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Intel,32nmプロセスで製造されるCPUの動作デモを公開。2009年第4四半期の量産開始に向け70億ドルを投資へ
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印刷2009/02/12 10:23

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Intel,32nmプロセスで製造されるCPUの動作デモを公開。2009年第4四半期の量産開始に向け70億ドルを投資へ

IntelのStephen L.Smith氏(Vice President, Director of Group Operation, Digital Enterprise Group)。手に持っているのは,Westmere世代のプロセッサと米国の硬貨だ
画像集#002のサムネイル/Intel,32nmプロセスで製造されるCPUの動作デモを公開。2009年第4四半期の量産開始に向け70億ドルを投資へ
 北米時間2008年2月10日,Intelは,32nm High-kプロセス技術で製造されるCPUの動作デモを米国で披露。併せて,アジア太平洋地区の報道関係者に向けて日本時間2月11日に電話ベースの説明会を開始した。
 公開されたCPUは,開発コードネーム「Westmere」(ウエストミア)として知られるプロセッサ。Intelの「Tick-Tock」モデルに従う形で簡単に説明するなら,45nm High-kプロセスを採用した「Nehalem」(ネヘイレム)マイクロアーキテクチャをベースに,32nm High-kプロセスへとシュリンクさせたもの,ということになる。

Westmere世代のデスクトップPCおよびノートPC向けプロセッサをデモンストレートした写真が公開された。右はLynnfield&ClarkdaleをサポートするデスクトップPC向けマザーボード上でClarkdaleが動作しているところ。グラフィックスカードが差さっていない点と,チップセットが「Ibex Peak」(アイベックスピーク,開発コードネーム)一つである点,メモリスロットが4本である点などがポイント
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Westmere世代では,9 copper+Low-kインターコネクトレイヤーとなる(左)。クリティカルなレイヤーには,Intel製プロセッサとして初めて液浸リソグラフィ(Immersion Lithography,シリコンウェハを超純水に浸した状態で露光させる技術)を採用したのも特徴。右は,32nm High-kプロセス世代のCPUを製造する工場(ファブ)の一覧。いずれも北米のものになる
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Smith氏が持つプロセッサをアップにしてみた。写真右下に見える小さなダイがCPU,左上の大きなダイがメモリコントローラ&グラフィックス機能となる
画像集#007のサムネイル/Intel,32nmプロセスで製造されるCPUの動作デモを公開。2009年第4四半期の量産開始に向け70億ドルを投資へ
 今回動作デモが行われたのは,2コア/4スレッド仕様のCPUダイと,デュアルチャネルDDR3メモリコントローラ&グラフィックス機能の二つを,MCP(Multi Chip Package」として一つのCPUパッケージ上に搭載した「Clarkdale」(クラークデール,開発コードネーム)と「Arrandale」(アランデール,同),二つのエントリーおよび省電力PC向けプロセッサだ。

 Intelは,Core i7の下位モデルとして,同じNehalemアーキテクチャに基づく,開発コードネーム「Lynnfield」(リンフィールド)および「Clarksfield」(クラークスフィールド)を,それぞれデスクトップPC用,ノートPC用として2009年第3四半期以降に市場投入する計画を持っている(関連記事)。そのため,ClarkdaleやArrandaleが登場すると,市場には45nmプロセスと32nmプロセスのCPUが混在することになるが,これについてIntelのStephen L.Smith(スティーブ・スミス)氏は,

  • 4コア8スレッドのパフォーマンスプロセッサ(=Lynnfield&Clarksfield)は45nm High-k
  • 2コア4スレッドのエントリー向けおよび省電力プロセッサ(=Clarkdale&Arrandale)は32nm High-k

になると説明。LynnfieldやClarksfieldの32nmプロセス版は(少なくとも現時点では)存在せず,次の「Tock」となる開発コードネーム「Sandy Bridge」(サンディブリッジ)世代のプロセッサへ移行するという見通しを示した。なお,32nmプロセス世代(=Westmere世代)のデスクトップPC向けハイエンドモデル,つまりCore i7の後継としては,6コア12スレッドの開発コードネーム「Gulftown」(ガルフタウン)が,2010年に「Intel X58 Express」チップセット用として用意されている。

Nehalem/Westmere世代のプロセッサでは,Hyper-Threading Technologyが有効になるため,このような表記になる。以下同。なお,Intelは2コア/4スレッドを「2C/4T」などと略したりするので,この表記法も憶えておくといいかもしれない

Nehalem&Westmere世代のミドルクラスおよびエントリークラス向けCPUがどのタイミングで投入されるかを示したスライド。まず4コア/8スレッド仕様でグラフィックス機能を持たないLynnfieldとClarksfieldが45nmで量産され,続いて2コア/4スレッドでMCPの32nm版プロセッサ,ClarkdaleとArrandaleがやってくる
画像集#008のサムネイル/Intel,32nmプロセスで製造されるCPUの動作デモを公開。2009年第4四半期の量産開始に向け70億ドルを投資へ
こちらはGulftownやチップセットも含めたロードマップ。ご覧のとおり,“Lynnfieldの32nm版”や“Clarksfieldの32nm版”は用意されていない
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 なお,ClarkdaleやArrandaleでは,Core i7やLynnfield/Clarksfieldと同様に,「Intel Turbo Boost Technology」がサポートされる。また,ノートPCでだけなのか,デスクトップPCでも利用できるのかは明らかになっていないが,統合されたグラフィックス機能と単体GPUを再起動なしに切り替えられる「switchable graphics」機能もサポートされるようだ。

Westmere世代となるClarkdaleおよびArrandaleの概要。先ほど写真でもお見せしたとおり,32nmプロセス技術で製造されるCPUコア部と,45nmプロセスルールを採用したデュアルチャネルDDR3メモリコントローラ&グラフィックス機能が,ワンチップに統合される。両者は,Core i7で導入されたQPI(Quick Path Interconnect)で接続されるため,従来のCPU−ノースブリッジ(MCH)型デザインと比べてボトルネックが小さい
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Clarkdale&Arrandaleのブロックダイアグラム(右)。「Intel 5 Series Chipset」とあるのがIbex Peakで,イメージとしては,従来のサウスブリッジ(ICH)にディスプレイインタフェースを統合し,ディスプレイ周りのみ別のライン(FDI:Intel Flexible Display Interface)で接続する感じになる
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 ところでIntelは,今回の動作デモに合わせる形で,32nmプロセス製造施設の建設に,今後2年間で70億ドル(約6300億円)を投資すると発表した。同社によると,新たに立ち上がる製造プロセスへの投資としては,Intel史上最大級のものになるという。

総じて,32nmプロセス技術での量産に,Intelが並々ならぬ自信を持っていることは伝わってくる。70億ドルという投資も,回収できる見込みがあるから行う決断が下されたわけで
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 世界経済が冷え込み続けるなか発表されたこの投資計画は,いかにも業界のリーダーたるIntelらしいところ。自ら先頭に立って,PC・IT業界を鼓舞する狙いがあると思われるが,同時にこの発表が,米ワシントンDCの「Economic Club」――Intelの日本法人であるインテルの広報担当者によれば,これは日本でいうところの経済同友会,あるいは経団連のようなものに近いそうだ――で行われたものであることを,見逃すわけにもいかないだろう。
 先ほど述べたとおり,32nmプロセスの製造施設は米国内に集中している。それらに向けた多額の投資を首都で発表するというのは,さすがに政治色を帯びていると言わざるを得ない。

 もちろんPCゲーマーの立場からすれば,政治色があろうとなかろうと,32nmプロセスが順調に立ち上がり,各セグメントごとにより高い性能のプロセッサがより安価に手に入るようになれば万々歳なので,何の問題もないといえばそれまで。ただ,オバマ米大統領の「Buy American」法案であるとか,最近アラブ資本を注入したどこか別の会社があったりすることとかを踏まえるに,いろいろ邪推したくなるタイミングなのも,また確かである。

まとめスライド1。サーバー向け製品も含めた,NehalemおよびWestmere世代のプロセッサコードネームなどを一覧できるようになっている
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まとめスライド2。こちらはClarkdale&Arrandaleの概要だ。先だって掲載した記事では,両CPUのL3キャッシュ容量が4MBになる(Lynnfield&Clarksfieldは同8MB)とレポートされているが,このあたりは今回の公式情報には含まれていない。また,今回アナウンスされたのは量産開始時期であって,市場投入時期ではないので,この点はご注意を
画像集#014のサムネイル/Intel,32nmプロセスで製造されるCPUの動作デモを公開。2009年第4四半期の量産開始に向け70億ドルを投資へ
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    Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)

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    Core i7&i5(LGA1156,クアッドコア)

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