男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第651回「繰り返しは大切」

著者近影

　繰り返しって大切だと思うんです。
　ショービジネスの世界では「それ前にもう見たよ」というお客様からの声を，どれだけ我慢できるかが試されるケースが多いのですね。
　私，男色ディーノが生業としているプロレスに関してもそう。厳密に言うと同じ試合は一つとしてない。でも，ファイトスタイルが固まってきた選手であれば，どうしても自分の試合の傾向というのが出てくるのですよ。結果，「それ前にもう見たよ」と感じてしまうお客様が生まれる。
　ただ，一方でプロレスラーには必殺技というものがあります。そしてそれを見に来ている人も存在するわけで。アントニオ猪木の延髄斬り。ジャイアント馬場の十六文キック。長州 力のラリアット。天龍源一郎のパワーボム。結局，“前に見た＝これを見に来たんだ！”という代名詞にもなっているわけですね。
　何が言いたいかというと，「それ前にもう見たよ」って，結局のところ自分自身がそう思っているってだけの話なのですね。だって試合である以上，まったく同じものはないわけですよ。試合運びの傾向はあるけど，対戦相手が違えば毎回何かしらが変わってくる。勝負の観点から言っても，数をこなした技のほうが精度が上がってくるし，ショービジネスの観点から言っても「必殺技を見ることができた！」という価値を育てることにもなる。
　お笑いの世界では「ギャグは自分自身が飽きずに使い続けることが重要」と言われているらしいけど，プロレスも同じことが言えるのかもしれない。常に初めて見る人の気持ちに寄り添うことが，新規のお客さんをリピーターに変えるコツな気がしている。もちろんこれは常連をないがしろにしろという意味ではなく。
　一つとして同じ試合はないことを踏まえつつ，ずっと見ている人の印象をも操作できる幅と技術も備えておく必要があるのかなと，ベテランと中堅の間にいる私は思うわけです。だから，繰り返すことを恐れるな，と。そういうことが言いたいのですね。

　さて，ここからが本題です。この連載でも同じ。同じことを書いちゃダメ。でも，言いたいことを繰り返すことを，恐れちゃいけない。だから，繰り返します。PlayStation Plusはお得ですよ，と。1か月850円（税込）からの利用権さえ購入しておけば，毎月無料で2〜3本のゲイムをダウンロードできる「今月のフリープレイ」を利用できるので。このところ毎月言っているけども，こればっかりは今後も言い続けると思うよ。
　で，今月のフリープレイなんだけども。今月はPlayStation 4用としては，「ヒットマン2」と「Predator: Hunting Grounds」。そしてPlayStation 5用の「Overcooked! - オーバークック 王国のフルコース」。
　ヒットマン2はその名のとおり殺し屋になって暗殺していくアクションゲイム。オープンワールドとまではいかないまでも，作り込まれたエリアの中で自由に行動できるのが魅力。当然，暗殺する方法は自由。そういうゲイム。
　Predatorは，オンラインマルチプレイ専用のシューター。オンラインのシューターはミスったら怒られるってイメージがあるから，ダウンロードはしたけどプレイはしていない。ごめん。

「ヒットマン2」

「Predator: Hunting Grounds」

　とまあこの2タイトルの紹介はそこそこに，今週とくに取り上げたいのがOvercooked! - オーバークック 王国のフルコースなのですよ。これ，一人でもマルチでも遊べるタイトルなんだけど，切り口が絶妙なのよね。というのも，料理するゲイムなのですよ。具材を切る，焼く，皿に盛る，提供する，場合によっては皿を洗うっていう行程を制限時間以内にどれだけこなせるかを競うゲイムなんだけどね。これがホントによくできていて。
　私，たまたま数少ない友達とオンラインで遊ぶ機会があったんだけど，コミュニケーション必須。具体的に言うと，ボイスチャット必須。まあ，プレイするだけなら当然ボイスチャットは必要ない。でも，このゲイムを最大限楽しむにはボイスチャットはあったほうがいい。なぜなら，一人ですべてをこなすことはできないから。
　「自分，肉焼きます！」「皿がない！　皿洗って！」「次キャベツ欲しい！」っていう指示やら役割分担やらをスムーズに行うことが，このゲイムの何よりの攻略法なのですよ。だから，声を掛け合ったほうが楽しい。私の世代で言うと，昔，友達の家に集まってやいやい言いながらゲイムで遊んだあの感覚。あの楽しさをインターネット越しにちゃんと体験できるのです。


　ちなみに，「Overcooked」シリーズは現在「2」まで出ていて，今作は1と2の両方に加え，すべてのダウンロードコンテンツを遊べるという優れモノでございます。一人でプレイしてもポップなパズルアクションゲイムの様相を呈しているけど，まあこのゲイムの魅力が発揮されるのは断然マルチプレイですな。ボイスチャットできるお友達がいるならぜひ遊んでみてほしい。ホントにオススメ。そういう友達がいない人は……まあ，ヒットマン２で暗殺し倒したらいいんじゃないかな，ウン。


　それにつけてもゲイムって，コミュニケーションの楽しさに戻りつつあるんだな，というのを最近よく感じるわよね。離れていながらコミュニケーションをとって遊べる。もちろん，コミュニケーションを取らない遊び方もできる。ただ，やっぱり人と人とが時間を共有しているっていう楽しみ方を，より色んな切り口で提供してくれているのが，最近のゲイムの流れなんだなあって。
　時代は変われど，これからもこの連載では何度も繰り返し言い続けたいと思います。「やっぱりゲイムって楽しい！」と。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5：「Overcooked! - オーバークック 王国のフルコース」「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」※PlayStation 4版
Nintendo Switch：「おすそわける　メイド イン ワリオ」
iOS：「龍が如く ONLINE」
iOS：「今三国志」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ 男色“ダンディ”ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，今週末の9月26日に東京・後楽園ホール大会「Who's Gonna TOP？ 2021」を開催します。ディーノ選手はこの日，フェロモンズとして飯野“セクシー”雄貴選手＆今成“ファンタスティック”夢人選手 VS. 岡田佑介選手＆岡谷英樹選手の試合にセコンドとして付くほか，高梨将弘選手＆大鷲 透選手とのタッグで，坂口征夫選手＆赤井沙希選手＆アントーニオ本多選手と対戦予定。ディーノ選手は「負け越さないよう，一勝一敗を目指したうえで悩殺する」そうです。