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「超兄貴」25周年を祝したライブ「超兄貴祭」をレポート。マッチョマンが猛り,うみにんが踊り,皆でフロントダブルバイセップスした
このイベントは,PCエンジン用ソフト「超兄貴」が25周年を迎えた(オリジナル版は1992年12月25日発売)ことを記念して開催されたライブイベント。同シリーズに縁のあるバンドなどが出演し,超兄貴のアニバーサリーイヤーを祝した。池袋EDGEは250人収容可能な中規模のライブハウスだが,チケットは完売で,会場は満員御礼となった。
典雅の提供による「TENGA MEN'S CHARGE」が来場者に配布された。観客は自身の内面からも(いろいろな意味で)盛り上げられたのではないだろうか |
来場者を出迎えるのはリアルサムソン&リアルアドン。物販で規定額以上の商品を購入すると記念撮影(お姫様抱っこも可)を行えた |
最初の出演者は声優の上間江望さん。一発目のナンバーは,リアルサムソン&リアルアドンと一緒に演じる「サムソンとアドン」。それに続くのは,Tifanというユニットで活動していたとき,うみにん(超兄貴などメサイヤのタイトルでおなじみの隠しキャラクター)のPVシリーズに第6弾楽曲として提供した「Pouring rain」だ。
上間さんは,さらに「バレットガールズ」主題歌の「Faith」と,「バレットガールズ2」主題歌の「One's Bullet」,「キミの瞳にヒットミー」(PS4 / PS Vita)主題歌の「キャッチライト」を熱唱。しっとりとした曲調の楽曲を歌うことが多い上間さんだが,超兄貴祭ではハード系やアップテンポ系のナンバーをピックアップして,開演早々から会場を暖めた。
セットリスト
M1. サムソンとアドン
M2. pouring rain
M3. Faith
M4. One's Bullet
M5. キャッチライト
二番手は超兄貴でサウンドプロデューサーを務めたドン・マッコウ氏が率いるバンド・神鳴。演奏前から,メンバーの藤原文吾氏がブラックライトで輝くセクシーコスチュームを晒し,会場に嬌声と爆笑を巻き起こした。
演奏はバンド紹介をかねた「合コンでダンシング」から始まり,超兄貴ステージ3のBGM「ドイツ人ジャーマン」,そして村上春樹氏の著作に出てきそうな雰囲気だけどナポリタンを頬張ったりVHSにCOUNT DOWN TVを録画したりする残念な女との出逢いを綴った「ノルウェーの森」が披露された。
MCを挟んで,寿司が旨いと連呼する「スシうめぇ」,横移動したり縦に飛んだりと妖しい雰囲気で贈る「ハートオブロック」,下半身事情を語ったりブリーフを投げたりする「ゾウさんの裸エプロン」といった,カオスな雰囲気の曲が続く。
ラストはPS2用ソフト「Yo-Jin-Bo〜運命のフロイデ〜」から,当人は引退したもののファンであることを卒業できていないAV女優への思いを綴った特別バージョンの「ヘブン侍」と,「用心棒のテーマ」が演じられた。ちなみに卒業できていない女優の上位は,4位が堤さやかさん,3位が里中あやかさん,2位が小倉奈々さん,1位が星崎未来さん(5位の名前は音割れで聞き取れなかった……)とのことだ。
M1. 合コンでダンシング
M2. ドイツ人ジャーマン 〜 ノルウェーの森
M3. スシうめぇ
M4. ハートオブロック
M5. ゾウさんの裸エプロン
M6. ヘヴン侍
M7. 用心棒のテーマ
神鳴に続いて登場したのは,ボーカリストの熊谷英雄氏やエクストリームの佐藤昌平社長によるバンド・韋駄天隊。2010年の「超兄貴〇〇してみたコンテスト」に提供した「イダテン☆コズミックラバーボーイ」から始まり,「Going My Way」や「その一言を伝えたくて」を演奏した。
「愛のたね」ではスクリーンでのPV上映を挟んで,うみにんが登場。続く「ハッスルマッスル」ではリアルサムソン&リアルアドンも加わり,ロックバンド×ゆるキャラ×マッチョマンという異様なステージが繰り広げられた。そして「MOVIN’ON」と,こちらも「超兄貴〇〇してみたコンテスト」提供曲の「漢’s PANIC−メンズ☆パニック−」が,リアルサムソン&リアルアドンの肉体美とともに披露された。
セットリスト
M1. コズミックラバーボーイ
M2. Going My Way
M3. その一言を伝えたくて
M4. 愛のたね
M5. ハッスルマッスル
M6. MOVIN' ON
M7. 漢's PANIC
さらに,超兄貴のオリジナルコンポーザである“葉山の兄貴”こと葉山宏治氏もビデオレターで登場。葉山氏は映像の中で,開発を担当していたプログラマーが夜になるとオフィスの窓に向かってボディビルのポージングをキメていたなどの開発裏話や,「奇跡のバカゲーと言われているが,作っている方は超マジメだったので,プレイヤーもマジメにバカさを体感してほしい」といった旨の,ファンへのメッセージなどを語った。
トリを務めたのは流田Projectだ。チケットの購入データによると来場者は40代が多いとのことで,「聖闘士星矢」シリーズの主題歌や「破裏拳ポリマー」の実写映画版アレンジ,アニメ版「ドラゴンクエスト」EDの「夢を信じて」,「宇宙刑事ギャバン」主題歌など,懐かしアニソン&特ソンが演じられた。40代が多いというのは,少年から大人に代わる思春期に,壊れかけのレディオでなく筋肉の洗礼を受けたせいで,超兄貴に魅せられてしまった人が多いということだろう。たぶん。
しかし,これらの懐かし楽曲はあくまで前フリとのこと。クライマックスを飾ったのは,超兄貴の代表曲である「兄貴と私」だ。ここでは上間さんや佐藤社長,熊谷氏,ドン・マッコウ氏,リアルサムソン&リアルアドンも再登場。ラストは,会場内の全員でフロントダブルバイセップスのポージングを行い,超兄貴25周年記念イベントの幕引きを華やかに,かつ暑苦しく飾った。
セットリスト
M1. 未来聖闘士Ω
M2. Soldier Dream
M3. ペガサス幻想
M4. 破裏拳ポリマー
M5. 世界が終わるまでは
M6. 夢を信じて
M7. 宇宙刑事ギャバン
M8. CHA-LA HEAD CHA-LA
M9. 兄貴と私
超兄貴のゲームは2009年のPSP用ソフト「零・超兄貴」以降,シリーズの動きを止めているが,IP自体は2016年に「剣と魔法のログレス」とコラボしていたり(関連記事),メッセージアプリ用のスタンプが販売されていたり(関連記事1 / 関連記事2),コミコミで好きなセリフを喋らせられたり(関連記事)と,さまざまな場所で活用されている。偉丈夫系美青年の兄貴やサムソン&アドンの肉体などを求める声が高まれば,新作ゲームも登場するかもしれない。あとTVアニメ化したり,実写映画化したり,全人類がマッチョ化したりするかもしれない。
「超兄貴祭」公式サイト
- 関連タイトル:
零・超兄貴
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