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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第49回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(6)」
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印刷2009/06/18 19:07

連載

ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第49回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(6)」


画像集#001のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第49回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(6)」
 これまで,映画「ゴッドファーザー」のシネマゲームを余すところなく紹介すべく,U.S. Goldの歴史も含めて振り返ってきた。ここからは本格的に,Electronic Arts版「The Godfather」(邦題 ゴッドファーザー)の話題に踏み込んでいこう。

 この作品は,海外で2006年3月に,PC,PlayStation 2,Xboxという三つのプラットフォームでリリースされた。
 “ゴッドファーザー”ことヴィト・コルレオーネ役のマーロン・ブランド氏が,このゲームに対して肖像権の使用を許可し,さらには声の出演もしていたものの,ゲームの開発中に死去してしまったことから,CNNなどのニュースでも“遺作”として大きく扱われたものだ。
 こうした報道が追い風となり,アメリカやイギリスの小売店からElectronic Artsへの注文は殺到。ESRBレーティングで“Mature”(対象年齢17歳以上)だったにも関わらず,ATARIの「Enter the Matrix」を遥かに超える初回受注を達成し,シネマゲームとしては異例ともいえるヒットを記録した。

画像集#002のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第49回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(6)」 画像集#003のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第49回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(6)」

画像集#004のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第49回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(6)」
 ゲームの舞台となっているのは,第二次世界大戦直後のニューヨーク。プレイヤーが操作するのは,父親を目の前で殺されるという悲劇に見舞われ,ヴィト・コルレオーネに拾われた少年。敵対組織への復讐心をボスへの忠誠心で覆い隠しながら,マフィアの世界で与えられた任務をこなし,コルレオーネ・ファミリーのドンまで上り詰めるのが目標だ。
 ゲーム終盤にはニューヨーク全体を牛耳るべく,敵対勢力のマフィアを皆殺しにする必要が出てくるなど,バイオレンスなにおいがぷんぷん漂った作品である。

 お気づきの方もいるだろうが,ベースとなっているのは映画のPart1。プレイしていると,「そのとき,事件は起こった! 渦中で目撃した! そして巻き込まれた!」的な感じで映画内史実の生き証人というか,体験者になれるような脚本が用意されており,完成度も高い。

 プレイヤーがゲーム内で行うのは,ひとことで言ってしまうとパシリ。コルレオーネ・ファミリーからの信頼を得るためには,街で店を営んでいる経営者をゆすって上納金をせしめたり,通行人を脅して金を奪ったりと,無理難題を淡々とこなさなければならない。
 時には,日頃の悪さに目をつぶってもらうため,警察へ賄賂を贈ることもある。こうした世渡りも,裏街道を生き抜くためには必要なのだ。
 そんな気遣いをしているのに,ちょっとした正義心から街を徘徊する引ったくりといった小悪党を退治すると,理不尽にも警察から追いかけられる羽目になったりするのが悲しいが,金さえあれば警察や公安だって意のままに動かせてしまう。
 こんな混沌とした世界こそが,The Godfatherなのかもしれない。

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画像集#007のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第49回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(6)」
 なお,ゲームの中では1940年代のニューヨークの街,マンハッタン島周辺界隈や主要幹線道路から,小さなストリートまでが見事に再現されている。開発期間が長かっただけあって,その作り込みっぷりは相当なもの。
 マップ全体の広さが災いして,目的地までの移動に時間がかかりすぎるというマイナス点もあるが,映画の雰囲気はきっちり再現されているし,マフィアの抗争も緊張感を持ちながら楽しめる。
 総合的に見て,シネマゲームとしてだけでなく,アクションゲームとしても多くの人にお勧めできる作品だと筆者は確信している。


 リリースから半年後(2006年9月)には,Xbox 360版とPSP版「The Godfather: Mob Wars」も発売。翌2007年3月には,PLAYSTATION 3版「The Godfather: The Don's Edition」とWii版「The Godfather: Blackhand Edition」もリリースされ,EA版ゴッドファーザーは1年でほぼすべてのプラットフォームを制圧したのである。

 その一方で,日本での発売には壁が立ちはだかっていた。海外で話題を呼んでいただけでなく,「GTA」以降のクライムアクションゲームとしてシネマゲームファン以外からの期待も高まっていたにもかかわらず,だ。次回はそのあたりの事情をお伝えしよう。

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■ドブ漬けゲームスープレックス(48)

Xbox 360 / PLAYSTATION 3
「Wanted: Weapons of Fate」(スパイク)

 マーク・ミラー原作のグラフィックノベルを映画化した「WANTED」で,モーガン・フリーマン氏演じるスロースをウェスリー・ギブソンが倒した5時間後からスタートするのが,このゲームだ。
 ちなみに映画の主役はジェームズ・マガフォイ氏。だが日本では,知名度を考慮した結果,アンジェリーナ・ジョリーさんをメインにしたプロモーション活動が行われていた。

 そんな本作は,日本人にとってなじみやすいTPSで,映画同様にウェスリーが弾丸の軌道を曲げるバレットカーブを使えたり,トーマス・クレッチマン氏(クロス役),ピーター・ストーメア氏(イモータル役),テレンス・スタンプ氏(ペクワースキー役),コモン氏(映画ではガンスミス役だったがゲームではブランメル役)といった俳優陣が,(海外版では)オリジナルボイスで声の出演もしている。
 ただ,ジェームズ・マガフォイ氏とモーガン・フリーマン氏の肖像権はクリアできているのに,声だけは別人というのはなんとなく気持ち悪い。

 なお,6月25日(木)に発売される日本版では,声もローカライズされており,DVDとほぼ同じボイスアクターがゲームにも参加している(DAIGO氏は参加していないが,まあそれは……うん)。オリジナルボイスとの切り替えに対応していないのは,ちょっと残念なところ。

 というわけで筆者は本作の海外版を,難易度“アサシン”でクリア! そして,PC版のエンディングとコンシューマ版が違うという事実に気付いた。
 PC版では,コンシューマ版で描かれたエンディングのシーンから,さらに「え? マジ?」と目を疑ってしまうような「笑」撃的な展開へ続くのだが,さすがに下品で下劣過ぎたってことなのかしら?
 気になる人は,コンシューマ版とPC版の両方を遊んでみるといいかも。

画像集#011のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第49回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(6)」
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■■ジャンクハンター吉田(シネマゲーム研究家)■■
6月20日(土)には,TOHOシネマズ六本木で開催される「ハード・リベンジ ミリー〜ブラッディバトル プレミア先行上映イベント」でMCを担当するという吉田氏。さらに翌週6月26日(金)19:00からは,「ニコニコチャンネルGTV」にまたしても出演し,「バイオニック・コマンドー」のプロデューサーを務めたベン・ジャッド氏と,映画監督の山口雄大氏を招いてあれこれやるそうです。前回出演時の吉田氏は,なんだかかなり暴走していたという噂ですが,次回は果たして?
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