奪われたEMP兵器を取り戻すことだが,プレイできたミッションの目的は,情報を知るある人物に接近し,彼からいろんな方法で情報をゲットすることだ。ちなみにこれは,ストーリーモードの三つ目のミッションということで,マルチプレイのストーリーモード全体は,シングルプレイに先立つ物語になっている。この出来事のあとから,サムの冒険が始まるというダンドリだ。
「赤の広場」の地下に作られた秘密基地に潜入
壁を仕掛け爆弾で爆砕し基地に潜入。警備員をスルーし,あるいは銃で撃ち倒して前進していく二人……と文章で書くと簡単そうだが,ホントはてんやわんやだったの。当然だけど,従来作とは,かなり雰囲気が違う。
まず,得意の暗視ゴーグルは,常にオン状態。上げたり下げたりする必要はなく,自分が暗闇にいて他人から見えない状態のときは画面がモノクロになり,そうでないときはカラーになる。これは分かりやすいシステムだが,ゴーグルが常にオンなので,どこが「見えないポイント」なのかは,実際に歩いてみる必要がありそうだ。移動に熱中するあまり,いつの間にか画面がカラーになっていてみんなから丸見え,という状況には要注意ね。
例によって,かなりの照明器具が破壊可能だ。ライトなり蛍光灯なりを撃ち壊して闇を作り,その闇にまぎれて進むスタイルが基本である。もちろん,ライトを壊すと敵の警備兵が,おや,どうしたのだろう? と近づいてくるので,そいつも適宜処理。
ビジュアル系で新規導入されたのが,ソナーだ。ソナー画面に切り替えると,壁などを通して敵の体が白く浮かび上がり,その所在が明らかになるのだが……,うわ,いっぱいいるなあ。
確認できるのは敵の姿だけでなく,照明や破壊可能なオブジェクトなども分かってしまうので大変便利だ。ただし,ソナーモードはコントラストの強いモノクロ画面なので,視認性は低い。要所要所で使用して,だいたいの状況をつかみ,あとは通常モードでプレイすることになるだろう。
倒れた同僚を発見すれば,敵は大騒ぎ。サイレンが鳴り響き,警戒体制に入る。そうなれば,こっそり接近して羽交い締め,といった悠長なこともしておられず,発砲がメインとなる。プレイした我々がまだあまり慣れていないせいもあるだろうが,スニークより撃ち合いに陥りやすく,敵にあらかじめマークをつけて一気に処理するというコンヴィクションの新機能「マーク&アクション」も手伝って,こちらの攻撃能力は非常に高い。パンチやキックなど,接近戦もお手のものだ。これまでの“見つかったら終わり”という緊張感は減ったが,シューティングの爽快感はグッと高まっている。
もちろん,マップやシステムに慣れてくれば,スニークだけでかわすこともできるとのこと。プレイヤーキャラクターにはサム・フィッシャー並みの高い運動能力が与えられていて,障害物を苦もなく飛び越え,天井のパイプにぶら下がる。こうした技を使いこなして華麗にスルーしていくわけだ。
二人の協力がミッション遂行には不可欠
……と,思っていたら,仲間が撃たれてしまったではないか。敵の出現ポイントと人数はあらかじめ決まっているが,そのあとは状況を判断し,それに応じた行動をとる。したがって,プレイのたびに敵の行動はまったく異なり,リプレイバリューを高めている。
今回プレイしたマップに登場する敵の数は意外なほど多かったが,どうやらこれは,我々へぼスパイが大きな音をたてるため,マップの奥のほうにいた警備員まで集まってきたかららしい。まあ,例によって敵AIのデキはよく,それなりの数がいるとなかなか手強い。そのため,一人が撃たれてしまったわけだが,どうか安心していただきたい。
相棒が元気なら,蘇生させてもらえる。しかも,撃たれながらも上半身を起こして反撃(武器は自動的にピストルになる)可能なので,うかつに近づいてきた警備員をピストルで倒しつつ,そのスキに仲間に助けてもらえばいい……と思っていたら,もう一人もうっかり撃ち倒されてしまった。ありゃ。
このように,二人とも倒されるか,倒された仲間を制限時間以内に回復させられなければ,ゲームオーバーだ。奪われたEMP兵器は敵の手に落ちっぱなしだ!
必要以上に何度もチャレンジした結果,ようやくターゲットに接近。お楽しみの「尋問」タイムである。これまで何度かお伝えしたように,尋問はコンヴィクションの新フィーチャーの一つで,なかなか口を割らない相手を鏡に叩きつけたり便器に叩きつけたりして,圧倒的な武力差を見せつつ,心を開いてお話ししてくれるようにお願いするわけだ。
で,今回の小道具はプリンタ。プリンタをターゲットの頭で叩き壊し,回転するなんだかよく分からない部品に顔を押しつけて「しゃべれ!」と命令するのだが,これはいつでも発動するわけではなく,プリンタのそばで尋問を開始しないとダメ。
というわけで,尋問する場合は,何か凶器になりそうなものはないかなあとあたりを見回すことになり,なんとなく楽しそうだ。お,あの電ノコが使えそうだぞ,なんてね。
秘密を聞き出すと,相手をひっつかんだまま網膜スキャナーに近づく。このあたりの手順は従来作のプレイヤーなら百も承知,二百も合点だろう。敵の顔をスキャナーに押しつけるとドアが開き,ミッション終了である。
このように,コンヴィクションのマルチプレイは,これまでのスプリンターセルシリーズとは大きく違う。ぶっちゃけ,違うゲームをやっているような印象だ。繰り返すが,スニークよりは戦闘がメインとなり,強力な武器や弾丸は手に入りやすい。また,ショットガンなど,でかい音を出す威力大きい武器も使用可能で,スピーディな戦いが楽しめる
いちいち暗視ゴーグルを使う必要がなく,押すべきボタンも少なめ。便利なソナーモードも使えるので,慣れてくればかなり有利にゲームを進められるだろう。
とはいえ,敵の数は多くAIも頭がいい。難度設定は三段階だが,プレイしたのは一番易しいレベルなので,難度を上げればかなり骨のあるチャレンジになるはず。
さて,こうなってくると気になるのは,シングルプレイの雰囲気だろう。我らの中年オヤジ,サム・フィッシャーの戦いぶりは果たしてどう変化したのか? 実はこれについても,いずれお伝えできそうな気配が濃厚なので,スプセルファンはお楽しみに。
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スプリンターセル コンヴィクション
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Tom Clancy's Splinter Cell: Conviction
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