男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第793回「名作は時を越える」

著者近影

　名作は時を越えると言います。例えば小説。どんな時代に読んだとしても，人々の心を打ちます。私も武者小路実篤の小説「友情」は，いまだに好きです。
　漫画もそう。手塚治虫の「ブラックジャック」は，やはり本棚に置かれています。歌だってそうですね。懐メロってやつは，いつ聞いても聞き飽きません。

　ゲイムもそうっちゃあ，そうです。私はライフワークとして，週一でアーケードアーカイブスのゲイムを遊んでいますが，これは1980〜1990年代を中心としたアーケードゲイムを週に1本のペースで復刻しているプロジェクトなのですね。
　昔のゲイムを今遊んでも，面白くないわけじゃないんです。むしろ，限られたスペックの中でよくぞ，こんなに遊びを入れ込めたなと感心します。

　今回紹介するのは「ルイージマンション2 HD」なんですけども，上記の話とはちょっと違った感覚の「名作は時を越える」って話です。


　ええ，私，迷っていたけど「ルイージマンション2 HD」をプレイしたんですよ。先週，「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 Quest of Memories」（PC / PS5 / Nintendo Switch / PS4）の続きをここで書く，と言ったんだけどもゴメンなさい。進んでないです。
　というのも，「ルイージマンション2 HD」を買ってしまったから。で，今はもっぱらこっちをプレイしてるんですけどね。これ，まったくと言っていいほど，オリジナルのニンテンドー3DS版とプレイ感覚が同じなんですよ。
　いや，ひょっとしたら「ルイージマンション3」のイメージとごっちゃになってるかもしれないんだけど。


　なんにも違和感なく遊べてしまいすぎて，「なつかしい！」って気持ちにならないんですよね。逆に言うと，新たな感動などもとくになかったわけだけれども。
　あ，くれぐれも勘違いされないように述べておきますけどね，面白いのは前提です。まんべんなく，誰がプレイしても面白いゲイムのひとつでしょう。広くお勧めできるタイトルであることには間違いないです。


　そのうえで。今作に新鮮さはないです。これ，全然けなしてないですよ。というのも，「ルイージマンション2」はオリジナルの発売当時から完成度が高かったってことなんですよ。
　もちろん，ビジュアル面は比べ物にならないくらい，強化されてるとは思います。でも，ビジュアルではない部分で，しっかりと面白さを表現できていたんですよ。こう書くと「ビジュアルが関係ない」って意味にとらえられるかもしれないんだけど，そういう意味でもなくて。すべてがナチュラルに再現されてるって意味なんですね。ビジュアルに頼った面白さではなく。

　このゲイムって「オバキューム」という，言ってしまえば掃除機みたいなもので敵を吸い込んだり，ギミックを作動させたりして進んでいくゲイムなんです。その吸い込む動作だったり，吸い込むことで動く物の挙動だったりの気持ちよさを表現するのは，当然ビジュアルなわけで，そこに関しても実は昔から完成してたんですよ。
　ただ単に，Nintendo Switchのマシンパワーを生かしたHDになったってだけ。だから，プレイしていて新しい感動がないんだと思うんです。いや，マジでこれってすごいことだと思いますよ。ビジュアル面では確実な進化を遂げているはずなのに，プレイ感覚は当時のまま。それほど完成度が高かったって話なんですね。

　だからってわけではないんだけど，「ルイージマンション2」を遊んだ人には勧められないかもしれないっていうジレンマが発生してます。私の中で。


　いやね，「ルイージマンション2」自体はめちゃくちゃ面白いから，もう一度遊んでもいいって人もいるだろうし，そんな人には間違いなくおススメです。なので「なつかしい！」って思いたい人には，そこに関して「私はあまり感じられなかった」とだけは言っておきます。
　ただ，「ルイージマンション2」を遊んだことがない人に対しては，猛烈におススメしたいとは思いますよ。しっかり面白いです。「ルイージマンション3」を遊んだ人だったら，言い方はアレだけど「3」の延長線上の感覚で遊べるとは思います。そんな感じですね。


　「ルイージマンション2」のオリジナル版は2013年3月20日発売だから，11年前の作品です。でも今回，Nintendo Switch版をプレイした感想としては「11年前の作品だとは思えない」に尽きますかね。
　繰り返しになりますが，全然なつかしくないです。普通に今の作品として面白い。10年前にそんな作品を生み出しているって事実に驚愕ですよ。名作は時を越える，とは言うけれど。時代背景とかそういうのを踏まえたうえで時を越えてくるんですよ，名作は。


　ただ，「ルイージマンション2 HD」は時代背景とか，そういうのと一切関係なく面白いってタイプの名作ですね。というわけで，まだやったことのない人はヤッてほしいと思います。時を越えてくるから，今でなくともいいんだけれども。確実に面白いです。
　そんな感じで今週はここまで。また来週。今度こそ「無職転生」進めるぞ！

今週のハマりゲイム
PlayStation 5：「eFootball 2024」
PlayStation 5：「Rise of the Ronin」
Nintendo Switch：「ルイージマンション2 HD」
Nintendo Switch：「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 Quest of Memories」
iOS：「ロードモバイル」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，7月5日（金）17：30より東京・上野恩賜公園野外ステージ「闘うビアガーデン2024 in UENO」を，7日（日）13：00より神奈川・小田原アリーナ・サブアリーナ大会「日本障がい者レスリング連盟プレゼンツチャリティー大会〜Road to PETER PAN 2024 TOUR in ODAWARA」を開催します。ディーノ選手は上野大会で秋山 準選手＆大石真翔選手とのタッグで，HARASHIMA選手＆中村圭吾選手＆石田有輝選手と対戦予定。小田原大会ではMAO選手＆秋山準選手とのタッグで，上野勇希選手＆勝俣瞬馬選手＆To-y選手と対戦予定です。ディーノ選手によると「上野では酒が売れるような試合をし，小田原ではMAOのことを弟子だと言い張る大石さんをぶっつぶす」とのことでした。