男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第662回「今月もフリープレイはありがたい。が……」

著者近影

　誰も悪くない。悪くないけど，自分だけが悲しい。ひょっとしたら日本のどこか，世界のどこかにはこの悲しみを共有できる人がいるかもしれない。でも，今私が見えていて手の届く範囲の世界においては，この悲しみは私だけのものだ。
　例えば学生時代，好きな子がいたとする。「あの子可愛いな」と親友と常に噂をしていたとする。学年が上がり，その子とクラスが一緒になったとする。会話をするようになり，どんどんその子が身近になり，本格的に好きになったとする。で，ある日気付いたら親友とその子がつき合ってたとする。この場合。誰も悪くない。あの子のことは好きだけど，一方で親友も好き。でも，好きな人と好きな人同士が好きになり合ったら，なんで苦しいんだろう。なんで自分のことを好きになれなくなってしまうんだろう。誰も悪くないはずなのに。1＋1がなぜか2にならない。こういうことを学ぶのが学生時代ってやつなのかな。
　例えば友達がお金に困っていたとする。お金を貸そうか？　と聞いたけど，「そんな大金を借りたら今後友達としてやってけないから」と断られたとする。その彼はやがて音信不通となり，もう二度と会えなくなったとする。誰も悪くない。少なくとも友達と自分の間には何も間違ったやりとりはない……はずだ。誰も間違ってなく，最善の道を選んだはずだったのに，結果が最善のものではなくなる。公式が合っていて答えが間違ってた場合，△として少しは点がもらえるはずなのに。結局0点ですらなく，自分の手元に残ったのはマイナスだけ。数学，難しすぎてよく分かんないや。
　実は誰も悪くないことは，人生に多くある。だけど，誰かの何かが悪いってことにしなきゃ話が進まない場合もある。でも，誰も悪くない。悪くないんだよ。

　感想としては，ついに来たという感じですかね。いつか来るとは思っていた。でも，実際にその瞬間が来たら，言葉を失う。心の準備はできていた。ただ，練習と本番は違う。一応プロレスラーである私は，よく心得てるつもりだ。その時が来た，ただそれだけのことなのだ。
　よくこの連載で，PlayStation Plusに加入しておけば毎月無料で数本のゲイムを遊べるよ，と言ってきたけども。ついに，かぶりました。もうすでに遊んだゲイムが12月分にラインナップされたのです。
　具体的には「JUDGE EYES：死神の遺言」のPlayStation 4版。今年の9月に発売された「LOST JUDGMENT：裁かれざる記憶」（PlayStation 5 / Xbox Series X / PlayStation 4 / Xbox One）の前の作品ですな。ぜひ多くの人に遊んでほしい作品ではあるので，無料で遊べる環境が提供されるというのは喜ぶべきことなんだけども。でも，やはり何か切ない。こちらは決して損はしていないのは分かっているの。ただ，きっとこれからも，こういうことが起きるんだろうなァ……。
　ただ!!　それでも私のPlayStation Plusへの信頼が揺らぐことはない！　言い続けるよ私ぁ「PlayStation Plusに加入したほうがいい！」と。

　ちなみに今月のフリープレイは，前述のJUDGE EYESのほか，「Godfall: Challenger Edition」（PlayStation 5 / PlayStation 4），「レゴ DC スーパーヴィランズ」（PlayStation 4），「The Sexy Brutale」（PlayStation 4）というラインナップ。数があるだけじゃなく，毎月フリープレイにピックアップされる作品は確実に一定以上の面白さがある作品なのよね。そこが素晴らしい。質の面でも信頼できるのがこのPlayStation Plusの素晴らしいところ。
　なので，たとえ過去に遊んだ作品がPlayStation Plusのフリープレイとして配信されたとしても！　お得感が揺らぐことはいささかもないッ！　てなわけで，PlayStation Plus，ぜひ加入したほうがいいですぜ。

　で，JUDGE EYES以外のゲイムを軽く遊んでみたんで，駆け足で紹介しておきましょうかね。
　Godfall: Challenger Editionは良質なアクションRPGですな。圧倒的なグラフィックスで豪快なアクションを楽しめるという，世界観を含めていかにも海外らしいゲイム。若干，右スティックの視点変更操作に慣れなくて，そのせいで敵から攻撃をもらったりするけども，安定して面白いです。


　レゴ DC スーパーヴィランズは，レゴでできたアメコミの世界に入ってヴィラン（悪役）として暴れ回るアクションゲイム。世界がレゴで表現されているんだけど，だからといってグラフィックスに甘えは一切ない。むしろ，レゴを超ていねいに，なおかつ繊細に描いている。だからおもちゃというフィクション感が際立って，思ったよりも爽快なプレイ感覚でした。いわゆるレゴを壊していくゲイムなんだけど，悪役っていうことで壊す行為そのものが正当化されているのがいいね。オススメです。


　そしてThe Sexy Brutale。いわゆるループもののアクションアドベンチャー。起こってしまった殺人事件を阻止するため，何度も事件前に時間をループするというゲイム。テキストで進行するのではなく自分で操作する分，謎の緊張感を味わうことができる，一風変わった作品です。徐々に面白くなっていく系のゲイムだと思う。トライ＆エラーを苦にしない人であれば，とてもハマるんじゃないかしら。


　とまあ，今週はこんな感じです。あるソフトをPlayStation Storeで買ったんだけど，実はNintendo Switch版もニンテンドーeショップで予約していたことが発覚して，同じゲイムを複数のプラットフォームで買って倍の出費になったというミスを犯したが，誰も悪くない。有機EL版Nintendo Switchが店頭で売られていたので買おうとしてカウンターに商品カードを持って行ったら，なんかの間違いで完売していることを告げられたけども，誰も悪くない。そう，誰も悪くないのです。
　前を向いて。2021年もあと1か月。頑張ろう。また来週，

今週のハマりゲイム
PC：「METAL DOG」
PlayStation 5：「FIFA 22」
Nintendo Switch：「メガトン級ムサシ」
iOS：「龍が如く ONLINE」
iOS：「今三国志」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ 男色“ダンディ”ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，今週末の12月11日に群馬・YAMADAグリーンドーム前橋サブイベントエリア大会「NEVER MIND 2021 TOUR in MAEBASHI」を，翌12日に東京・新宿FACE大会「NEVER MIND 2021 TOUR in SHINJUKU」を開催します。ディーノ選手は両日共に飯野“セクシー”雄貴選手とのタッグで参戦予定。「フェロモンズが上から強制的に年内で終了させられてもおかしくないぐらいのことをヤってやる。という気概で挑む」とのことです。