お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
[COMPUTEX]ASUS海外セールス担当VPインタビュー。R.O.G.ブランドはどうして生まれ,何を目指すのか
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2013/06/07 18:52

インタビュー

[COMPUTEX]ASUS海外セールス担当VPインタビュー。R.O.G.ブランドはどうして生まれ,何を目指すのか

 COMPUTEX TAIPEI 2013に合わせて開催されていたASUSTeK Computerの「R.O.G.プレスカンファレンス」関連記事)直後,同社のCorporate Vice President & GM of Worldwide Salesを務めるJackie Hsu氏にインタビューする機会を得られた。氏の統括範囲は非常に広いが,R.O.G.部門を統括する人物でもあり,同社のゲーマー向け製品についても広く把握している。ASUSの製品作りに対する考え方や今後のR.O.G.製品の展開などについても話を聞けたので,さっそくその模様をお届けしよう。

ASUSTeK Computer Corporate Vice President & GM of Worldwide Sales Jackie Hsu氏
画像集#001のサムネイル/[COMPUTEX]ASUS海外セールス担当VPインタビュー。R.O.G.ブランドはどうして生まれ,何を目指すのか

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。かなり幅の広そうな役職ですが,Hsuさんは,ASUSのどういう部門を統括されているのでしょうか。

(Jackie Hsu氏,以下Hsu氏):
画像集#003のサムネイル/[COMPUTEX]ASUS海外セールス担当VPインタビュー。R.O.G.ブランドはどうして生まれ,何を目指すのか
 私は,ASUSで,ワールドワイドのセールスを統括しているゼネラルマネージャーです。私が主に見ているのは,簡単に言えば「据え置き型製品」関連で,具体的にはデスクトップPCやマザーボードなどですね。R.O.G.ブランドの製品も,デスクトップやマザーボードについては私が見ています。逆にノートPC,スマートフォン,タブレットといったモバイル製品は私の管轄外です。

4Gamer:
 分かりました。では,R.O.G.ブランドの成り立ちや,今年のR.O.G.ブランド製品の訴求するポイントについて教えてください。

Hsu氏:
 我々ASUSは,長らく一般ユーザー向けの製品開発に注力してきました。
 しかし,6年前,特定層に向けた製品開発に挑戦してみようというプロジェクトが立ち上がり,まず最初に,ゲームプレイヤー向け,オーバークロッカー向けの製品開発を行うことにしました。それが事実上,R.O.G.ブランドの発足となりました。
 とくに力を入れたのがマザーボードの開発だったのですが,当時は,「ゲームプレイヤー向けのマザーボード」という定義自体が定まっていませんでしたので,まず,どんな機能が必要なのかを洗い出し,そのなかから有益だと判断される機能を搭載していきました。

4Gamer:
 具体的にはどんな機能でしょうか。

Hsu氏:
MAXIMUS VI Formula
画像集#006のサムネイル/[COMPUTEX]ASUS海外セールス担当VPインタビュー。R.O.G.ブランドはどうして生まれ,何を目指すのか
 たとえば,今年発表した「MAXIMUS VI Formula」では,6つの機能を訴求しています。うち3つはハードウェアの機能で,残る3つはソフトウェアの機能になります。
 ハードウェア機能3つのうち,1つはCross Chillと呼ばれる空冷と液冷のハイブリッドな冷却システムです。2つめはCPU動作状態や温度状態を表示し,オーバークロック制御が行えるOCパネルで,3つめは,高度なサウンド機能を提供するSupreme FXになります(関連記事1関連記事2)。
 ソフトウェア機能は,1つめが,SSDのパフォーマンス改善によく使われるSecure Erase機能,2つめがシステム性能の向上やパソコンの使用感改善につながるRAMディスク機能をBIOSレベルでサポートしたことです。同様な機能を提供するサードパーティ製品もありますが,ASUS純正の形で提供したことが重要だと考えています。そして,ソフトウェア機能の3つめは,ゲームプレイ中に敵キャラクターが立てる音の定位を可視化するSonic Radar機能です(関連記事)。
 この6つの機能は,ほかのブランドにはないR.O.G.製品だけの特徴になるでしょう。

4Gamer:
 R.O.G.は「ゲーマー共和国(Republic of Gamers)」という意味の造語ですよね。「ゲーマー」という文字がブランドに含まれているのですが,R.O.G.からはゲームプレイヤー向け製品とオーバークロッカー向けの製品の両方がリリースされています。ゲームプレイヤーとオーバークロッカーではニーズが違うはずなのに,R.O.G.ブランドでは一緒になっていますから,少し分かりにくくないですか?

Hsu氏:
画像集#004のサムネイル/[COMPUTEX]ASUS海外セールス担当VPインタビュー。R.O.G.ブランドはどうして生まれ,何を目指すのか
 いい質問ですね。一般の人はゲームファンを「ハードコアゲーマー」と「カジュアルゲーマー」の2種類に区別しますよね。そこまでは我々も同じですが,我々はもう1つ「テクノロジー好き」という第3の軸を設定しているんです。つまり,ユーザーをゲーマー度で推し量るx,y軸と,テクノロジー好きで推し量るz軸を設定したようなイメージです。
 そうすると我々の製品ラインナップも分かりやすく見えてきませんか。
 たとえば,OCパネルが付属する「MAXIMUS EXTREME」シリーズは,ゲームをプレイするものの,ゲーマー度の高さよりは「テクノロジー好き」度が飛び抜けているユーザー向けの製品です。
 複数GPU対応で安定動作志向の「MAXIMUS FORMULA」シリーズは,「テクノロジー好き」のユーザーへのアピール度はそこそこですが,ゲーマー度の高いユーザーには響く製品となっているはずです。
 コンパクトサイズの「MAXIUMUS IMPACT」は「テクノロジー好き」度はそこそこ,ゲームプレイは重視するが,ウルトラハイエンドなグラフィックス環境までは求めていないというPCゲーマーの人向きの製品です。

4Gamer:
 なるほど。
「GOD BLESS JAPAN」とプリントされたマザーボード「Danshui Bay」
画像集#005のサムネイル/[COMPUTEX]ASUS海外セールス担当VPインタビュー。R.O.G.ブランドはどうして生まれ,何を目指すのか
 ところで,2011年のCOMPUTEXでは,「GOD BLESS JAPAN」(日本に神のご加護を)のメッセージ刻印されたマザーボードのコンセプトモデルが展示されていました(関連記事)。これは2011年3月11日の日本での巨大地震の被害者や,気落ちした日本国民全体に向けられた応援メッセージだと思われます。日本では,このニュースは比較的大きく報じられ,日本のPCプレイヤーはこのメッセージに感動しました。この一件にはどういった背景があったのでしょうか。

Hsu氏:
 ASUSの企業理念には「人のことを思いやる」というものがあります。ですから,たとえばの話ですが,我々の支社のあるフランスで重大な事件があったとすれば,我々は同じことをしたことでしょう。こう言うと語弊がありますが,日本だけを特別視しているわけではなくて,我々は,世界のすべての人々に対して同じ度合の思いやりを持って接しながら,ビジネスを展開しています。
 ただ,このマザーボードにメッセージを刻印した件に関しては,製品の開発に従事した技術者の一人が,個人的に日本に対して特別な思いを持っていたことも理由の一つとなっています。会社の命令でやらせたわけではありません。ちなみに,あのメッセージが刻印されたマザーボードは量産品にはなりませんでした。

4Gamer:
 CPUソケット2基搭載の強烈な製品でしたが,発売されなかったのは残念ですね。
 そのマザーボードのように,ASUSやR.O.G.ブランドでは,毎年のCOMPUTEXで,ユニークなコンセプトモデルをいくつも展示していますよね。あれはどういった経緯で開発されるのでしょうか。また,他社にはないユニークな製品なのに,最終的に発売されないこともありますが,どうしてなのでしょうか。

Hsu氏:
 毎年発表される,独特で個性的な機能を持つコンセプトモデルは,いくつかの種類に分類されます。1つは,担当技術者やその開発チームが,ユーザーの反応を窺うような目的で開発するタイプです。もう1つはマーケティングサイドから提案されたアイデアに基づいて開発されるタイプです。
 展示を行ったあと,来場者からの意見を取りまとめて,ユーザーが欲しているものと判断されれば,最終的に量産されて発売へと踏み切ります。いくらユニークで話題作りに貢献できたとしても,ユーザーのウケがよくなかったものは発売に到りません。

4Gamer:
 ゲーマー向けデバイスでは,PC本体も重要ですが,ディスプレイ製品も重要です。R.O.G.ブランドでゲーマー向けディスプレイを出す考えはありますか。

Hsu氏:
画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]ASUS海外セールス担当VPインタビュー。R.O.G.ブランドはどうして生まれ,何を目指すのか
 R.O.G.ブランドではありませんが,我々はすでに「VG248QE」関連記事)などの強力なゲーム用ディスプレイ製品をリリース済みです。VG248Eは応答速度が1ms(Gray to Gray),リフレッシュレート144Hz対応の3D立体視にも対応した製品です。おそらく,ゲームプレイヤー向けの24インチ液晶ディスプレイとしては最強といえる製品でしょう。
 今後は,最近話題の4K解像度のディスプレイ製品や,要望の多い超低遅延に対応したディスプレイなどを出していきたいと思っています。

4Gamer:
 分かりました。
 では,最後に日本のPCユーザー,そしてASUSやR.O.G.ファンに向けてメッセージをお願いします。

Hsu氏:
 日本のPCゲーマー向け市場は,世界に類を見ないほどハイエンド指向の人が多いんです。そして日本のPCユーザーは全般的に知識が豊富です。我々ASUSグループでは,ミドルクラスからハイエンド製品に関しては,世界で最初に日本で発売することもあるくらいです。
 今後とも,日本プレイヤーからの反応に積極的に耳を傾け,そして日本のお客様が求める製品を提供していけるように努力していきたいと思っています。これからもASUSグループ,R.O.G.シリーズをよろしくお願いいたします

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

[COMPUTEX]ゲーマー向けマザーボードのMini-ITXモデルや,液冷+空冷のGPUなど,注目製品が目白押しの「R.O.G.」プレスカンファレンス詳報

COMPUTEX TAIPEI 2013取材記事一覧

  • 関連タイトル:

    Republic of Gamers

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:11月30日〜12月01日